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でも、“凄く嬉しい”と思った私の唇に青さんの唇が触れることはなくて。
私の頬にも触れることはなくて・・・。
私の顔を青さんの顔が通り過ぎたのを感じ取った。
目を開けると、私の首筋に顔を埋めている青さんの姿が見えた。
「あぶね・・・・、キスしようとしてた・・・。
お前、俺の弱みを握るのが上手すぎて、やっぱりすげー怖いんだけど・・・。」
そんな文句を言ってきた青さんが私の匂いを大きく吸って・・・
それから私の首筋からゆっくりと顔を離し、私の顔のすぐ近くから私の唇を見下ろしてきた。
「やっぱ・・・今から実家に帰る・・・。
お前がチロの件とは無関係だったっていうこともハッキリしたし、ペロペロに釣られてダッシュで帰ってきたけど、やっぱりダメだ・・・。
ペロペロだけして貰いてーなとか思ってたけど、俺・・・やっぱりお前のことがすげー好きなんだけど。」
ジッと私の唇を見詰めてくる青さんの視線を感じながら、ドキドキと煩い心臓の音を聞く。
「俺の幸せはお前が一平と幸せになることなのに、望が俺の幸せまで望んでくるから・・・。
俺の家で、煩くて面倒でヤバい感じになりながら、そんな望みを言ってくるから・・・。
俺も幸せになりてーなとか、絶対に叶わない望みが・・・叶ったらいけない望みが出てくる・・・。」
「青さんの幸せは、増田財閥のことなんて全部捨てて、本当に好きになった女の子とノンノンを育てることだよ・・・。」
ドキドキしながらも凄く苦しくなりながらそう言った。
そしたら・・・
「俺の幸せをお前が勝手に決めるなよ・・・。」
凄く怒った顔と声でそう言ってきて・・・。
私の腰に回っている青さんの手に力が込められた。
「俺が考えた俺の幸せは、増田財閥をぶっ壊した後に・・・、その後なのに、望が俺の所に帰ってきてくれることだよ・・・。
一平の所じゃなくて・・・、小関の“家”の人間の所じゃなくて・・・、俺の所を選んでくれることだよ・・・。
でも・・・」
言葉を切った青さんが苦しそうに目を閉じた。
「今1番の望みは・・・今、この瞬間の望みは・・・」
目を閉じながら苦しそうに、今考える1番の望みを口にしようとした青さんの唇の動きが止まり、それから青さんは大きく息を吸った。
そしてゆっくりと目を開け、私の顔をジッと見詰め・・・
普通の顔で笑った。
そんな笑顔でパッと私の腰から手を離し、私の顔からも顔を離した。
「もしもさ、俺が増田財閥をぶっ壊して、その時にさ、俺のことを恨む気持ちの中に少しでも嬉しいとか・・・ありがとうとか、そんな気持ちがあったらさ、俺のほっぺたにキスして。」
普通に笑いながら自分の頬をゴシゴシと指先で触っていく。
「ガキがするやつで良いから。
ちゃんと顔洗っておくから。
ここら辺に・・・。
それが俺の今1番の望み。」
そんな分かりやすい嘘をついてくる青さんには、何でか私の方が泣きそうになってくる。
胸がギュッと苦しくなってくる。
だから思わず、青さんの離れてしまった身体に両手を伸ばし、青さんの大きな背中に手を回した。
泣きそうになりながらも青さんのことを見上げて笑う。
「それくらいで良いなら、今してあげるよ。」
「マジで・・・?」
照れたように、でも困った顔で青さんが笑って、私から視線を少しだけ逸らした。
「顔・・・洗ってくる。」
「そんなのいらないよ。」
「でも、少しでもお前から“汚くない”と思われたい・・・。」
「今指で拭いてたからそれで良いよ。
屈んで?
青さん大きいから届かない。」
「本当のところは・・・?
“きったね~”って思ってる?」
「思ってないよ。」
「“キモっ”て思ってる?」
「思ってないから。」
「でも、本当のところは・・・」
「青さん、うるさい。」
青さんのコートの下襟を両手で掴み、思いっ切り私の方へと引っ張った。
そして・・・
青さんの頬ではなく、私の唇を青さんの唇にくっつけた。
凄くドキドキとし、凄く凄く“嬉しい”と思いながら、青さんの唇から自分の唇を離す。
「青さんがうるさいから、間違えてほっぺたじゃなくて口を塞いじゃった!」
そんな嘘を言った私のことを青さんはめちゃくちゃ瞳を揺らしながら見詰めてくる。
かと思ったら・・・
「ゎ・・・・・・・・・・ンッ」
私の背中をまた強く引き寄せたかと思ったら、その瞬間には今度は私の口が青さんの口に塞がれた。
私の頬にも触れることはなくて・・・。
私の顔を青さんの顔が通り過ぎたのを感じ取った。
目を開けると、私の首筋に顔を埋めている青さんの姿が見えた。
「あぶね・・・・、キスしようとしてた・・・。
お前、俺の弱みを握るのが上手すぎて、やっぱりすげー怖いんだけど・・・。」
そんな文句を言ってきた青さんが私の匂いを大きく吸って・・・
それから私の首筋からゆっくりと顔を離し、私の顔のすぐ近くから私の唇を見下ろしてきた。
「やっぱ・・・今から実家に帰る・・・。
お前がチロの件とは無関係だったっていうこともハッキリしたし、ペロペロに釣られてダッシュで帰ってきたけど、やっぱりダメだ・・・。
ペロペロだけして貰いてーなとか思ってたけど、俺・・・やっぱりお前のことがすげー好きなんだけど。」
ジッと私の唇を見詰めてくる青さんの視線を感じながら、ドキドキと煩い心臓の音を聞く。
「俺の幸せはお前が一平と幸せになることなのに、望が俺の幸せまで望んでくるから・・・。
俺の家で、煩くて面倒でヤバい感じになりながら、そんな望みを言ってくるから・・・。
俺も幸せになりてーなとか、絶対に叶わない望みが・・・叶ったらいけない望みが出てくる・・・。」
「青さんの幸せは、増田財閥のことなんて全部捨てて、本当に好きになった女の子とノンノンを育てることだよ・・・。」
ドキドキしながらも凄く苦しくなりながらそう言った。
そしたら・・・
「俺の幸せをお前が勝手に決めるなよ・・・。」
凄く怒った顔と声でそう言ってきて・・・。
私の腰に回っている青さんの手に力が込められた。
「俺が考えた俺の幸せは、増田財閥をぶっ壊した後に・・・、その後なのに、望が俺の所に帰ってきてくれることだよ・・・。
一平の所じゃなくて・・・、小関の“家”の人間の所じゃなくて・・・、俺の所を選んでくれることだよ・・・。
でも・・・」
言葉を切った青さんが苦しそうに目を閉じた。
「今1番の望みは・・・今、この瞬間の望みは・・・」
目を閉じながら苦しそうに、今考える1番の望みを口にしようとした青さんの唇の動きが止まり、それから青さんは大きく息を吸った。
そしてゆっくりと目を開け、私の顔をジッと見詰め・・・
普通の顔で笑った。
そんな笑顔でパッと私の腰から手を離し、私の顔からも顔を離した。
「もしもさ、俺が増田財閥をぶっ壊して、その時にさ、俺のことを恨む気持ちの中に少しでも嬉しいとか・・・ありがとうとか、そんな気持ちがあったらさ、俺のほっぺたにキスして。」
普通に笑いながら自分の頬をゴシゴシと指先で触っていく。
「ガキがするやつで良いから。
ちゃんと顔洗っておくから。
ここら辺に・・・。
それが俺の今1番の望み。」
そんな分かりやすい嘘をついてくる青さんには、何でか私の方が泣きそうになってくる。
胸がギュッと苦しくなってくる。
だから思わず、青さんの離れてしまった身体に両手を伸ばし、青さんの大きな背中に手を回した。
泣きそうになりながらも青さんのことを見上げて笑う。
「それくらいで良いなら、今してあげるよ。」
「マジで・・・?」
照れたように、でも困った顔で青さんが笑って、私から視線を少しだけ逸らした。
「顔・・・洗ってくる。」
「そんなのいらないよ。」
「でも、少しでもお前から“汚くない”と思われたい・・・。」
「今指で拭いてたからそれで良いよ。
屈んで?
青さん大きいから届かない。」
「本当のところは・・・?
“きったね~”って思ってる?」
「思ってないよ。」
「“キモっ”て思ってる?」
「思ってないから。」
「でも、本当のところは・・・」
「青さん、うるさい。」
青さんのコートの下襟を両手で掴み、思いっ切り私の方へと引っ張った。
そして・・・
青さんの頬ではなく、私の唇を青さんの唇にくっつけた。
凄くドキドキとし、凄く凄く“嬉しい”と思いながら、青さんの唇から自分の唇を離す。
「青さんがうるさいから、間違えてほっぺたじゃなくて口を塞いじゃった!」
そんな嘘を言った私のことを青さんはめちゃくちゃ瞳を揺らしながら見詰めてくる。
かと思ったら・・・
「ゎ・・・・・・・・・・ンッ」
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