【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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そして、私の背中を撫でてくれる誰かの手の温もりを感じた。



その手を見上げるとそこには加治さんがいて、優しいけれど力強い目で私のことを見下ろしている。



「アナタの”家"のことは詳しくは知らないけど、そんなにエッチがして欲しかったなら自分からもちゃんと動きなさいよ。
いつもはこっちがビックリするようなことばっかり言ったりやったりするのに、そんな時だけ受け身になるとかやっぱり驚きしかないからね?」



木下さんが怒りながらそう言ってきたので、それには普通に答えた。



「嘘も御託も並べて、いつもは私からエッチして貰ってるよ?」



「はあ!?エッチしてたの!?
なんだ、てっきりその歳とその顔で1度もしたことがないのかと思った。
そんな雰囲気で言わないでよ、紛らわしい。」



「私もです~!!
加藤さんって30歳なのに処女なんだぁって!!」



「私も私も!!」



「こんなに可愛い顔で性格も悪くはないのに、処女でいないといけないのかなって私は思った!!」



「ね!!処女まで強制してくる”家"なんだって、めっちゃ可哀想に思ってた!!
こんなに顔も可愛くて性格も悪くはないのに!!」



「そうそう!!
普通だったらこの顔で生まれてたらヤりまくりだよね!?
性格が多少可愛くなくても!!」



「本当それ!!
私がその顔だったらヤりまくってるよ!!
ここまで可愛かったら性格なんて補正かかるだろうし!!」



女の子達から次々に出てくるそんな言葉を聞き、それには驚きながらそっちを振り向いた。



「え、私ってそこまで性格微妙?」



聞いた私に女の子達は普通の顔で頷いた。



それにはめちゃくちゃ驚いていると、みんなの方が驚いた顔をして・・・



「自分では気付いてないんですか!?」



「まあ、可愛くはないよなとは思ってたけど。」



そう答えた私に女の子達は大きく笑った。



若い女の子達の高くて明るい笑い声が今日も休憩スペースに響き出す。



そしたら、私が握っていた手がキュッと握り返されて・・・。



最上さんの方を見ると、最上さんも楽しそうに笑っている。



そんな最上さんの顔を見詰め返しながら私も大きく笑い、最上さんが差し出してくれた晃孝堂の饅頭を一口食べた。



少し潰れてしまっているけれど晃孝堂の饅頭はやっぱり美味しかった。



凄く凄く美味しくて・・・。



昔と変わらずにこんなにも美味しくて・・・。



そして・・・



「懐かしい・・・。」



今朝食べたばかりなのに、こんなにも懐かしくも感じた。



”アエの道は製糸場から此処まで真っ直ぐと伸びていました。
だからアエは必ずこの”家”に戻ります。
小関の"家”と加藤の"家”の所に必ず戻ってきます。
鶴は千年、亀は万年生きますが、私はそんなに長くは生きられない。
そんな私が千年先も万年先も生き続けていられる道にこれから寄り道してきます。"



寄り道をしたまま戻ってはこなかったアエさん。



でも・・・



千年先も万年先も小関の”家"と加藤の”家"と一緒にいる為に、アエさんの”愛"を此処まで届けてくれた。


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