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4月1日
今日は加治さんと最上さんが増田ホールディングスの経理部に入社をする日。
その前に3人で近くのカフェに集合し、入社前最後の打ち合わせをした。
「一美さんには気付かれないようにね?」
「「はい。」」
「一美さんのことで気になることがあればその都度私に教えてね?」
「「はい。」」
「そろそろうちのお兄ちゃんが動き始めるから。
一美さんには経理の仕事だけをさせるつもりはないみたい。
加治さんも最上さんも彼氏が出来たばっかりだけど忙しくなると思う、ごめんね?」
「「はい。」」
深く頷いた2人に私も頷き返し、それから少し申し訳ない気持ちになりながら続けて口を開いた。
「あとね、これは私の個人的なお願いなんだけど・・・」
不思議そうな顔をした2人のことを見詰め、"加藤望”としてではなく普通の"加藤望”として言った。
「今日、2人の他に経理部にもう1人入社というか出向してくる社員がいるの。
元々は増田生命の本社の営業部にいた結構凄い人で、でも疲れちゃったらしく増田生命の経理部に異動になってて。
譲社長がそのことを良く思っていなくて、勿体無い人材だし私にどうすれば良いと思うか聞いてきて。」
「加藤さんに?」
「うん、私の高校の時からの"友達"なんだよね、ソっちゃんっていうの。」
ソっちゃんのことを思い浮かべると少しだけ苦しくなった。
「うちのお嬢様が増田ホールディングスの経理部にいるから経理部の人達の調査も結構ちゃんとしてて。
その調査の中で分かったことなんだけど、増田生命の財務部から増田ホールディングスの経理部に出向してきた人が、ソっちゃんの恋愛面で色々とあった人だと私は推測してて。」
私の”友達"になってくれたソっちゃんが普通に笑っていた顔を思い出す。
”付き合ってると思ってたのは自分だけだった!!
向こうはセフレだと思ってたらしい!!"
そう言って普通に笑っていたソっちゃんのことを思い出し、数日前に譲社長にお願いしたことを2人に伝えた。
「ソっちゃんはたぶん、まだ経理部の課長のことを引きずってる。
無理矢理にでももう1度向き合わせた方が良いと思って、お節介だけどソっちゃんを増田ホールディングスの経理部に出向させるようにお願いしてあるの。
一美さんのことだけじゃなくて、ソっちゃんと経理部の課長の様子も見てくれると嬉しいんだけど・・・。」
「そっちの方が楽しそうかも~。」
「私もそっちの方が興味津々になっちゃうやつ!」
2人とも一美さんの話の時は真面目な顔をしていたのに、ソっちゃんの話の時には弾けた笑顔で盛り上がっていた。
今日は加治さんと最上さんが増田ホールディングスの経理部に入社をする日。
その前に3人で近くのカフェに集合し、入社前最後の打ち合わせをした。
「一美さんには気付かれないようにね?」
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「一美さんのことで気になることがあればその都度私に教えてね?」
「「はい。」」
「そろそろうちのお兄ちゃんが動き始めるから。
一美さんには経理の仕事だけをさせるつもりはないみたい。
加治さんも最上さんも彼氏が出来たばっかりだけど忙しくなると思う、ごめんね?」
「「はい。」」
深く頷いた2人に私も頷き返し、それから少し申し訳ない気持ちになりながら続けて口を開いた。
「あとね、これは私の個人的なお願いなんだけど・・・」
不思議そうな顔をした2人のことを見詰め、"加藤望”としてではなく普通の"加藤望”として言った。
「今日、2人の他に経理部にもう1人入社というか出向してくる社員がいるの。
元々は増田生命の本社の営業部にいた結構凄い人で、でも疲れちゃったらしく増田生命の経理部に異動になってて。
譲社長がそのことを良く思っていなくて、勿体無い人材だし私にどうすれば良いと思うか聞いてきて。」
「加藤さんに?」
「うん、私の高校の時からの"友達"なんだよね、ソっちゃんっていうの。」
ソっちゃんのことを思い浮かべると少しだけ苦しくなった。
「うちのお嬢様が増田ホールディングスの経理部にいるから経理部の人達の調査も結構ちゃんとしてて。
その調査の中で分かったことなんだけど、増田生命の財務部から増田ホールディングスの経理部に出向してきた人が、ソっちゃんの恋愛面で色々とあった人だと私は推測してて。」
私の”友達"になってくれたソっちゃんが普通に笑っていた顔を思い出す。
”付き合ってると思ってたのは自分だけだった!!
向こうはセフレだと思ってたらしい!!"
そう言って普通に笑っていたソっちゃんのことを思い出し、数日前に譲社長にお願いしたことを2人に伝えた。
「ソっちゃんはたぶん、まだ経理部の課長のことを引きずってる。
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「そっちの方が楽しそうかも~。」
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