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青さんの質問に庄司さんは少しだけ固まった後、ゆっくりと小さくだけど頷いた。
「鈴木のことを此処に連れてきた時には俺と鈴木は既に婚約をしていました。
俺が鈴木に婚約を申し込んだ際、鈴木からは“矢代商会の会長の孫”だということも聞きました。」
「それなのに何であのツンケンした女とも婚約したんだよ?」
「あれは凡ミスですね。」
「凡ミスで片付けるなよ。
あの社長、20歳は老け込んでたぞ?」
「鈴木のことを想うと俺はあの社長のことも許せないので、あのままポックリ逝けば・・・いや、苦しみながら逝けば良かったのにとまで思ってますよ。」
「鈴木・・・アレか、社長の愛人の子どもだから大月学園か。」
「それは違います。
・・・鈴木の“家”の話を俺の口からこれ以上話すことはしたくないので、すみませんが。」
庄司さんは終わらせようとしたけれど、私はそのまま続ける。
“会長の孫”であり“社長の娘”ではない鈴木さんの“家”の話を・・・。
増田財閥の分家の歴史も頭の中で遡りながら、続ける。
「鈴木さんは、“会長の愛人の娘”・・・。」
私のその言葉に庄司さんはピクリとも動かなかったけれど、私は庄司さんのことを見詰め続けながら言う。
「でも会長の娘だと認めるわけにはいかない。
矢代商会も代々血筋を大切にしている“家“だからね。
そうだ・・・思い出した。」
「”社長には認知していない娘がいる。”」
私が続けたかった言葉を青さんが続けた。
「地位も金もあるオッサンだしな、そんなことはよくある話だとは思ってたけど、当時は“それだけで一平の婚約者候補から外したのかよ!?”って笑った。」
「私は、“会長と社長が不仲で良かった”とまで思ってた。
何で不仲になったかの理由を考えもしなかった。
まさか、こんなにも綺麗で正しくないことをしている“家”だとは思いもしなかった。」
あの何でもないような過去から今日のこの日に繋がってきたことに少し驚きながら、きっと頷くことはない庄司さんに言った。
「社長の娘ではないし会長の娘だと認めるわけにもいかない。
だから“会長の孫ではあるけど社長の娘ではない”という、そんな意味不明な存在にさせられたんだね。
増田財閥の分家の“家”にも昔同じことがあった。
鈴木さん、可哀想だね。
可哀想だよ・・・。」
何も言わない庄司さんに怒りながら言った。
「社長から“娘と結婚して欲しい”とでも言われて、鈴木さんのことだと思って間違えて頷いちゃったの?」
「鈴木のことを此処に連れてきた時には俺と鈴木は既に婚約をしていました。
俺が鈴木に婚約を申し込んだ際、鈴木からは“矢代商会の会長の孫”だということも聞きました。」
「それなのに何であのツンケンした女とも婚約したんだよ?」
「あれは凡ミスですね。」
「凡ミスで片付けるなよ。
あの社長、20歳は老け込んでたぞ?」
「鈴木のことを想うと俺はあの社長のことも許せないので、あのままポックリ逝けば・・・いや、苦しみながら逝けば良かったのにとまで思ってますよ。」
「鈴木・・・アレか、社長の愛人の子どもだから大月学園か。」
「それは違います。
・・・鈴木の“家”の話を俺の口からこれ以上話すことはしたくないので、すみませんが。」
庄司さんは終わらせようとしたけれど、私はそのまま続ける。
“会長の孫”であり“社長の娘”ではない鈴木さんの“家”の話を・・・。
増田財閥の分家の歴史も頭の中で遡りながら、続ける。
「鈴木さんは、“会長の愛人の娘”・・・。」
私のその言葉に庄司さんはピクリとも動かなかったけれど、私は庄司さんのことを見詰め続けながら言う。
「でも会長の娘だと認めるわけにはいかない。
矢代商会も代々血筋を大切にしている“家“だからね。
そうだ・・・思い出した。」
「”社長には認知していない娘がいる。”」
私が続けたかった言葉を青さんが続けた。
「地位も金もあるオッサンだしな、そんなことはよくある話だとは思ってたけど、当時は“それだけで一平の婚約者候補から外したのかよ!?”って笑った。」
「私は、“会長と社長が不仲で良かった”とまで思ってた。
何で不仲になったかの理由を考えもしなかった。
まさか、こんなにも綺麗で正しくないことをしている“家”だとは思いもしなかった。」
あの何でもないような過去から今日のこの日に繋がってきたことに少し驚きながら、きっと頷くことはない庄司さんに言った。
「社長の娘ではないし会長の娘だと認めるわけにもいかない。
だから“会長の孫ではあるけど社長の娘ではない”という、そんな意味不明な存在にさせられたんだね。
増田財閥の分家の“家”にも昔同じことがあった。
鈴木さん、可哀想だね。
可哀想だよ・・・。」
何も言わない庄司さんに怒りながら言った。
「社長から“娘と結婚して欲しい”とでも言われて、鈴木さんのことだと思って間違えて頷いちゃったの?」
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