570 / 693
36
36-12
しおりを挟む
「「はあ・・・?」」
青さんと私の声が重なると、庄司さんは項垂れたまま両手で顔を覆った。
「鈴木が何て言っていたか教えてくれませんか・・・?
あのプレゼンのどこがダメだったんだろう・・・。
ダメな所が分かれば訂正をして最後にまたプレゼンをします・・・。
鈴木が休みから戻ってきたらすぐにまたプレゼンを・・・俺は、したくて・・・。
このまま黙って終わりにすることを俺はしたくなくて・・・。
鈴木が俺と上手くやっていく自信がなくなったとしても俺が上手くやっていく・・・、今度は俺が上手くやっていくから・・・。
だから・・・鈴木が何て言っていたか教えてください・・・。」
庄司さんの口から続けて出てきたその言葉には思わず青さんの方を見ると、青さんも驚いた顔をしながらご飯を食べようとしていた箸を口の直前で止めている。
「可能なら・・・休んでいる鈴木の所に行ってすぐにでもプレゼンをしたいと思っています・・・。
鈴木が男のことを好きになることはないはずですが、でも・・・ゼロではないかもしれないからすぐにでもプレゼンをしに行きたい・・・。」
「いやいやいや・・・!!!
え・・・・・・は?お前・・・・ごめん、何言ってるか全然分かんねーよ!!!」
「普通なら自分から離れていこうとしている相手と距離を取るのが正解なんですよね・・・。
でも、俺・・・」
「いや・・・!!!
そこじゃねーから!!!!はあ・・・!!?」
青さんが私の隣にドカッと座り、めっちゃ身体を前のめりにして庄司さんに詰め寄った。
「お前、矢代商会の社長の娘と婚約してたんだろ!!?」
「そうですね・・・。」
項垂れたままの庄司さんが小さな小さな声で答えた。
「二股とかサイテー。」
「その件は会社同士の繋がり以外は何の問題もないよ。」
「問題ありまくりじゃん。
鈴木さん、庄司さんが矢代商会の娘と婚約してるって知ってめちゃくちゃショックだったんだよ?」
「ショック・・・?」
ゆっくりと顔を上げた庄司さんが本気でよく分かっていない顔をしているので、こんなの私の方が到底理解出来ない。
「鈴木さんとも婚約してて矢代商会の社長の娘とも婚約してたっていうことでしょ?
そんなのショック以外のなにものでもないから!!」
「俺が婚約をしたのは矢代商会の会長の孫とだけだよ。
それは鈴木がよく分かっているから矢代商会の社長の娘との婚約については何の問題もない。
何も問題がないことは鈴木に伝えているし鈴木も頷いていたのに、ショックとは?」
「ヤバい、話が全然分かんない・・・。」
青さんの方を見ると青さんは腕組みをしながら何かを考えていて。
何かを考えながら、私のことをゆっくりと見てきて・・・
「昔、“お兄ちゃん”から聞いたことがあったのを俺も思い出してさ。
矢代商会の娘を一平にどうかって。」
青さんもその話を知っていたようで私は頷きながら続ける。
「そう、でもすぐにナシになった。」
「何でだっけか・・・。
その理由が思い出せねー。」
「何だっけ・・・。
何か・・・その女の子がどうのこうのじゃなくて、家の問題だったんだよね。」
「あ~・・・・そうだ、会長と社長が不仲なんだよな。
どっちとも会ってるけどそんな感じしねーからすっかり忘れてたけど。」
青さんがそう言った後、庄司さんのことを真っ直ぐと見て・・・
「もしかして鈴木、矢代の“家”の血が入ってるのか。
お前が婚約した“会長の孫”って鈴木の方?」
そう聞いた。
青さんと私の声が重なると、庄司さんは項垂れたまま両手で顔を覆った。
「鈴木が何て言っていたか教えてくれませんか・・・?
あのプレゼンのどこがダメだったんだろう・・・。
ダメな所が分かれば訂正をして最後にまたプレゼンをします・・・。
鈴木が休みから戻ってきたらすぐにまたプレゼンを・・・俺は、したくて・・・。
このまま黙って終わりにすることを俺はしたくなくて・・・。
鈴木が俺と上手くやっていく自信がなくなったとしても俺が上手くやっていく・・・、今度は俺が上手くやっていくから・・・。
だから・・・鈴木が何て言っていたか教えてください・・・。」
庄司さんの口から続けて出てきたその言葉には思わず青さんの方を見ると、青さんも驚いた顔をしながらご飯を食べようとしていた箸を口の直前で止めている。
「可能なら・・・休んでいる鈴木の所に行ってすぐにでもプレゼンをしたいと思っています・・・。
鈴木が男のことを好きになることはないはずですが、でも・・・ゼロではないかもしれないからすぐにでもプレゼンをしに行きたい・・・。」
「いやいやいや・・・!!!
え・・・・・・は?お前・・・・ごめん、何言ってるか全然分かんねーよ!!!」
「普通なら自分から離れていこうとしている相手と距離を取るのが正解なんですよね・・・。
でも、俺・・・」
「いや・・・!!!
そこじゃねーから!!!!はあ・・・!!?」
青さんが私の隣にドカッと座り、めっちゃ身体を前のめりにして庄司さんに詰め寄った。
「お前、矢代商会の社長の娘と婚約してたんだろ!!?」
「そうですね・・・。」
項垂れたままの庄司さんが小さな小さな声で答えた。
「二股とかサイテー。」
「その件は会社同士の繋がり以外は何の問題もないよ。」
「問題ありまくりじゃん。
鈴木さん、庄司さんが矢代商会の娘と婚約してるって知ってめちゃくちゃショックだったんだよ?」
「ショック・・・?」
ゆっくりと顔を上げた庄司さんが本気でよく分かっていない顔をしているので、こんなの私の方が到底理解出来ない。
「鈴木さんとも婚約してて矢代商会の社長の娘とも婚約してたっていうことでしょ?
そんなのショック以外のなにものでもないから!!」
「俺が婚約をしたのは矢代商会の会長の孫とだけだよ。
それは鈴木がよく分かっているから矢代商会の社長の娘との婚約については何の問題もない。
何も問題がないことは鈴木に伝えているし鈴木も頷いていたのに、ショックとは?」
「ヤバい、話が全然分かんない・・・。」
青さんの方を見ると青さんは腕組みをしながら何かを考えていて。
何かを考えながら、私のことをゆっくりと見てきて・・・
「昔、“お兄ちゃん”から聞いたことがあったのを俺も思い出してさ。
矢代商会の娘を一平にどうかって。」
青さんもその話を知っていたようで私は頷きながら続ける。
「そう、でもすぐにナシになった。」
「何でだっけか・・・。
その理由が思い出せねー。」
「何だっけ・・・。
何か・・・その女の子がどうのこうのじゃなくて、家の問題だったんだよね。」
「あ~・・・・そうだ、会長と社長が不仲なんだよな。
どっちとも会ってるけどそんな感じしねーからすっかり忘れてたけど。」
青さんがそう言った後、庄司さんのことを真っ直ぐと見て・・・
「もしかして鈴木、矢代の“家”の血が入ってるのか。
お前が婚約した“会長の孫”って鈴木の方?」
そう聞いた。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
密室に二人閉じ込められたら?
水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる