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私の言葉に庄司さんはゆっくりと口を閉じ、それからまたゆっくりと口を開いた。
「鈴木は俺のことを人としては何故か好きでいてくれたから、この話をするのは怖い。」
「さっきから青さんが何回か言っちゃってるけど、鈴木さんって庄司さんのことが男として好きだったんだよ?」
「それはナイ。
俺とこの会社に一緒に来てくれただけではなく婚約までしていたからそう見えるかもしれないけど、鈴木はそういうのではなかった。」
「鈴木さん自身もこの前気付いたんだって。」
「鈴木が俺のことを上手く話したからそう聞こえたんだろうな。
鈴木は大月にいた頃の俺のことも知っているし、昔はよく俺に向かって笑顔で”クズですね“と言ってきた。
男としての俺は本当にクズだから鈴木が俺のことを男として好きになることは絶対にナイ。」
「でも、鈴木さんが本当に言ってたんだもん。ね?」
「言ってたぞ!!
お前が矢代商会の社長の娘と婚約をしたのがショックだったんだと!!
それで自分の気持ちに気付いたらしいぞ!!」
青さんも加わりそう言っているのに、庄司さんは全然信じていない顔をしている。
「鈴木さんとちゃんと話しなよ。
プレゼンじゃなくてさ、鈴木さんの気持ちも言葉もちゃんと聞き出してさ。」
青さんのことを見ると青さんが優しい優しい顔をしている。
そして・・・
「来月の1日には絶対に戻ってこいよ?
今月が終わるまでのあと10日・・・いや、11日か。
それくらいだったら俺の方でお前の部署のことはどうにかする。」
そう言って・・・
庄司さんのことを鈴木さんがいる支社へと送り出した。
「望にだから言うけど、庄司の母親は男狂いらしい。
庄司が俺の所に来る直前にサシで飲んだ時に酔い潰れて暴露してきた。
あいつ、酒は一滴も飲まない方針なのにそうとは知らなかった俺が酒をすすめたら嬉しそうに乾杯してきてさ。
その時に母親と”お兄ちゃん“の話は結構聞いてた。
好みの男はどんな手を使ってでも手に入れようとする母親らしく、最悪なことに義理の息子にも手を出したらしい。
”家族“に憧れがあった”お兄ちゃん“は”家族“を守る為にそれを受け入れ続けて壊れていき、最後は自分から本当のお母さんの所にいったんだよ。」
今月が終わる日、まだ戻ってこない庄司さんと鈴木さんの話を出した私に青さんがそんな話をしてきた。
それには青い空を見上げながら小さく呟く。
「まだ今日は終わってない。
最後まで頑張れ・・・。」
私自身のことも私の青さんへの気持ちも受け入れてくれた庄司さんに対して、心から応援をした。
「鈴木は俺のことを人としては何故か好きでいてくれたから、この話をするのは怖い。」
「さっきから青さんが何回か言っちゃってるけど、鈴木さんって庄司さんのことが男として好きだったんだよ?」
「それはナイ。
俺とこの会社に一緒に来てくれただけではなく婚約までしていたからそう見えるかもしれないけど、鈴木はそういうのではなかった。」
「鈴木さん自身もこの前気付いたんだって。」
「鈴木が俺のことを上手く話したからそう聞こえたんだろうな。
鈴木は大月にいた頃の俺のことも知っているし、昔はよく俺に向かって笑顔で”クズですね“と言ってきた。
男としての俺は本当にクズだから鈴木が俺のことを男として好きになることは絶対にナイ。」
「でも、鈴木さんが本当に言ってたんだもん。ね?」
「言ってたぞ!!
お前が矢代商会の社長の娘と婚約をしたのがショックだったんだと!!
それで自分の気持ちに気付いたらしいぞ!!」
青さんも加わりそう言っているのに、庄司さんは全然信じていない顔をしている。
「鈴木さんとちゃんと話しなよ。
プレゼンじゃなくてさ、鈴木さんの気持ちも言葉もちゃんと聞き出してさ。」
青さんのことを見ると青さんが優しい優しい顔をしている。
そして・・・
「来月の1日には絶対に戻ってこいよ?
今月が終わるまでのあと10日・・・いや、11日か。
それくらいだったら俺の方でお前の部署のことはどうにかする。」
そう言って・・・
庄司さんのことを鈴木さんがいる支社へと送り出した。
「望にだから言うけど、庄司の母親は男狂いらしい。
庄司が俺の所に来る直前にサシで飲んだ時に酔い潰れて暴露してきた。
あいつ、酒は一滴も飲まない方針なのにそうとは知らなかった俺が酒をすすめたら嬉しそうに乾杯してきてさ。
その時に母親と”お兄ちゃん“の話は結構聞いてた。
好みの男はどんな手を使ってでも手に入れようとする母親らしく、最悪なことに義理の息子にも手を出したらしい。
”家族“に憧れがあった”お兄ちゃん“は”家族“を守る為にそれを受け入れ続けて壊れていき、最後は自分から本当のお母さんの所にいったんだよ。」
今月が終わる日、まだ戻ってこない庄司さんと鈴木さんの話を出した私に青さんがそんな話をしてきた。
それには青い空を見上げながら小さく呟く。
「まだ今日は終わってない。
最後まで頑張れ・・・。」
私自身のことも私の青さんへの気持ちも受け入れてくれた庄司さんに対して、心から応援をした。
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