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「あ~・・・唯斗君、大丈夫かなー。」
呆然とした様子で去っていった唯斗君を見ながら元気さんが呟くと、「あいつの親父マジで最悪な奴だった!!」と相川さんが怒りながら話していて。
どうやら増田生命の本社に唯斗君のお父さんが働いていたそう。
そのお父さんも永家銀行に出向になったようだけど。
「出向になった増田のオジサン連中はこっちに戻って来られないんじゃねーの?」
「そうだとしても何も問題ない。
問題ないどころか綺麗になった。
兄ちゃんが増田グループ全体の社員を整理してくれたから。」
元気さんの言葉の通り、総務部だけではなくグループ全体で大掛かりな人事異動が行われた。
永家生命以外のグループ会社は代表取締役まで代わり、それぞれの部門長からも増田の血縁者はいなくなった。
その大掛かりな人事異動に、的場製菓の社長秘書である私のお父さんを連れ、譲社長が全社員と面談をしたのは結構有名な話になっていて・・・。
「俺は国光から良く思われていないと思っていたからな・・・。
今回の人事異動で俺がここに残ることが出来たのが不思議だよ・・・。」
小関部長が小さな声で呟きながら私のことを見てきた。
「父は小関部長に感心していましたよ?
父が辞めた後に総務部に沢山人を入れたみたいですけど、どの人もみんな優秀な人達だって面談があった日に言っていました。」
「そうか・・・。
国光が退職する時に言っていたからな。
将来的に他部門に異動を希望している人を採用した方が良いかもと・・・。」
小関部長が珍しく優しい顔で笑い、それから部長席からゆっくりと出て来た。
「国光さん、キミはどこまで出来る?」
呆然とした様子で去っていった唯斗君を見ながら元気さんが呟くと、「あいつの親父マジで最悪な奴だった!!」と相川さんが怒りながら話していて。
どうやら増田生命の本社に唯斗君のお父さんが働いていたそう。
そのお父さんも永家銀行に出向になったようだけど。
「出向になった増田のオジサン連中はこっちに戻って来られないんじゃねーの?」
「そうだとしても何も問題ない。
問題ないどころか綺麗になった。
兄ちゃんが増田グループ全体の社員を整理してくれたから。」
元気さんの言葉の通り、総務部だけではなくグループ全体で大掛かりな人事異動が行われた。
永家生命以外のグループ会社は代表取締役まで代わり、それぞれの部門長からも増田の血縁者はいなくなった。
その大掛かりな人事異動に、的場製菓の社長秘書である私のお父さんを連れ、譲社長が全社員と面談をしたのは結構有名な話になっていて・・・。
「俺は国光から良く思われていないと思っていたからな・・・。
今回の人事異動で俺がここに残ることが出来たのが不思議だよ・・・。」
小関部長が小さな声で呟きながら私のことを見てきた。
「父は小関部長に感心していましたよ?
父が辞めた後に総務部に沢山人を入れたみたいですけど、どの人もみんな優秀な人達だって面談があった日に言っていました。」
「そうか・・・。
国光が退職する時に言っていたからな。
将来的に他部門に異動を希望している人を採用した方が良いかもと・・・。」
小関部長が珍しく優しい顔で笑い、それから部長席からゆっくりと出て来た。
「国光さん、キミはどこまで出来る?」
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