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その言葉を聞いて、私は自然と笑いながら頷いた。



「明日譲社長に私から話してみます。
唯斗君を永家不動産に出向させるのを終わりにした方がいいって。」



「ありがとう・・・!!
美鼓ちゃんが言ってくれたら絶対に大丈夫だ!!
美鼓ちゃんのお父さんってめっちゃ信用されてたし!!」



そう言われ、私はほとんど飲んでいなかったアイスコーヒーを一気に飲み、お財布を出してお札をテーブルに置いた。



「お金はいいよ、俺が誘ったし!!
契約は取れてないけど基本給は貰ってるし!!」



「いえ、私の方が唯斗君より遥かにお給料を貰っているので私の驕りです。
私の方が年上ですし。」



唯斗君が驚いた顔で私のことを見ていて、それに笑いながら立ち上がった。
5円玉をテーブルから取るのを忘れることなく。



「私は神社の娘なので5円玉の重さは誰よりも知っています。
うちの神社って何故か5円玉しか賽銭箱に入れて貰えないんですよね。
5円玉が集まると信じられないくらいの重さになるんですよ。」



5円玉をお財布に仕舞った後に赤い傘を持った。
出入口の外に置かれた傘置きではなく、私は店内に傘を持って来ていたから。



「唯斗君のビニール傘、取られてしまっていると思います。」



「マジで!?
ビニール傘ってすぐに盗まれる!!
全然お洒落じゃないし!!」



唯斗君が怒りながら立ち上がり私のことを見た。



「コンビニまで傘に入れてくれない?」



「ごめんなさい、赤い傘で相合傘をすると誤解されそうなので。」



「そんなの誰も誤解しないでしょ!!」



「でも・・・」



言葉を切った後に苦笑いをしながら続けた。



「神様に誤解をされたら嫌なのでやめておきます。
神様なんていないんですけどね。」



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