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ミコちゃんの左手の小指がゆっくりと俺の小指に近付いてきた。
ゆっくり、ゆっくりと・・・。
そして、小指同士が少しだけ触れ・・・
その瞬間、俺のこの胸がドンッドンッと強く強く強く叩かれて、大きく大きく大きく鼓動が鳴っていく。
少しだけ触れた小指をしっかりと結び、指切りをする。
信じられない気持ちでいた・・・。
小指だけどミコちゃんに触れていることが信じられない気持ちになる。
大きく大きく鳴っていく鼓動。
恐ろしいくらい無音の神社の中、自分の煩いくらい綺麗な鼓動を聞き・・・
まるで自分の身体ではないかのように左手が動いていく。
俺の元へとミコちゃんを引き寄せるように動いていく。
結ばれているのは小指と小指だけ。
それなのにミコちゃんはゆっくりと俺に引き寄せられてくれ・・・
俺の顔にミコちゃんの顔が近付いてくる・・・。
そんなミコちゃんの顔に俺も引き寄せられ、ミコちゃんの小さな唇を見詰める。
そして・・・
そして・・・
ミコちゃんの唇と俺の唇を重なった・・・。
小指と小指をしっかりと結び、でも唇と唇はぎこちなく重なって・・・。
ドンッドンッと大きくも綺麗に鳴る鼓動を聞きながら、俺は目を薄く開けながらミコちゃんの顔を見る。
こんなに近付いたのは初めてで。
だからしっかりとミコちゃんの顔を見る。
ミコちゃんの顔を確認してから、俺はミコちゃんの小指をもっと強く結んだ。
1年後、ミコちゃんとまた会えるように。
1年後、ミコちゃんとご飯に一緒に行けるように。
1年後、ミコちゃんと一緒に帰れるように。
1年後、ミコちゃんが約束を覚えていてくれて付き合えるように。
ミコちゃんの小指と俺の小指を強く強く結びながら願った。
ミコちゃんの顔を見詰めながら願った。
ミコちゃんの顔を見詰めながら・・・。
見えないミコちゃんの顔を見詰めながら・・・。
1年前、ミコちゃんの前髪を掻き分けた時に確信に変わっていた・・・。
暗くて顔が見えないわけではなかった。
ミコちゃんには顔がなかった。
こんなに近付いてもやっぱり顔がなかった。
ミコちゃんは真っ黒だった。
ミコちゃんの口から上は真っ黒だった。
ゆっくり、ゆっくりと・・・。
そして、小指同士が少しだけ触れ・・・
その瞬間、俺のこの胸がドンッドンッと強く強く強く叩かれて、大きく大きく大きく鼓動が鳴っていく。
少しだけ触れた小指をしっかりと結び、指切りをする。
信じられない気持ちでいた・・・。
小指だけどミコちゃんに触れていることが信じられない気持ちになる。
大きく大きく鳴っていく鼓動。
恐ろしいくらい無音の神社の中、自分の煩いくらい綺麗な鼓動を聞き・・・
まるで自分の身体ではないかのように左手が動いていく。
俺の元へとミコちゃんを引き寄せるように動いていく。
結ばれているのは小指と小指だけ。
それなのにミコちゃんはゆっくりと俺に引き寄せられてくれ・・・
俺の顔にミコちゃんの顔が近付いてくる・・・。
そんなミコちゃんの顔に俺も引き寄せられ、ミコちゃんの小さな唇を見詰める。
そして・・・
そして・・・
ミコちゃんの唇と俺の唇を重なった・・・。
小指と小指をしっかりと結び、でも唇と唇はぎこちなく重なって・・・。
ドンッドンッと大きくも綺麗に鳴る鼓動を聞きながら、俺は目を薄く開けながらミコちゃんの顔を見る。
こんなに近付いたのは初めてで。
だからしっかりとミコちゃんの顔を見る。
ミコちゃんの顔を確認してから、俺はミコちゃんの小指をもっと強く結んだ。
1年後、ミコちゃんとまた会えるように。
1年後、ミコちゃんとご飯に一緒に行けるように。
1年後、ミコちゃんと一緒に帰れるように。
1年後、ミコちゃんが約束を覚えていてくれて付き合えるように。
ミコちゃんの小指と俺の小指を強く強く結びながら願った。
ミコちゃんの顔を見詰めながら願った。
ミコちゃんの顔を見詰めながら・・・。
見えないミコちゃんの顔を見詰めながら・・・。
1年前、ミコちゃんの前髪を掻き分けた時に確信に変わっていた・・・。
暗くて顔が見えないわけではなかった。
ミコちゃんには顔がなかった。
こんなに近付いてもやっぱり顔がなかった。
ミコちゃんは真っ黒だった。
ミコちゃんの口から上は真っ黒だった。
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