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“普通”ではないはずの私のことをこの短時間で“普通”と何度も言わた。
そして綺麗な女の人のインパクトがあまりにも強過ぎて、元気さんから思われていた“人じゃない”という言葉に“普通の小動物”という言葉が上書きされてしまった。



そんな現象が起きてしまいどうしようと戸惑っていたら、元気さんが少しだけ嬉しそうな顔をして口を開いた。



「9月1日付けで、俺は美鼓ちゃんが言った通りのポジションになるから。」



「そうなんですか?」



「偉くなるにはまだまだ時間が掛かるけど、偉くなったらもう1度約束をしてくれるっていう約束の為に、俺は増田財閥で偉くなるから。
美鼓ちゃんが近くにいるこの増田財閥で。」



そんなことを言い出して、私はグルグルと頭を回しながら考える。



「早く偉くなるよ、美鼓ちゃんが次の男とじゃなくて俺と次に進んでくれるように。
神社でのことは全て捨てられてしまったけど、神社の向こう側であるこっちの世界で美鼓ちゃんが俺と次に進めるように。」



そう言われ・・・



そんなことを言ってくれ・・・



私が何も言えずにいると、元気さんは私のことをジッと見詰め・・・



「約束したでしょ?
忘れちゃった・・・?」



懐かしいその言葉を言われた。
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