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それには笑ってしまう。
「連絡するわけないじゃん!
高校受験が終わってから塾もやめたのに、やめた塾の先生にそんな連絡しないよ!!」
「・・・そうだよね、悠ちゃんはそういう子で。
元木から話を聞いて驚いたよ。
元木も当時のことをあまり覚えていないようだったけど。
それくらいに大変だった?」
「大変だったけど、みんなが助けてくれたからな。
私が実際に動くしかないから動いたけど、みんな助けてくれた。
特に・・・」
言葉を切ってから先生を見て笑いかける。
「あの高校を先生が勧めてくれたから。
担任の先生が凄い良い先生だった。
近所に住んでる、先生が取締役をしている会社の・・・」
「大学附属の高校だったね。」
「大学受験もなかったし、幸い・・・我が家にはお金があった。
おじいちゃんおばあちゃんは亡くなってしまったけど、お母さんは裕福な家の一人娘だったから。
お父さんもお給料は下がったけど公務員だったし。」
先生に笑い掛けながら、先生の胸を両手で押し少し空間を作る。
先生は泣きそうな顔で私を見る・・・。
そんな先生に笑いながら、私は両手で自分の心臓の上に両手を重ねた。
「大変だったかと聞かれたら大変だった。
でも、私には私の花火の音が鳴っているから。
どんなに大好きな家族であっても、私には家族とは違う花火の音が鳴っているから。」
そう言ってから、先生の心臓の上にも片手をのせる。
先生の心臓の上も花火の音で胸が震えている。
「“しっかりする。今は、しっかりする。”
“先生”がそう教えてくれたから。
だから、しっかりしなければいけない時だけは、私はしっかりしていられた。」
.
「連絡するわけないじゃん!
高校受験が終わってから塾もやめたのに、やめた塾の先生にそんな連絡しないよ!!」
「・・・そうだよね、悠ちゃんはそういう子で。
元木から話を聞いて驚いたよ。
元木も当時のことをあまり覚えていないようだったけど。
それくらいに大変だった?」
「大変だったけど、みんなが助けてくれたからな。
私が実際に動くしかないから動いたけど、みんな助けてくれた。
特に・・・」
言葉を切ってから先生を見て笑いかける。
「あの高校を先生が勧めてくれたから。
担任の先生が凄い良い先生だった。
近所に住んでる、先生が取締役をしている会社の・・・」
「大学附属の高校だったね。」
「大学受験もなかったし、幸い・・・我が家にはお金があった。
おじいちゃんおばあちゃんは亡くなってしまったけど、お母さんは裕福な家の一人娘だったから。
お父さんもお給料は下がったけど公務員だったし。」
先生に笑い掛けながら、先生の胸を両手で押し少し空間を作る。
先生は泣きそうな顔で私を見る・・・。
そんな先生に笑いながら、私は両手で自分の心臓の上に両手を重ねた。
「大変だったかと聞かれたら大変だった。
でも、私には私の花火の音が鳴っているから。
どんなに大好きな家族であっても、私には家族とは違う花火の音が鳴っているから。」
そう言ってから、先生の心臓の上にも片手をのせる。
先生の心臓の上も花火の音で胸が震えている。
「“しっかりする。今は、しっかりする。”
“先生”がそう教えてくれたから。
だから、しっかりしなければいけない時だけは、私はしっかりしていられた。」
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