235 / 262
13
13-13
しおりを挟む
お兄さんが困った顔で笑いながら、首を振る。
「誰も入れない、とは聞いていたからな。」
「当たり前じゃない。
あの部屋には、誰も入れられないわよ。」
泣きながらも、お兄さんを見る。
これは私の涙ではないから。
智の涙だから、智の涙を、お兄さんに見せる。
「全て、1つだけ。」
不思議そうな顔をしているお兄さんに、私は笑った。
「全て1つだけしかないのよ、智の部屋には。
ダイニングテーブルも1人用の小さな物、そこに椅子は1脚しかない。
ソファーも1人掛け用、そこにあるローテーブルも小さな1人用。」
お兄さんを睨み付けるように見る。
「それだけじゃないわ。
ワイングラスもシャンパングラスも、マグカップも・・・。
スプーンもフォークもナイフも、お皿も・・・。
全て1つなの、全て、全て、1つしかないの。」
お兄さんは俯きながら、「そうか・・・」と言っていて・・・。
「それは、今でも変わらないわ。」
私の言葉に、お兄さんが顔を上げた。
「誰も入れない、とは聞いていたからな。」
「当たり前じゃない。
あの部屋には、誰も入れられないわよ。」
泣きながらも、お兄さんを見る。
これは私の涙ではないから。
智の涙だから、智の涙を、お兄さんに見せる。
「全て、1つだけ。」
不思議そうな顔をしているお兄さんに、私は笑った。
「全て1つだけしかないのよ、智の部屋には。
ダイニングテーブルも1人用の小さな物、そこに椅子は1脚しかない。
ソファーも1人掛け用、そこにあるローテーブルも小さな1人用。」
お兄さんを睨み付けるように見る。
「それだけじゃないわ。
ワイングラスもシャンパングラスも、マグカップも・・・。
スプーンもフォークもナイフも、お皿も・・・。
全て1つなの、全て、全て、1つしかないの。」
お兄さんは俯きながら、「そうか・・・」と言っていて・・・。
「それは、今でも変わらないわ。」
私の言葉に、お兄さんが顔を上げた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
11
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる