61 / 304
4
4-14
しおりを挟む
それに気付き・・・。
私は宝田の右手を見てみた。
そしたら、宝田は右手で空っぽのお猪口を握り締めていた。
少し震えているその右手を見て、私は笑った。
「お酒で許してくれるかな?」
そう言った私に、宝田がゆっくりと顔を上げた。
綺麗な目で真っ直ぐと私を見詰めてくる。
「神様、このお酒で許してくれないかな?」
そんな言葉とともに、私は右手を動かした。
そしたら宝田が私の右手を離してくれ、私は自由になった右手で宝田の方にお猪口を向ける。
私の動きを見て宝田はゆっくりと右手を動かし、そしてお猪口を私の方に近付けた。
私は自然と笑いながら、宝田のお猪口に・・・私が持っていたお猪口に残っていた“駿と雪”を分ける。
「宝田の願いを叶えてくださいって、私も神様にお願いしてあげるから。」
「・・・俺の願いは、いつだって長峰が幸せになることだよ。
でも・・・あの時は嘘も偽りもあった・・・。
咄嗟に出てくる嘘だけじゃなくて、作為的出た偽りも・・・。」
「そういう反則は二度としないでって言ってたのにね?」
「うん・・・。
後々問題になるから二度としないと俺も決めてたけど・・・。
でも、結婚したくてさ・・・してみたくてさ・・・。
俺なら・・・俺なら、結婚しても長峰は幸せになれるんじゃないかと思っちゃってさ・・・。」
「・・・宝田は悪くないよ。
悪いのは私でしょ。」
「いや、俺でしょ。」
「私でしょ。
今回のことについては絶対に私。」
「俺だから!!
どう考えても俺!!!」
「私!!!」
「俺だって!!!!!」
.
私は宝田の右手を見てみた。
そしたら、宝田は右手で空っぽのお猪口を握り締めていた。
少し震えているその右手を見て、私は笑った。
「お酒で許してくれるかな?」
そう言った私に、宝田がゆっくりと顔を上げた。
綺麗な目で真っ直ぐと私を見詰めてくる。
「神様、このお酒で許してくれないかな?」
そんな言葉とともに、私は右手を動かした。
そしたら宝田が私の右手を離してくれ、私は自由になった右手で宝田の方にお猪口を向ける。
私の動きを見て宝田はゆっくりと右手を動かし、そしてお猪口を私の方に近付けた。
私は自然と笑いながら、宝田のお猪口に・・・私が持っていたお猪口に残っていた“駿と雪”を分ける。
「宝田の願いを叶えてくださいって、私も神様にお願いしてあげるから。」
「・・・俺の願いは、いつだって長峰が幸せになることだよ。
でも・・・あの時は嘘も偽りもあった・・・。
咄嗟に出てくる嘘だけじゃなくて、作為的出た偽りも・・・。」
「そういう反則は二度としないでって言ってたのにね?」
「うん・・・。
後々問題になるから二度としないと俺も決めてたけど・・・。
でも、結婚したくてさ・・・してみたくてさ・・・。
俺なら・・・俺なら、結婚しても長峰は幸せになれるんじゃないかと思っちゃってさ・・・。」
「・・・宝田は悪くないよ。
悪いのは私でしょ。」
「いや、俺でしょ。」
「私でしょ。
今回のことについては絶対に私。」
「俺だから!!
どう考えても俺!!!」
「私!!!」
「俺だって!!!!!」
.
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
15
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる