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そんな声には驚き、俺も思わず立ち止まってしまった。
桃子さんは慌てたような顔で鮫島光一を見上げて小さくお辞儀をした。
そんな桃子さんを、鮫島光一はデレッデレの顔で見下ろしている。
「黒住さん、今度2人でご飯食べに行きましょうよ。」
「・・・機会があれば。」
桃子せんぱいが困った顔で笑いながらそう答え、向こうに歩いていこうとした。
そしたら、その腕を鮫島光一が掴んだ。
驚いた顔で桃子せんぱいが鮫島光一を振り返る。
その時の顔は初めて見る顔で・・・。
俺に見せためちゃくちゃ可愛い顔とは比べ物にならないくらい可愛い顔をしていた。
一瞬だったけど、完全に“女の子”になっていた。
“女”ではなく、“女の子”になっていた。
31歳の桃子せんぱいが、24歳の自分の息子に、そんな顔をしていた。
「鮫島さん、あの人は死神なのであんまり関わらない方がいいですよ~!」
桃子せんぱいが困惑した顔で断りいなくなった後、その背中をずっと見ていた鮫島光一に女の子達がそう言った。
その言葉には俺が口を開こうとした。
でも、それよりも先に鮫島光一が口を開いた。
「僕、あの人のこと凄い好きなんですよね。」
そんな本気にしか聞こえない言葉に俺は固まるしかなかった。
「え~!?シングルで子持ちなんだよ!
それも前の旦那さんの子ども2人!
中卒だし死神だし、鮫島さんワケアリなオバサンがタイプなの~!?」
「そうですね、僕、黒住さんのことがドンピシャでタイプですね。
ほら、僕ってマザコンですし。」
そんな言葉に女の子達は楽しそうに笑っていたけど、俺は笑えなかった。
何も、笑えなかった。
桃子さんは慌てたような顔で鮫島光一を見上げて小さくお辞儀をした。
そんな桃子さんを、鮫島光一はデレッデレの顔で見下ろしている。
「黒住さん、今度2人でご飯食べに行きましょうよ。」
「・・・機会があれば。」
桃子せんぱいが困った顔で笑いながらそう答え、向こうに歩いていこうとした。
そしたら、その腕を鮫島光一が掴んだ。
驚いた顔で桃子せんぱいが鮫島光一を振り返る。
その時の顔は初めて見る顔で・・・。
俺に見せためちゃくちゃ可愛い顔とは比べ物にならないくらい可愛い顔をしていた。
一瞬だったけど、完全に“女の子”になっていた。
“女”ではなく、“女の子”になっていた。
31歳の桃子せんぱいが、24歳の自分の息子に、そんな顔をしていた。
「鮫島さん、あの人は死神なのであんまり関わらない方がいいですよ~!」
桃子せんぱいが困惑した顔で断りいなくなった後、その背中をずっと見ていた鮫島光一に女の子達がそう言った。
その言葉には俺が口を開こうとした。
でも、それよりも先に鮫島光一が口を開いた。
「僕、あの人のこと凄い好きなんですよね。」
そんな本気にしか聞こえない言葉に俺は固まるしかなかった。
「え~!?シングルで子持ちなんだよ!
それも前の旦那さんの子ども2人!
中卒だし死神だし、鮫島さんワケアリなオバサンがタイプなの~!?」
「そうですね、僕、黒住さんのことがドンピシャでタイプですね。
ほら、僕ってマザコンですし。」
そんな言葉に女の子達は楽しそうに笑っていたけど、俺は笑えなかった。
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