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家に帰り今日も長峰の部屋に直行した。
ベッドで横になりながら仕事か勉強をしていて、よくこんな仕方で出来るなと感謝もしながらすぐに長峰の上に跨がる。



「ただいま、奥さん。」



「お帰り~。
わ~、お酒と香水の匂い~!!
不倫だ不倫~!!」



「嫉妬する?」



「全然!こうやって世の中の旦那さんはバレるんだって知っただけ!!
今日も沢山の女の子達と不倫してきたの?」



本当に嫉妬も何もしていない顔でそんなバカ舌を回してくる。
そのバカ舌が回るのをこの口で塞いでしまいたい衝動に駆られるけれど、グッと我慢をして“普通”に笑った。



「今日、出来る?」



断られることも多いので聞くと長峰は少し考えた様子になった。



「シャワー浴びてきてよ。」



「無理です、そんな余裕ないです。」



そう答えスーツを脱ぎ捨てていくと長峰が可愛い顔で笑い始めた。



「結婚しちゃったから私以外の人とは出来ないしね。
クラブに可愛い子いたいんだ?」



「そうかもね・・・。」



ずっと長峰のことだけを考えていて、早く帰りたいと思っていたのにこんな返事しか出来ない。
こんな返事しかさせて貰えない。



でも、こうして俺の胸に閉じ込めることが出来る・・・。



幸せだった・・・。



こんなの、幸せ過ぎた・・・。



「奥さん、今日凄い締まってますけど・・・。」



「宝田・・・クラブの後はいつもより激しいから・・・っ
絶対他の女の子のこと考えながらしてるじゃん!!」



「それで嫉妬してるからこんなになってるんだ・・・?」



このバカ舌ばかり回してくる口を塞げない代わりに、長峰の首筋や身体に唇を何度もつけていく。



愛して愛して仕方ないこの雪の枝にキスをすることは永遠に出来ないかもしれないけれど。
愛の言葉を囁くことも囁かれることも永遠にないかもしれないけれど。
俺は幸せだった・・・。



犬としても男としても夫としても幸せだった・・・。



その幸せを今日も噛み締めながら、俺の奥さんになった長峰を胸に抱き締めて夜を過ごす。
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