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シャワーを浴びた後に長峰の部屋に戻り、寝ている長峰のことをまた抱き締めながら俺も目を閉じる。
幸せ過ぎて自然と笑っていると俺のスマホが鳴った。



長峰が起きてしまうのでよく確認もせずに素早く通話ボタンを押し、電話の向こうにいた相手に少し驚いた。



それは、豊君だったから。



長峰のベッドから出て廊下に出たタイミングで豊君はゆっくりと喋り始める。



「夜中にすみません・・・。」



「大丈夫だよ、まだ寝てなかったから。
どうしたの?」



「改めてお伝えしたいことがありまして・・・。」



理子ちゃんとのことは豊君からも理子ちゃんからも聞いているし、理子ちゃんはまだ大学生だけど入籍でもするのかなと予想しながら続く言葉を待った。



「実は、“コウイチ”は鮫島理子の兄でして・・・。」



そんな不思議な話を改めてされ、俺は首を傾げながら「そうだよね。」と返事をした。



「宝田さんの会社にいませんか・・・?
経営コンサルティングから常駐されている鮫島光一という人が・・・。
その人、実は鮫島理子の兄なんです・・・。」



「あ~・・・うん、いるね!!
そうなんだ!そういえばあの人も鮫島っていう名字だし名前は“コウイチ”だね!!
そっか、理子ちゃんのお兄さんだったんだ!!」



鮫島光一は、俺がそのことを知っているとは知らなかったらしい。
それか、ハッキリと俺に伝える必要があるらしい。



「はい、なので鮫島君は松居会長の孫です・・・。」



「あ!!そっかそっか!!
それはそうなるよね!!」



間接的に俺にも何かを協力しろと言っているのはよく理解した。
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