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月曜日 朝
縁側に面している1番良い部屋の襖を開けたまま、向こう側に広がるハナカイドウを眺めながらスウェットからスーツへと着替えていった。
「スーツ、どうだった?」
着替え終えたタイミングで砂川さんから声を掛けられ、綺麗なハナカイドウの世界の中にスーツ姿の砂川さんが現れた。
そして私のことを上から下まで見て感心したように頷いた。
「凄いね、昔とそこまで変わらない。
3年前のスーツがよく入ったね。」
「サイズは変わってないって言ったじゃん。
スーツのブランドも変えてないから違和感はそんなにないでしょ。
そこまで流行り廃りがある物でもないから。」
日曜日、砂川さんから私が家に帰ることを阻止された。
“荷物を取りに帰ったら俺のトコロに戻らないよね?”
そんなことを言って私の旅行バッグを指差した。
“旅行の時は荷物が多いタイプらしいから、最低限以上の必要な物は持ってるよね?”
その通りのことを言われてしまい、此処には私の物が何1つ捨てられていないこともあり必要な物は全て揃っている。
お母さんに電話をしたら呆気なく了承を貰えてしまい、私は日曜日から何の準備もなく砂川さんのトコロで暮らし始めることとなった。
「純愛ちゃんのこの部屋に全身鏡を買っておくよ。」
「いらない。
それよりも布団を買う。」
「これこそいらないよ。
俺のベッドを使えば良い。」
「家主の砂川さんを隣の部屋で寝かせるわけにいかないから。」
「生理が終わったら一緒に寝る約束をしたよね?」
「・・・してないけど。」
答えた私に砂川さんが意地悪な顔で笑った。
「昨晩は“生理中だから一緒になんて眠りたくないから”って断ったよね?
それって生理が終わったら一緒に眠るということなんだと俺は解釈をして、昨日は頷いたんだよ。」
「あれは・・・っ、一緒に寝る寝ないの長いやり取りの最後に吐き捨てた言葉なの!!」
「そうなの?
ちゃんと説明をしないとダメだよ、純愛ちゃん。」
砂川さんの顔が真剣な顔になり、また私のことを上から下まで見て・・・
「次の休日にスーツを買いに行こう。」
そんなことを言い出してそれには首を傾げる。
「これで良いよ。
クリーニングまで出してくれてて状態は良いし。」
「純愛ちゃんはもう30歳だから。」
「30歳だから何?」
「どこのスーツを買っているかは知らないけど、ちゃんとしたスーツを着た方が良い。」
「そこまで安くないスーツだし普通レベルのブランドだよ?」
全身鏡がないので自分の姿を確認したいけれど確認が出来ない。
でも、今でも着ているスーツのブランド。
だからいつもの私とそんなに大差はないはずで。
貴族にとってはやっっすいスーツなのだとは分かるので言い返そうとした時、砂川さんが先に口にした。
「どこをどう見ても純愛ちゃんは普通レベルじゃないから。」
「・・・いや、普通レベルだけど。」
「全く普通ではない。」
「まあ、普通の女ではないけど・・・。」
小さく笑った私に砂川さんは深く頷いた。
「うん、全く普通の女性ではない。
そのスーツだと純愛ちゃん自身にスーツが完全に負けてしまっている。」
「どういうこと・・・!?
全然分からないから!!」
大きく笑いながら聞いたけれど砂川さんは真面目な顔のまま続けてきた。
「言葉通りの意味だよ。
30歳になった純愛ちゃんにそのスーツはもう似合わない。
俺が純愛ちゃんにもっと似合うスーツを買うよ。」
「そんなの、いいよ・・・。」
「うん、じゃあ決定ということで。」
「今の“いいよ”はそういう“いいよ”じゃなくて・・・!!!」
大きく突っ込んでから自分のスカートを見下ろした。
「私、パンツスーツよりもスカートの方が好きなんだ。」
「そんなことは昔から知ってる。
“純ちゃん”はパンツスーツを着たことがないし、純愛ちゃんだって今のところ毎日スカートだからね。」
「じゃあ、私に似合うスーツって何・・・?」
恐る恐る顔を上げて聞くと、砂川さんが“普通”の顔で口を開いた。
「純愛ちゃんの魅力を半減させるスーツではなくて更に増やすことが出来るスーツだよ。
値段が高いから良いというわけではないけど、純愛ちゃんのサイズに合った質の良いスーツを買いに行こう。」
綺麗なハナカイドウの世界で砂川さんがそう言って・・・
「休日、2人でデートをしよう。」
照れたような顔で、笑った。
縁側に面している1番良い部屋の襖を開けたまま、向こう側に広がるハナカイドウを眺めながらスウェットからスーツへと着替えていった。
「スーツ、どうだった?」
着替え終えたタイミングで砂川さんから声を掛けられ、綺麗なハナカイドウの世界の中にスーツ姿の砂川さんが現れた。
そして私のことを上から下まで見て感心したように頷いた。
「凄いね、昔とそこまで変わらない。
3年前のスーツがよく入ったね。」
「サイズは変わってないって言ったじゃん。
スーツのブランドも変えてないから違和感はそんなにないでしょ。
そこまで流行り廃りがある物でもないから。」
日曜日、砂川さんから私が家に帰ることを阻止された。
“荷物を取りに帰ったら俺のトコロに戻らないよね?”
そんなことを言って私の旅行バッグを指差した。
“旅行の時は荷物が多いタイプらしいから、最低限以上の必要な物は持ってるよね?”
その通りのことを言われてしまい、此処には私の物が何1つ捨てられていないこともあり必要な物は全て揃っている。
お母さんに電話をしたら呆気なく了承を貰えてしまい、私は日曜日から何の準備もなく砂川さんのトコロで暮らし始めることとなった。
「純愛ちゃんのこの部屋に全身鏡を買っておくよ。」
「いらない。
それよりも布団を買う。」
「これこそいらないよ。
俺のベッドを使えば良い。」
「家主の砂川さんを隣の部屋で寝かせるわけにいかないから。」
「生理が終わったら一緒に寝る約束をしたよね?」
「・・・してないけど。」
答えた私に砂川さんが意地悪な顔で笑った。
「昨晩は“生理中だから一緒になんて眠りたくないから”って断ったよね?
それって生理が終わったら一緒に眠るということなんだと俺は解釈をして、昨日は頷いたんだよ。」
「あれは・・・っ、一緒に寝る寝ないの長いやり取りの最後に吐き捨てた言葉なの!!」
「そうなの?
ちゃんと説明をしないとダメだよ、純愛ちゃん。」
砂川さんの顔が真剣な顔になり、また私のことを上から下まで見て・・・
「次の休日にスーツを買いに行こう。」
そんなことを言い出してそれには首を傾げる。
「これで良いよ。
クリーニングまで出してくれてて状態は良いし。」
「純愛ちゃんはもう30歳だから。」
「30歳だから何?」
「どこのスーツを買っているかは知らないけど、ちゃんとしたスーツを着た方が良い。」
「そこまで安くないスーツだし普通レベルのブランドだよ?」
全身鏡がないので自分の姿を確認したいけれど確認が出来ない。
でも、今でも着ているスーツのブランド。
だからいつもの私とそんなに大差はないはずで。
貴族にとってはやっっすいスーツなのだとは分かるので言い返そうとした時、砂川さんが先に口にした。
「どこをどう見ても純愛ちゃんは普通レベルじゃないから。」
「・・・いや、普通レベルだけど。」
「全く普通ではない。」
「まあ、普通の女ではないけど・・・。」
小さく笑った私に砂川さんは深く頷いた。
「うん、全く普通の女性ではない。
そのスーツだと純愛ちゃん自身にスーツが完全に負けてしまっている。」
「どういうこと・・・!?
全然分からないから!!」
大きく笑いながら聞いたけれど砂川さんは真面目な顔のまま続けてきた。
「言葉通りの意味だよ。
30歳になった純愛ちゃんにそのスーツはもう似合わない。
俺が純愛ちゃんにもっと似合うスーツを買うよ。」
「そんなの、いいよ・・・。」
「うん、じゃあ決定ということで。」
「今の“いいよ”はそういう“いいよ”じゃなくて・・・!!!」
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「私、パンツスーツよりもスカートの方が好きなんだ。」
「そんなことは昔から知ってる。
“純ちゃん”はパンツスーツを着たことがないし、純愛ちゃんだって今のところ毎日スカートだからね。」
「じゃあ、私に似合うスーツって何・・・?」
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値段が高いから良いというわけではないけど、純愛ちゃんのサイズに合った質の良いスーツを買いに行こう。」
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