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「今日、応援もカツカレーも、プリンもありがとう。」
『一成君が頑張ったんだよ。』
今日も部屋の窓の端に立って、向こうの部屋の窓から見える瑠美と電話をする。
これは、俺がスマホを持ち始めた中学1年生、瑠美が大学1年生の時からほぼ毎日のようにしている。
「瑠美・・・俺、高校2年になった。」
『うん、大きくなったね。』
「今日、日本選手権で3位にもなった。」
『うん、おめでとう。』
窓から見える瑠美を見ながら、今日も言う・・・。
「瑠美、早く彼氏作りなよ・・・。」
今日も、言う・・・。
弱い俺には、これが精一杯で・・・。
高校生になってから、毎日のようにこれを言っていて・・・。
俺と、付き合ってほしかった。
まだ高校生だけど、俺は大きいし・・・
速く泳げるし・・・
今日、日本選手権で3位になった・・・。
そろそろ、男として見てくれると、そう思っていた。
だって瑠美はいつも・・・俺を見る時は、誰にも見せたことのない可愛い顔をしているように思っていたから。
『そうだよね・・・。』
この話をすると、瑠美はいつも窓からいなくなってしまう。
だから・・・瑠美がどんな顔をしているのか見えない。
「瑠美は・・・どんな男が好きなの?」
『どうだろう・・・。』
「年上?同じ年?年下?
顔は・・・?身長とか、どんな男だといいの?」
『・・・。』
瑠美がいつものように無言になる。
いつも、これで終わってしまう。
何も聞けないまま、電話が切られてしまう。
『一成君は・・・?』
でも、今日は・・・初めて、続きがあった。
『一成君は、彼女は・・・?
学校でも、モテるでしょ。』
『一成君が頑張ったんだよ。』
今日も部屋の窓の端に立って、向こうの部屋の窓から見える瑠美と電話をする。
これは、俺がスマホを持ち始めた中学1年生、瑠美が大学1年生の時からほぼ毎日のようにしている。
「瑠美・・・俺、高校2年になった。」
『うん、大きくなったね。』
「今日、日本選手権で3位にもなった。」
『うん、おめでとう。』
窓から見える瑠美を見ながら、今日も言う・・・。
「瑠美、早く彼氏作りなよ・・・。」
今日も、言う・・・。
弱い俺には、これが精一杯で・・・。
高校生になってから、毎日のようにこれを言っていて・・・。
俺と、付き合ってほしかった。
まだ高校生だけど、俺は大きいし・・・
速く泳げるし・・・
今日、日本選手権で3位になった・・・。
そろそろ、男として見てくれると、そう思っていた。
だって瑠美はいつも・・・俺を見る時は、誰にも見せたことのない可愛い顔をしているように思っていたから。
『そうだよね・・・。』
この話をすると、瑠美はいつも窓からいなくなってしまう。
だから・・・瑠美がどんな顔をしているのか見えない。
「瑠美は・・・どんな男が好きなの?」
『どうだろう・・・。』
「年上?同じ年?年下?
顔は・・・?身長とか、どんな男だといいの?」
『・・・。』
瑠美がいつものように無言になる。
いつも、これで終わってしまう。
何も聞けないまま、電話が切られてしまう。
『一成君は・・・?』
でも、今日は・・・初めて、続きがあった。
『一成君は、彼女は・・・?
学校でも、モテるでしょ。』
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