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「高校になって、“一成君”が4年生になって・・・食べられなくなった。」



「覚えてる・・・。」



「大人になりたくなかった。
私だけ1人で、大人になりたくなかった。
誕生日が来るのがいつも怖かった。」



「知ってる・・・。
お祝いしないでって言われてたから。」



昔のことを思い出し、また涙が流れてきた。
その涙を一成が両手で優しく拭ってくれる。



「“一成君”が大人になるその時まで、私は・・・私の身体は時間を止めた。
でも・・・一成が抱いてくれたから、またすぐに動き出してくれたみたい。」



そう言いながら、お腹に手を当てる。



「一成の為に止めていたから、一成にしか動かせなったと思う・・・。
ありがとう・・・っ。」



「うん・・・。」



一成が嬉しそうに笑いながら、私の顔にゆっくりと顔を近付ける・・・



それに、私も少しだけ顔を近付ける・・・。



優しく触れた一成の唇が、ゆっくりと開き・・・



久しぶりに、私の唇を割ろうと舌を伸ばしてきたので・・・



私は初めて自分から唇を開いた。
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