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剛士side.......
小学校1年生の夏、あの男からいつものように裸にされ、身体を触られていた俺を救いに2人のヒーローが現れた。
生まれた時から女の格好をさせられていたけれど、心は男だった。
“あやめちゃん”が2人きりの時には俺を“剛士”と呼んでいたから。
だから、ヒーローには憧れていた。
真夏のギラギラとした太陽の下、2階のベランダに降り立った2人のヒーロー。
あの男が帰ってくる時は俺の身体を触る時。
その時は弟2人とかくれんぼをしていた。
いつもいつも、俺が鬼だった。
そんな弟2人もいなくなってしまった。
“あやめちゃん”が双子を産んだ時に亡くなってしまったから。
死ぬことばかりを考えていた。
この男を殺して死ぬことばかりを考えていた。
どうやって殺して、どうやって自分も死ぬかばかり考えていた。
でも、生かされた。
2人のヒーローから生かされた。
あの男を殺すと約束してくれたけれど、俺も必ず殺そうと思っていた。
あの男が言った、“ガキ”で“頭のいかれた”奴の言うことを信じてもらえないのなら、大人になろうと思った。
大人になって、“頭のいかれた”ままでいようと思った。
そして、あの日手助けをしてくれた“極上に良い女”であるオバサンの言う通り・・・
“極上に良い女”で“極上に良い男”になろうと思った。
愛して愛して仕方ない人がいて、権力も兼ね備えた人間に。
そしたら、殺せる・・・。
あの男を殺せる・・・。
そして、俺も死ぬ。
だって、俺は気持ち悪いから。
俺は汚いから。
あの男に触られた自分の身体を見る度、あの男の手の残像が見える。
洗っても洗っても、俺は気持ち悪くて汚いままだった。
こんなに気持ち悪くてこんなに汚いなら、俺は死にたかった。
その前に、ヒーローの2人から本当の名前を呼んでもらうんだ・・・。
ずっとかくれんぼをさせてくれていたから。
“もういいよ”って俺が言ったら、“剛士”を探してくれる約束になっていたんだ。
なのに・・・
それなのに・・・
信じられないことに、見付けられた・・・。
“アヤメ”と“剛士”は絶対に別人のはずなのに、見付けられた・・・。
小学校1年生の夏、あの男からいつものように裸にされ、身体を触られていた俺を救いに2人のヒーローが現れた。
生まれた時から女の格好をさせられていたけれど、心は男だった。
“あやめちゃん”が2人きりの時には俺を“剛士”と呼んでいたから。
だから、ヒーローには憧れていた。
真夏のギラギラとした太陽の下、2階のベランダに降り立った2人のヒーロー。
あの男が帰ってくる時は俺の身体を触る時。
その時は弟2人とかくれんぼをしていた。
いつもいつも、俺が鬼だった。
そんな弟2人もいなくなってしまった。
“あやめちゃん”が双子を産んだ時に亡くなってしまったから。
死ぬことばかりを考えていた。
この男を殺して死ぬことばかりを考えていた。
どうやって殺して、どうやって自分も死ぬかばかり考えていた。
でも、生かされた。
2人のヒーローから生かされた。
あの男を殺すと約束してくれたけれど、俺も必ず殺そうと思っていた。
あの男が言った、“ガキ”で“頭のいかれた”奴の言うことを信じてもらえないのなら、大人になろうと思った。
大人になって、“頭のいかれた”ままでいようと思った。
そして、あの日手助けをしてくれた“極上に良い女”であるオバサンの言う通り・・・
“極上に良い女”で“極上に良い男”になろうと思った。
愛して愛して仕方ない人がいて、権力も兼ね備えた人間に。
そしたら、殺せる・・・。
あの男を殺せる・・・。
そして、俺も死ぬ。
だって、俺は気持ち悪いから。
俺は汚いから。
あの男に触られた自分の身体を見る度、あの男の手の残像が見える。
洗っても洗っても、俺は気持ち悪くて汚いままだった。
こんなに気持ち悪くてこんなに汚いなら、俺は死にたかった。
その前に、ヒーローの2人から本当の名前を呼んでもらうんだ・・・。
ずっとかくれんぼをさせてくれていたから。
“もういいよ”って俺が言ったら、“剛士”を探してくれる約束になっていたんだ。
なのに・・・
それなのに・・・
信じられないことに、見付けられた・・・。
“アヤメ”と“剛士”は絶対に別人のはずなのに、見付けられた・・・。
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