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「タイピング早くなったな!!」
今日は珈琲店を2回も貸し切りにしたので、報告書に入力することが多かった。
お陰で定時後も面接が入っていた剛士君と一緒に帰れることになった。
「剛士君がタイピングをする写真を撮らせてくれたから。」
「それをそんなエロい顔で言うなよ・・・。
たまに人事部の部屋でも珈琲店でも急にエロい顔してるからな?」
「え・・・!!?」
「俺にしかああいう顔は見せるなよ。
まあ・・・俺とのこと思い出してるんだろうなと俺は分かるけど、他の奴は知らないわけだしな。」
確かに、よく剛士君とのことは思い出していて・・・。
「あと、他の奴らからも“まだ男としてやってないのか”って言われるくらい、処女の顔してるぞ?」
「処女の顔って言われても・・・。」
「でも、たまに急にすげー女の顔にもなるからな。
基本的には処女だけど。」
まだ会社の中なのに“処女”を連呼され、恥ずかしい気持ちでビルの1階に降りた。
そしたら、見覚えのある2人が会社のビルを出る所で・・・。
その後ろ姿を見て、瞬きをしながら笑った。
「企画部の部長と・・・あの女、俺が採用した企画部の女か。」
「凄い良い女の子だよね?
前に、私がトイレで色々言われてる所を助けてくれたの。
“処女膜を再生すれば”って。」
「どんな会話だよ!?」
剛士君が吹き出しながら笑った。
それに私も笑いながら遠くなっていく2人の後ろ姿を眺める。
あの女の子は部長さんのことが好きみたいだったから。
アイスコーヒーのデリバリーをした時、部長さんが渡邉さんにアイスコーヒーを渡すのを羨ましそうに・・・少し悲しそうな顔をして見ていたから。
あの部長さんの好きなタイプには一見見えないかもしれないけど・・・
私を助けた時のあの女の子の顔は強張っていた。
凄い勇気を出して私を助けてくれたのだと思う。
企画部の部長さんは昔なにかをやらかしたらしいけど、きっと“今”は素敵な部長さんで・・・。
そんな部長さんに、アイスコーヒーに“薬”を入れられてよかったと思った。
今日は珈琲店を2回も貸し切りにしたので、報告書に入力することが多かった。
お陰で定時後も面接が入っていた剛士君と一緒に帰れることになった。
「剛士君がタイピングをする写真を撮らせてくれたから。」
「それをそんなエロい顔で言うなよ・・・。
たまに人事部の部屋でも珈琲店でも急にエロい顔してるからな?」
「え・・・!!?」
「俺にしかああいう顔は見せるなよ。
まあ・・・俺とのこと思い出してるんだろうなと俺は分かるけど、他の奴は知らないわけだしな。」
確かに、よく剛士君とのことは思い出していて・・・。
「あと、他の奴らからも“まだ男としてやってないのか”って言われるくらい、処女の顔してるぞ?」
「処女の顔って言われても・・・。」
「でも、たまに急にすげー女の顔にもなるからな。
基本的には処女だけど。」
まだ会社の中なのに“処女”を連呼され、恥ずかしい気持ちでビルの1階に降りた。
そしたら、見覚えのある2人が会社のビルを出る所で・・・。
その後ろ姿を見て、瞬きをしながら笑った。
「企画部の部長と・・・あの女、俺が採用した企画部の女か。」
「凄い良い女の子だよね?
前に、私がトイレで色々言われてる所を助けてくれたの。
“処女膜を再生すれば”って。」
「どんな会話だよ!?」
剛士君が吹き出しながら笑った。
それに私も笑いながら遠くなっていく2人の後ろ姿を眺める。
あの女の子は部長さんのことが好きみたいだったから。
アイスコーヒーのデリバリーをした時、部長さんが渡邉さんにアイスコーヒーを渡すのを羨ましそうに・・・少し悲しそうな顔をして見ていたから。
あの部長さんの好きなタイプには一見見えないかもしれないけど・・・
私を助けた時のあの女の子の顔は強張っていた。
凄い勇気を出して私を助けてくれたのだと思う。
企画部の部長さんは昔なにかをやらかしたらしいけど、きっと“今”は素敵な部長さんで・・・。
そんな部長さんに、アイスコーヒーに“薬”を入れられてよかったと思った。
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