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「クソガキどもが。
ここに女1人で残ってたとしたら、連れはだいたい男なんて常識だろ。」



朝人がめちゃくちゃ不機嫌な顔で、外面を何も気にしていない顔で男の子達にそう言って、私にクレープとアイスを押し付けるように渡してきた。



かと思ったら、今度は口を大きく開けて。



「早く去れよ!!!
俺は近所に住んでる、ただの常連だった奴だけどな!!!
男だろ!!!オッサンだけど男だろ!!!
空気読んでさっさと去れよ!!!」



「いや・・・すみません、お兄さんイケメンすぎて固まりました。」



「俺も・・・。
芸能関係の方とかですか?」



男の子達が少しだけ慌てながら立ち上がると、朝人が私の隣にドカッと不機嫌な顔のまま座った。



「ちげーよ!!会計業界の人間!!
分かったらさっさと去れ!!」



「会計業界っすか。
なんかめっちゃ格好良いっすね。」



「分かる分かる、会計業界が急に格好良く思えてきた。」



「金融業界の総合職で内定貰ってるけど、会計業界も応募してみようかな。」



朝人からもらったアイスを食べながら全然去らない男の子達を見上げていると、隣に座る朝人からバカにしたような笑い声が聞こえてきた。



「金融の総合職は転勤あるだろ。
転勤に行ってる間に女はいなくなってる覚悟しておけよ。」



「その頃には結婚して連れていく人も多いみたいですけどね。」



「・・・連れて行けなかったんだよ!!
俺は転勤に連れて行けなかったんだよ!!!」



朝人が急に怒鳴り出し、めちゃくちゃ怒りながら私のことを指差してきた。



「“待ってる”って言ってたのに!!!
こいつは俺の帰りを待たないどころか連絡もしてこねーでいなくなってたんだよ!!!
女からの誘いは一切乗らず、向こうでめちゃくちゃ頑張りまくって仕事してたのに!!!
北海道なんて行かなきゃよかった!!!
カヤからの頼みなんて聞かなきゃよかった!!!」



「でもお兄さん、また再会出来たらしいじゃないっすか!」



男の子達が凄く楽しんでいる顔をしている。
それに朝人は気付いていないのか続けてしまう。



「それからなんて遅いんだよ!!!
何年経ったと思ってんだよ!!!
店なんてとっくになくなってたんだよ!!!
近所に住んでる常連だった奴は、店でこいつの飯を食うことも出来なくなったんだよ!!!」
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