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朝人side.......
「新卒で入社して戻ってきたんだよ!!
朝人がここに帰ってくるかもしれないから!!
社会人になって大人になったからこんなにボロボロでも大丈夫って、お父さんとお母さんを説得して戻ってきたの!!」
千寿子の叫びには思わず固まっていると、千寿子は泣きながら引戸をガタガタと開け勢い良く“朝1番”だった場所へと入っていった。
その千寿子を追うように俺は車から飛び出し、閉められた引戸の前に立った。
そして手を掛けた瞬間・・・
「もう・・・やだ!!!
朝人なんて大っ嫌い!!!!!」
千寿子が俺のことを“大嫌い”と叫ぶ声が聞こえた。
相変わらずガキな千寿子には小さく笑った。
「俺は好きだよ・・・。
本物の老人になっても千寿子の飯を毎日食いたかったくらいに好きだよ・・・。」
小さな小さな声でそう呟いた。
プロポーズの定番である言葉を俺は千寿子に2度も伝えた。
千寿子の25歳の誕生日の夜、“朝1番”だったカウンターで千寿子の旨い飯を食いながら。
そして、若松と付き合ってセックスをしたと思い込んでいた朝、“朝1番”だった場所の目の前で、思いっきり振られるのは分かっていたのにプロポーズをした。
2度目は一晩中千寿子を探していた汚いオッサンの見た目だっただろうけど、1度目はちゃんとスーツを着ていた。
あの日が勝負の日だと思っていたから俺は日曜日なのにスーツを着ていた。
千寿子の25歳の誕生日、そして俺が33歳でいられる少しの期間。
増田社長に連れて行って貰ったことのある、高くて旨い飯が出てくる店に千寿子を連れて行こうとしていた。
そこでプロポーズをしようとしていた。
彼女でもない千寿子に、俺はプロポーズをしようとしていた。
彼女どころか俺は千寿子と結婚をしたいくらいに好きだったから。
どんな返事でも良いから俺の気持ちは伝えたいと思っていた。
なのに・・・
それなのに・・・
千寿子はあんなラフな格好で待ち合わせ場所に現れた。
自分の誕生日当日の夜、千寿子はあんな格好で現れた。
俺のことはそういう対象ではないと・・・。
そういう関係性ではないと・・・。
あの姿で表現してきた・・・。
伝えさせてもくれなかった・・・。
ちゃんとした場所で俺の気持ちを伝えさせてもくれなかった・・・。
全然違った・・・。
やっぱり、全然違った・・・。
他の男と誕生日にデートをした時の姿と全然違った・・・。
俺は知っている・・・。
誕生日当日、千寿子がどんな格好でデートに出掛けるのか俺は知っている・・・。
俺では全然違った・・・。
2度もしたプロポーズも流されてしまうほどに・・・。
あのオッサンの息子だって告白をしてからは避けられていたらしいのに、そんなこともなく・・・。
俺のあのプロポーズはなかったことにされてしまうくらいに・・・。
俺は違った・・・。
全然違った・・・。
「仮にもプロポーズをしてきた相手だろ・・・。
俺にデートの練習も性欲処理も頼んでくるなよ・・・。」
小さな声で文句を言いながら車に戻った。
「泣きたいのは俺だろ。」
それでも涙が出ないのは・・・
今日の誕生日がめちゃくちゃ楽しかったから。
そして・・・
「俺の為に戻ってきてくれてたのか。」
その事実が純粋に嬉しかったから。
「・・・俺があと10年遅く生まれてたら無理矢理にでも奪ってたけどな。」
小さく笑いながらハンドルを握った。
俺は今日で34になった。
老人ではないだろうけど、本当にオッサンだなと自覚しながら。
あそこで余裕で我慢出来るくらいに、自分の欲以上に千寿子のこれからの幸せを考えていられるくらいに、俺は大人になったなと自覚しながら。
朝人side........
「新卒で入社して戻ってきたんだよ!!
朝人がここに帰ってくるかもしれないから!!
社会人になって大人になったからこんなにボロボロでも大丈夫って、お父さんとお母さんを説得して戻ってきたの!!」
千寿子の叫びには思わず固まっていると、千寿子は泣きながら引戸をガタガタと開け勢い良く“朝1番”だった場所へと入っていった。
その千寿子を追うように俺は車から飛び出し、閉められた引戸の前に立った。
そして手を掛けた瞬間・・・
「もう・・・やだ!!!
朝人なんて大っ嫌い!!!!!」
千寿子が俺のことを“大嫌い”と叫ぶ声が聞こえた。
相変わらずガキな千寿子には小さく笑った。
「俺は好きだよ・・・。
本物の老人になっても千寿子の飯を毎日食いたかったくらいに好きだよ・・・。」
小さな小さな声でそう呟いた。
プロポーズの定番である言葉を俺は千寿子に2度も伝えた。
千寿子の25歳の誕生日の夜、“朝1番”だったカウンターで千寿子の旨い飯を食いながら。
そして、若松と付き合ってセックスをしたと思い込んでいた朝、“朝1番”だった場所の目の前で、思いっきり振られるのは分かっていたのにプロポーズをした。
2度目は一晩中千寿子を探していた汚いオッサンの見た目だっただろうけど、1度目はちゃんとスーツを着ていた。
あの日が勝負の日だと思っていたから俺は日曜日なのにスーツを着ていた。
千寿子の25歳の誕生日、そして俺が33歳でいられる少しの期間。
増田社長に連れて行って貰ったことのある、高くて旨い飯が出てくる店に千寿子を連れて行こうとしていた。
そこでプロポーズをしようとしていた。
彼女でもない千寿子に、俺はプロポーズをしようとしていた。
彼女どころか俺は千寿子と結婚をしたいくらいに好きだったから。
どんな返事でも良いから俺の気持ちは伝えたいと思っていた。
なのに・・・
それなのに・・・
千寿子はあんなラフな格好で待ち合わせ場所に現れた。
自分の誕生日当日の夜、千寿子はあんな格好で現れた。
俺のことはそういう対象ではないと・・・。
そういう関係性ではないと・・・。
あの姿で表現してきた・・・。
伝えさせてもくれなかった・・・。
ちゃんとした場所で俺の気持ちを伝えさせてもくれなかった・・・。
全然違った・・・。
やっぱり、全然違った・・・。
他の男と誕生日にデートをした時の姿と全然違った・・・。
俺は知っている・・・。
誕生日当日、千寿子がどんな格好でデートに出掛けるのか俺は知っている・・・。
俺では全然違った・・・。
2度もしたプロポーズも流されてしまうほどに・・・。
あのオッサンの息子だって告白をしてからは避けられていたらしいのに、そんなこともなく・・・。
俺のあのプロポーズはなかったことにされてしまうくらいに・・・。
俺は違った・・・。
全然違った・・・。
「仮にもプロポーズをしてきた相手だろ・・・。
俺にデートの練習も性欲処理も頼んでくるなよ・・・。」
小さな声で文句を言いながら車に戻った。
「泣きたいのは俺だろ。」
それでも涙が出ないのは・・・
今日の誕生日がめちゃくちゃ楽しかったから。
そして・・・
「俺の為に戻ってきてくれてたのか。」
その事実が純粋に嬉しかったから。
「・・・俺があと10年遅く生まれてたら無理矢理にでも奪ってたけどな。」
小さく笑いながらハンドルを握った。
俺は今日で34になった。
老人ではないだろうけど、本当にオッサンだなと自覚しながら。
あそこで余裕で我慢出来るくらいに、自分の欲以上に千寿子のこれからの幸せを考えていられるくらいに、俺は大人になったなと自覚しながら。
朝人side........
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