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隼人を見送った後、24歳の男の人と自然と並び屋敷の扉の前に。
鍵を鞄から出そうとしたら、隣の人が先に鍵を取り出して・・・
チリン──...と、鈴の音が。
見てみると、この人が右手に持っている鍵には桜の模様になっている丸い鈴が付いている。
「その鈴可愛いね、ちょっと意外。」
「これ?父親からここでお世話になる日の朝に渡されたんだよね。
すぐに鍵をなくすから、これに付けておくようにって。
家族でよく行く神社の開運守りらしい。」
この人はそう言いながら家の扉をゆっくりと開けてくれた。
それに笑いながら私は先に屋敷の中に入る。
「レディーファーストとか出来るようになったんだ!?」
「女子高生に叱られない為に、初めて色んなことにも意識を向け始めたよ。
女子高生って最強の生き物だよね。」
「最強に可愛いでしょ?」
「顔はそういう顔をしてるね。」
「・・・はあ!?中身は!?」
「中身・・・?
キミの中身って、それ可愛いっていう表現なの?」
「こんなに可愛い女子高生に何という失礼なことを!!
24歳のオジサンにこんなに構ってあげる女子高生なんて私くらいなんだから、大切にしてよね!!」
そんな会話を今日もこの人としながら、我が家の屋敷・・・長い長い廊下をこの人と歩いていく。
この人との会話は、姫と話すより透や隼人と話すより、何だか楽しくて。
こんなに誰かに自分をさらけ出してしまったのは初めてだった。
それでも、この人は楽しそうに笑ってくれるから・・・。
だからもっと、自分も知らなかったような自分が出て来てしまう。
「後でダイニングテーブルに集合ね!!
お腹減っちゃった!!」
「俺も。夜ご飯はまだ食べてなくて。」
「今日もなの!?
朝ご飯もお昼ご飯もあんなに食べる人なのに、夜は食べなくてよくお腹減らないね!?
夜ご飯は少食だから朝もお昼もお腹が減るんじゃない!?
朝から唐揚げを大量に揚げる私の身にもなってよ!!」
「社員食堂があるからお弁当はいらないのに。」
「それだと負けたように感じるから嫌なの!!
なんか、貴方といると負けたくないって思っちゃう!!」
そう言ってから、私の部屋の扉の取っ手に手を掛けた。
そして、隣の部屋に入ろうとしているこの人を見る。
こんなに負けず嫌いな自分がいたことに驚くしかなくて。
何故だか、この人には負けたくないと思ってしまう。
この人に「参りました」と言わせたいと思ってしまう。
「俺もだよ。こんなに必死に戦ったことなんてないのに、初めてこんなに戦ってる相手が女子高生になってる。
最強だからね、女子高生は。」
この人が楽しそうな顔で笑って部屋に入っていった。
この人が我が家の屋敷に来てから、私は眠ることよりもこの人と過ごす時間の方が楽しくてなってきていた。
鍵を鞄から出そうとしたら、隣の人が先に鍵を取り出して・・・
チリン──...と、鈴の音が。
見てみると、この人が右手に持っている鍵には桜の模様になっている丸い鈴が付いている。
「その鈴可愛いね、ちょっと意外。」
「これ?父親からここでお世話になる日の朝に渡されたんだよね。
すぐに鍵をなくすから、これに付けておくようにって。
家族でよく行く神社の開運守りらしい。」
この人はそう言いながら家の扉をゆっくりと開けてくれた。
それに笑いながら私は先に屋敷の中に入る。
「レディーファーストとか出来るようになったんだ!?」
「女子高生に叱られない為に、初めて色んなことにも意識を向け始めたよ。
女子高生って最強の生き物だよね。」
「最強に可愛いでしょ?」
「顔はそういう顔をしてるね。」
「・・・はあ!?中身は!?」
「中身・・・?
キミの中身って、それ可愛いっていう表現なの?」
「こんなに可愛い女子高生に何という失礼なことを!!
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そんな会話を今日もこの人としながら、我が家の屋敷・・・長い長い廊下をこの人と歩いていく。
この人との会話は、姫と話すより透や隼人と話すより、何だか楽しくて。
こんなに誰かに自分をさらけ出してしまったのは初めてだった。
それでも、この人は楽しそうに笑ってくれるから・・・。
だからもっと、自分も知らなかったような自分が出て来てしまう。
「後でダイニングテーブルに集合ね!!
お腹減っちゃった!!」
「俺も。夜ご飯はまだ食べてなくて。」
「今日もなの!?
朝ご飯もお昼ご飯もあんなに食べる人なのに、夜は食べなくてよくお腹減らないね!?
夜ご飯は少食だから朝もお昼もお腹が減るんじゃない!?
朝から唐揚げを大量に揚げる私の身にもなってよ!!」
「社員食堂があるからお弁当はいらないのに。」
「それだと負けたように感じるから嫌なの!!
なんか、貴方といると負けたくないって思っちゃう!!」
そう言ってから、私の部屋の扉の取っ手に手を掛けた。
そして、隣の部屋に入ろうとしているこの人を見る。
こんなに負けず嫌いな自分がいたことに驚くしかなくて。
何故だか、この人には負けたくないと思ってしまう。
この人に「参りました」と言わせたいと思ってしまう。
「俺もだよ。こんなに必死に戦ったことなんてないのに、初めてこんなに戦ってる相手が女子高生になってる。
最強だからね、女子高生は。」
この人が楽しそうな顔で笑って部屋に入っていった。
この人が我が家の屋敷に来てから、私は眠ることよりもこの人と過ごす時間の方が楽しくてなってきていた。
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