【完】秋の夜長に見る恋の夢

Bu-cha

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「武蔵!!!」



今日も元婚約者、村田隼人と勉強をしていた小町をいつものように仕事帰りに迎えに来た。
俺を見ると弾けるような可愛い笑顔で笑い、俺の名前を呼んでくれる。



「ご苦労さん、仕事終わりに女子大生のお世話とか居候も大変だな。」



「隼人さんこそ、今もお世話をしないといけないなんて、元婚約者も大変なんですね。」



「お世話お世話って、2人とも私のお世話してるつもりなのやめてよね!!」



このいつもの流れをした後、小町は部屋に戻り片付けをしていく。



「小町に変なことしてませんよね?」



「さあ?それは小町に聞いてみろよ。
小町の身体確認してみれば?」



この人はこういう人で。
優しいのか優しくないのかよく分からない人で。



でも、確実に急所を狙ってくるような人。



あの社長が育てた人。
戦場で戦う者に、あの社長が育てた。
それもどんな武器でも使いこなせてしまいそうな人に、あの社長が育てた。



それに少し器が揺れそうになった時、コートを着た小町が俺の隣に駆け寄ってきた。
可愛い笑顔で・・・弾けるような可愛い笑顔で。



「小町、頑張れよ!!」



村田隼人の部屋の扉を出る時、この人はいつも小町にそう言ってくれる。
だからこそ、優しい人なのだとは思う。
小町を見るこの人の顔はとても優しい顔をしているから。



「頑張らないよ。」



「お前は俺とは違うから、頑張れる。」



「ありがとう、隼人のそういうところは昔から好き。」



いつものように小町がこう返す・・・。
それには毎回モヤモヤとしていて・・・。
そして、村田隼人が少し意地悪な笑顔になって俺の方を見る。



「元婚約者なもんで、俺は余裕だな。
天才にも負ける気がしない!!」



「“元”が付いてしまい残念でしたね。
小町、遅くなるから早く帰ろう。」



この人とは出来るだけ小町を一緒にはさせたくないと思ってしまうので、今日も小町を急かして部屋の外へと促す。
それに今日も村田隼人が大きな声で笑いながら俺達を見送った。
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