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「天才、どうした?」
今日も村田隼人の部屋に小町を迎えに来て、俺は隼人さんの姿を見て一気に頭に血が登った。
隼人さんは上半身が裸で・・・スーツのズボンはベルトとボタンが外れ、今急いで履いたような姿だったから・・・。
その身体は俺とは違って・・・。
健康的で・・・筋肉質で・・・。
「天才、取り乱すな。小町じゃないからな!」
その言葉で、俺はまた一気に冷静になる・・・。
「小町、今日は来てないぞ?
今日はというか、今日からもう来ない。
婚約者が決まったから男の部屋には来ないだとよ。」
「そう・・・ですか・・・。」
婚約者が決まった・・・。
小町の婚約者が決まった・・・。
だからもう、隼人さんの部屋にも来ない・・・。
なくなった・・・。
居候の俺が唯一小町と2人でいられた時間が・・・。
隼人さんの部屋からの帰り道・・・。
あの帰り道だけが、居候の俺が許されるであろう小町との2人だけの時間だった・・・。
婚約者が決まったから、社長が了承した隼人さんとの勉強も小町は止めた。
覚悟を決めている・・・。
小町は幸せになる為の覚悟を決めている・・・。
誰とも付き合わない。
誰とも恋をしない。
親が決めた相手とだけ、婚約者とだけ・・・。
俺は“あの夜”だけだった。
ただの居候の俺は、“あの夜”だけだった。
だから小町は名演技をしている。
何もなかったように振る舞っている・・・。
どんな人なんだろう・・・。
どんな人なんだろう・・・。
俺がどんな人間だったら選ばれていたんだろう・・・。
隼人さんの格好良い顔をぼんやりと見ながら聞いた・・・。
「小町の二十歳の誕生日、何を準備すれば喜んでもらえたと思いますか・・・?」
今日も村田隼人の部屋に小町を迎えに来て、俺は隼人さんの姿を見て一気に頭に血が登った。
隼人さんは上半身が裸で・・・スーツのズボンはベルトとボタンが外れ、今急いで履いたような姿だったから・・・。
その身体は俺とは違って・・・。
健康的で・・・筋肉質で・・・。
「天才、取り乱すな。小町じゃないからな!」
その言葉で、俺はまた一気に冷静になる・・・。
「小町、今日は来てないぞ?
今日はというか、今日からもう来ない。
婚約者が決まったから男の部屋には来ないだとよ。」
「そう・・・ですか・・・。」
婚約者が決まった・・・。
小町の婚約者が決まった・・・。
だからもう、隼人さんの部屋にも来ない・・・。
なくなった・・・。
居候の俺が唯一小町と2人でいられた時間が・・・。
隼人さんの部屋からの帰り道・・・。
あの帰り道だけが、居候の俺が許されるであろう小町との2人だけの時間だった・・・。
婚約者が決まったから、社長が了承した隼人さんとの勉強も小町は止めた。
覚悟を決めている・・・。
小町は幸せになる為の覚悟を決めている・・・。
誰とも付き合わない。
誰とも恋をしない。
親が決めた相手とだけ、婚約者とだけ・・・。
俺は“あの夜”だけだった。
ただの居候の俺は、“あの夜”だけだった。
だから小町は名演技をしている。
何もなかったように振る舞っている・・・。
どんな人なんだろう・・・。
どんな人なんだろう・・・。
俺がどんな人間だったら選ばれていたんだろう・・・。
隼人さんの格好良い顔をぼんやりと見ながら聞いた・・・。
「小町の二十歳の誕生日、何を準備すれば喜んでもらえたと思いますか・・・?」
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