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佐伯さんの言葉に私は小さくだけど頷いた。
でもお父さんは大真面目な顔で佐伯さんのことを真っ直ぐと見下ろす。
「増田財閥の分家としての務めも親としての務めも昔も今もこれからも変わることはない。」
そんな堅苦しいことをこんなに若い女の子に言い出して、それには口を挟もうとした。
そしたら、私よりも先に佐伯さんが口を開いた。
「良いお父様ですね。」
名演技なのか本心なのかは分からないけれど、本当にそう思っているような顔で、声で、雰囲気で、私のお父さんに笑い掛けた。
「羽鳥さんが素敵な女性なのが小関支社長を見ていたらその理由が分かります。」
「え?私は全然分からなかったんだけど。
普通に羽鳥さんが可哀想なくらい過干渉な父親だなとしか思わなかった。
私なら余裕でグレてるレベル。」
「そう?
私はこのくらい私のことを考えてくれるお父さんが欲しかった。」
佐伯さんが福富さんにそう言って・・・
「私、お父さんがいないから。」
増田社長から佐伯さんの教育を任された時の事前情報として聞いていた話を、佐伯さんが今私のお父さんの前で言った。
「本当のお父さんが誰なのかも私は知らないから。」
可愛く笑いながらそんなことを言っている。
これが演技なのか本心なのかは分からないけれど、事前情報として増田社長から聞いていた話を思い浮かべながら佐伯さんに向かって言葉を出した。
「でも、佐伯さんにはちゃんと“お父さん”がいるって私は聞いたよ?」
言葉を出した私に佐伯さんが可愛く笑い、大きく頷いた。
「そうですね、結婚したいくらい大好きな“お父さん”がいます。
でも結婚したい以上に、あの“お父さん”が本当の“お父さん”だと良いのにって昔から何度も思うくらいの“お父さん”で。」
やっぱり演技なのか本心なのか分からない様子で佐伯さんがそう言ってくる。
「死んで生まれ変わったら、次はあの“お父さん”の本当の子どもとして生まれてきたいんです。
それくらい私は“お父さん”のことが大好きで。」
佐伯さんが真っ直ぐと、“可愛い”のに“綺麗”だと・・・“美しい”と思う顔で、声で、雰囲気で私のことを見てくる。
そして・・・
「羽鳥さんは?」
“普通”の若い女の子ではない佐伯さんが私に問う。
「羽鳥さんはお父さんのことが好きですか?」
そう聞かれ・・・
私は佐伯さんに笑い返しながら頷き、お父さんを真っ直ぐと見上げた。
「私もお父さんのことが好きだよ?
生まれ変わったとしても私は増田財閥の分家の人間として生まれて、お父さんの子どもとして生まれたいと思うくらいに財閥のこともお父さんのことも大切に思ってる。
うちの財閥は大きく変わっていく時代に入ったけど、分家の女として生きる私は変わらず務めを果たそうとしているし、お父さんの子どもとして恥ずかしくないような娘で在りたいと思ってる。」
本当に思っていることをお父さんに吐き出した私の背中を佐伯さんがソッと支えてくれた。
「子どもの目線から失礼しますが、娘を信じてあげることも親の務めであって欲しいと私は思います。」
でもお父さんは大真面目な顔で佐伯さんのことを真っ直ぐと見下ろす。
「増田財閥の分家としての務めも親としての務めも昔も今もこれからも変わることはない。」
そんな堅苦しいことをこんなに若い女の子に言い出して、それには口を挟もうとした。
そしたら、私よりも先に佐伯さんが口を開いた。
「良いお父様ですね。」
名演技なのか本心なのかは分からないけれど、本当にそう思っているような顔で、声で、雰囲気で、私のお父さんに笑い掛けた。
「羽鳥さんが素敵な女性なのが小関支社長を見ていたらその理由が分かります。」
「え?私は全然分からなかったんだけど。
普通に羽鳥さんが可哀想なくらい過干渉な父親だなとしか思わなかった。
私なら余裕でグレてるレベル。」
「そう?
私はこのくらい私のことを考えてくれるお父さんが欲しかった。」
佐伯さんが福富さんにそう言って・・・
「私、お父さんがいないから。」
増田社長から佐伯さんの教育を任された時の事前情報として聞いていた話を、佐伯さんが今私のお父さんの前で言った。
「本当のお父さんが誰なのかも私は知らないから。」
可愛く笑いながらそんなことを言っている。
これが演技なのか本心なのかは分からないけれど、事前情報として増田社長から聞いていた話を思い浮かべながら佐伯さんに向かって言葉を出した。
「でも、佐伯さんにはちゃんと“お父さん”がいるって私は聞いたよ?」
言葉を出した私に佐伯さんが可愛く笑い、大きく頷いた。
「そうですね、結婚したいくらい大好きな“お父さん”がいます。
でも結婚したい以上に、あの“お父さん”が本当の“お父さん”だと良いのにって昔から何度も思うくらいの“お父さん”で。」
やっぱり演技なのか本心なのか分からない様子で佐伯さんがそう言ってくる。
「死んで生まれ変わったら、次はあの“お父さん”の本当の子どもとして生まれてきたいんです。
それくらい私は“お父さん”のことが大好きで。」
佐伯さんが真っ直ぐと、“可愛い”のに“綺麗”だと・・・“美しい”と思う顔で、声で、雰囲気で私のことを見てくる。
そして・・・
「羽鳥さんは?」
“普通”の若い女の子ではない佐伯さんが私に問う。
「羽鳥さんはお父さんのことが好きですか?」
そう聞かれ・・・
私は佐伯さんに笑い返しながら頷き、お父さんを真っ直ぐと見上げた。
「私もお父さんのことが好きだよ?
生まれ変わったとしても私は増田財閥の分家の人間として生まれて、お父さんの子どもとして生まれたいと思うくらいに財閥のこともお父さんのことも大切に思ってる。
うちの財閥は大きく変わっていく時代に入ったけど、分家の女として生きる私は変わらず務めを果たそうとしているし、お父さんの子どもとして恥ずかしくないような娘で在りたいと思ってる。」
本当に思っていることをお父さんに吐き出した私の背中を佐伯さんがソッと支えてくれた。
「子どもの目線から失礼しますが、娘を信じてあげることも親の務めであって欲しいと私は思います。」
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