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「私も、お兄ちゃんのお母さんのこの言葉が大好き。
お兄ちゃんのお母さんと私のお母さんっておじいちゃんの会社で一緒で、少しの間だったけど仲良かったらしいもんね。
自分らしくいることを2人とも大切にしてたから。」



「うん・・・。
僕のお母さんは、企画部で・・・違う部署だったけど、よく一緒にいたって・・・。」



「お兄ちゃんの“お母さんのノート”にも私の“お母さんのノート”にも、2人の名前が出てくるくらいにね。」



「うん・・・。」



僕が頷くと、りーちゃんも嬉しそうに頷き・・・



カメラを少し操作したかと思ったら、また画面には動画が出てきた。



今度の動画には・・・



お姉ちゃんの姿が・・・。



お姉ちゃんが、料理をしている姿・・・。



「真理姉が小学校を卒業して、初めて1人でご飯を作ってくれた時。
それまでは真理姉が友達の家で教わりながら作ったのを、持って帰ってきてくれてたの。
そのお友達のお母さんに、2家族分のお金とかもうちらの親が渡してて。」



「そう・・・だったんだ・・・。」



「この時は真理姉が初めて、買い物から全部1人でしたんだよ?
これもカメラを回してたけど、ほら・・・。
買い物だけで凄い時間が掛かっちゃって。
食材1つ買うのにもどれを買うか手に取って見比べたり。」



「うん・・・。」



「初めて料理を持って帰った時、お兄ちゃんも真理姉のお父さんも“美味しい美味しい”ってご飯を食べてた姿が凄く嬉しかったんだって。
それまでは真理姉のお父さんが買ってきたお弁当とかお惣菜、外食ばっかりだったんだよね?」



「うん・・・。
確かそれを・・・鮫島君が、お姉ちゃんに怒ったんだよね・・・。
“小学4年生だろ”って・・・。」



鮫島君がお姉ちゃんに料理をするように怒っていたのは聞こえていた。



「今はどんな料理でも美味しく作れる真理姉だけどね、買い物も料理も凄く努力してくれたんだよ。
私達の身体を作る為のモノだから、それが染み渡るようにって。」
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