【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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優しいんだか優しくないんだかよく分からないその言葉に、私は泣きながら笑った。



「私可愛いでしょ。
よく可愛いって言われるし。」



「どこがだよ。
中身も顔も可愛いとか思ったこともねーよ。
産まれた時から病院でも他の赤ちゃんよりもでけー泣き声で、やたら泣いてて、すげー煩かったからな?
喋れるようになったらなったで生意気なことばっかり言いやがって、とにかく煩い女だった。」



お兄ちゃんにボロクソ言われ、それにはイライラとしてきた。



イライラとしてきた時、お兄ちゃんが嬉しそうな顔をして笑った。



何故かこのタイミングで、そんな顔をして笑った。



「よかったな、そんな煩い女でも、どんなお前でも、理子のことを好きでいてくれる“お兄ちゃん”がいて。
血の繋がらない“お兄ちゃん”がいて。」



お兄ちゃんがそう言って、“お兄ちゃん”の方を見た。
スマホを片手に持ちながら、“お兄ちゃん”の方を見た。



“お兄ちゃん”は照れたような顔で笑ってお兄ちゃんを見た・・・それから、私の方に視線を移してきた。



そんなお兄ちゃんの顔を見て、私は視線を逸らす。



「“お兄ちゃん”だけど、“お兄ちゃん”じゃないよ・・・。
本当の“お兄ちゃん”になって貰いたかったのに・・・。
私は、“お兄ちゃん”に本当の“お兄ちゃん”になって貰って・・・それで、結婚したかったのに・・・。」



「桃子と渡、事実婚ならセーフだったか?」



お兄ちゃんが久しぶりにお母さんのことを“桃子”と呼び、そんなことを聞いてきた。



それに、私は頷く。



「うん、せめて事実婚ならよかった・・・。
心だけでもちゃんと夫婦なら、その子ども達だってちゃんときょうだいになれる・・・。」
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