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「聖女になったことによってカルティーヌに傷がつくことはない。
それに身体能力も向上するらしいぞ?実感は?」



胸の先を両手の指先でコリコリと摘まみながらステル殿下が聞いてきて、それに両足がモゾモゾと勝手に動きながら答える。



「身体能力の向上を確認する機会もありませんよ・・・。
ステル殿下の妃として妃教育が何時間も詰め込まれていますから・・・。」



「そうだったな。」



「笑い事ではありません・・・。
身体もこんなに細く白くなってしまいました。
髪の毛はサラッサラになって何故か胸は小さくなりましたよ。」



「聖女となり本来の姿に戻ったんだろうな。」



「言い訳ではありませんけど、半年前はもう少し胸は大きかったですからね?
あと・・・」



言葉を切った後にステル殿下を見詰める。
サラッサラになった金とも銀とも言えないような私の細い髪の毛の束を手に取り、そこに口付けをしているステル殿下を。



「なんだか全体的に貴族の小娘みたいな姿になってしまいました。
顔まで覇気のない軟弱な顔付きになり鏡を見ることを止めました。」



「他の貴族や王族達がカルティーヌの姿だけは褒めている声をよく聞くぞ?」



「全く嬉しくないですね。」



「だろうな・・・っ」



ステル殿下がまた砕けた笑顔で笑い、それから何だか寂しそうな顔で私のことを見下ろしてきた。



「戦友とこんなことをするのは苦痛だろうが、なるべく手短にするから辛抱していてくれ。」



ステル殿下が私の女である部分に指先で触れてきた。
そして・・・何故か凄く驚いた顔をしている。



「何ですか・・・?」



身体を動かしているわけではないのに不思議と息が上がってくる。
息を上げながら驚いているステル殿下に聞くと、ステル殿下は困ったように笑った。



「いや、凄く濡れているから驚いて・・・。」
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