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──────────・・・・



「カルティーヌ姫、おはようございます。
そろそろ起きてください。」



重い身体と重い瞼、動かないそれらを無理矢理動かしていく。
開けた目には無表情のミランダの姿があった。



「誰かに起こされるなんて子どもの時以来・・・。」



「インソルドではちゃんと自分で起きていたのですか?」



「勿論・・・。」



「他の女性達もですか?」



「勿論・・・。」



「そうですか。
他の女性達も胸の下着は着けないんですか?」



「胸の大きな人は着けてたりする・・・。
クレドが持ってきてくれた下着・・・。」



重すぎる身体をゆっくりと起こし、何故か身体中が痛いのでよく身体を伸ばしていく。
隣を見るとステル殿下がいたであろう所はすっかりと跡がない。



「アイツ、凄い体力というか精力じゃない?
昨晩も部屋の前でずっと見届けてた?
本当に一晩中性行為してくるよね、アイツ。」



「皇太子殿下のことを“アイツ”と言ってはいけません。」



「だってあそこまでになると文句も言いたくなるもん。
王に近い王族の男性器は凄く気持ち良くなるように出来てるらしいね。
誰から聞いたかは言わないけど。」



「誰から聞いたかは知りませんが、王宮での会話は鵜呑みにしないことです。」



「でも、あれはたぶん本人の実体験なんじゃないかな。
たまたま知る機会があったって言ってたよ?」



「そんなはずはありません。
今の王族で性行為をしているのはジルゴバート弟殿下とステル殿・・・」



ミランダが言葉を切った後に慌てた顔になった。



「私に余計なことを喋らせないでください。」



「余計なことじゃないよ。
雑談しようよ、雑談。」



裸の身体に胸にも下着を着けていくとミランダが驚いた顔をした。



「下着を着けるんですか?」



「ステル殿下が私の胸を見た誰かを殺した時に、黒髪持ちが厄災を~とか言われたら嫌だからさ。」



「懸命な判断ですね。
最善はコルセットをしてちゃんとしたドレスを着ることですけど。
それと・・・身体を洗い流すのを忘れていました、申し訳ございません。」



「別にいいよ、1日に何度も洗ってたら時間が勿体ない。」



太ももにバンドをつけてそこにナイフを差した。
ミランダに何か言われるかと思ったけれど何も言われず、チラッとミランダを見ると悲しそうな顔をしている。



「インソルドの女性は全員が武器を持って戦うんですか?」



「女だけじゃない、子どもだって戦う。」



「女も子どもも死んでしまうじゃないですか。」



「そうだよ、弱い者から死んでいく。
だから死なない為には武器を持って強く強く強く、どこまでも強くならないといけない。
この人生を生き抜く為に。」



私の言葉にミランダが悲しそうに頷き、それから私に食事を運んできてくれた。
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