その恋、チロが全力で応援します。

Bu-cha

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チロが高校1年の頃にヤったことがあるからチロが女だったことは当然知っているけれど、あの時はとにかく夢中で・・・。
気が付いた時にはチロの中に全てをぶつけた後で、結構な血が出ていたチロのマ◯コを本気で心配し、それからはチロともヤることはなかった。



女のマ◯コからあんなに血が出るとは思わず、めちゃくちゃ怖いと思った。
俺がチロのことを傷付けたという事実が震える程に怖くて、チロといるとたまにムラッとする瞬間も男だからあったけれど、その時にあの光景も思い出しムラッとする気持ちは一瞬で萎えていた。



萎えていくはずだった・・・。



なのに、俺はチロの話しを聞けば聞くほどムラムラとして。



静かな車の中でチロの声がやけに響いていて。



俺の耳に、俺の頭に、俺のチ◯コにやけに響いてきて。



"薄~く雲が広がっちゃってるね!!”



寒い秋の日、砂浜で風に吹かれながらチロは空を見上げ、それからゆっくりと海を眺めた。



"海に星は見えないけど、綺麗~。”



いつだってチロの口から出てくる言葉は前向きな言葉だった。
そんなのは昔からそうだったから知っている。



でも、俺は知らなかった・・・。



"二十歳の誕生日に連れてきてくれてありがとう、守。”



そんなに綺麗な景色ではないこの場所で、寒そうにしながら俺に振り向きそう言ってきたチロの顔は、完全に”女”の顔をしていた。



困ったことに、チロは"女”の顔をしながら俺のことを見ていることに、この時にやっと気が付いた。



"チロ、俺のことが男として好きだったのか・・・。
可哀想だからそろそろ離れてやらねーとな。”



そう思った・・・。



心からそう思ったから、テキトーな言い訳を並べてチロから離れようとした。



でも、なかなか言葉が出てこなくて。



浮かんでくる言い訳はどれもしっくりこなくて。



2人で突っ立ちながら、白っぽい空の下にある灰色の海を無言で眺め続けた。



"そろそろ帰ろっか。
夜からバイト先の人達が誕生日会を開いてくれることになってて。”



それには何でか凄く嫌な気持ちになる。



何でか、めちゃくちゃ嫌だと思う。



"バイト先の人達って?
さっき話してたメンバー?
たまに男女のグループで遊びに行くっていう。”



"うん、その人達。”



"場所は?そこまで送っていく。”



"悪いからいいよ。
みんなから守のことを聞かれても困るし。”



"俺って顔は良いからな。
女が放っておいてくれねーもんな。”



モヤモヤしながらもいつもの感じでそう言うと、チロが少しバカにした笑い方をした。



"女の子2人とも、そのグループの男子と付き合ってるから放っておかれると思うよ?”



それを聞き・・・



俺の方を見ずに海を眺め続けているチロの横顔を見詰めた。



内心めちゃくちゃムカついていたけれど、必死に演技をしながら・・・



"男と女で余ってるのってチロともう1人の男だけじゃん。
その男、チロのことが好きなんじゃね?”



チロの返事を聞くのが何でか"怖い”と思ったけれど、聞かずにはいられなかった。



どうしても確認がしたいと・・・、確認しなければいけないとも思った。



心臓が煩いくらいに鳴っている俺のことを見ることなく、チロは言った。



"うん、そうみたいだね。”



と・・・。


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