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第十五話
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翌日金曜日、終業式も終わり後は通知表を貰って帰るだけの教室で成瀬と話をしていた。
「サトルは夏休みどーすんの?」
「どーもしないよ。親も帰ってくる予定も無いみたいだし、田舎って言ってもチャリで行ける距離だしなぁ。」
「じゃぁさぁ、どっかにキャンプとか行かね?エリーちゃんとか誘ってさ。」
「エリーと遊びたいだけだろ?」
「だからお前に声掛けてんじゃん。」
「俺は良いけど、アイツが行くって言うかは別だぞ。」
「えーちゃんと誘ってくれよー。あ、従姉妹のお姉さんも誘ってくれたら、俺は嬉しい!」
「俺には何のメリットも無いじゃないか…。」
でもキャンプか…楽しそうだな。
「他には呼ばないのか?」
「だって俺、友達少ないもん…。」
まぁ俺も他人のこといえないけどな。
「なになに?キャンプ行くって?」
ウチのクラスの世話好きの女子が声を掛けてきた。
「エリーちゃんも行くんでしょ?私も混ぜてよ。」
彼女の名前は佐波井 涼。
成瀬と同じ中学出身の女子である。
性格は明るく人懐っこい。
コイツの事を嫌ってるクラスメイトは居ないんじゃないのかな?
男子女子分け隔てなく接してくる感じの良い子だ。
美人と言うよりは可愛い系だな。
「ねぇ、何処いくの?」
「まだ決めてねぇよ。行かないか?って話ししてただけだよ。」
「じゃぁさ、人集めて行く場所決めようよ!」
なんか勝手に話が進んでる…。
「とりあえず、椎葉くんと成瀬くんとエリーちゃんと私でしょ?後は…。」
「椎葉の従姉妹のお姉さんもな。」
「いや、蒼ネエは聞かないとわかんないって…。」
「とりあえず、今のところ男の子2人に女の子3人か 。もう2、3人欲しいよねぇ。」
「なんで?」
「多すぎても統制が取れなくて大変だし、少ないと少ないで色々大変でしょ?だから7~8人くらいがベストかなぁって。」
「ふーん、そんなもんか?」
「とりあえずさ、アドレス交換しとこーよ。」
「エリーはスマホ持ってないぞ。」
「椎葉くんのが解れば大丈夫だよ。」
女子とアドレス交換とか初めてだ。
「じゃグループ作っとくから、連絡はそこでね!いつ行くか決まったら教えてね!あと場所も!」
なんでこう、俺の周りは仕切りたがりが多いんだ?
§
その日の夜。
「8月の頭だったら土日絡めれば3~4日休み取れるよ。」
『じゃその辺りで計画するか…。」
蒼ネエにスケジュールを確認してメッセージアプリのグループチャットに送信した。
『とりあえず8月第1週目の金土日でどうだ?』
グループチャットには俺と成瀬と佐波井、そしていつの間にか『保田』と『クレア』という名前が追加されていた。
保田ってスポーツ万能なのに運動部には入ってないヤツだよな。
確か美術部だったっけ?
クレアって誰だ?…あぁあの美人のクオーターの子か。
佐波井とよく一緒にいる子だ。
すぐに反応があったのは佐波井だった。
『私は大丈夫だよー。』
続けて成瀬と保田が『OK』のスタンプをアップしてきた。
ちょっと間があってクレアから『私も大丈夫でーす。』と上げてきた。
『じゃ何処行く?』
しばらくあーでもないこーでもないと行き先を決めるチャットが続いた。
『じゃ場所と役割分担も決定したって事で、8月最初の週の金曜日の朝10時に現地集合ね!』
終始佐波井の仕切りで話が進み、俺とエリーと蒼ネエは食材担当って事になっていた。
まぁ蒼ネエの車目当てなんだろう、荷物積めるし…。
§
「サトル、キャンプとはなんだ?」
「ん?あぁ、キャンプってのはな…山とか川辺とか自然の中で野営して楽しむってヤツだ。」
「野営か、野営なら得意だぞ。」
「いや…多分お前の考えてる野営とはだいぶ違うと思うぞ。」
「そうなのか?ところでもう一つ質問しても良いか?」
「なんだ?」
「夏休みとはなんだ?言葉の響きから普通の休みとは違う様だが。」
「あぁ、夏の時期は暑いだろ?その時期に学校行っても暑くて勉強が身に入らないって理由で一月くらい休みになるんだ。」
エリーには、まだまだ色々教えないといけないな。
このままじゃ帰国子女って設定が通用しないよな…。
まぁ夏休みの間に何とかしないとな。
そうそう、あの追加されてたアプリ…魔道アプリと呼ぶことにした。
その魔道アプリに入ってた項目の中にあった『アイテム召喚』をさっき使ってみたんだけど、これがなかなか面白い。
どうやら溜まったポイントに応じてアイテムを召喚出来るらしい。
しかも、一度召喚したアイテムは、その後ポイントを使う事なく何度でも必要な時に出し入れ出来る。
今、貰えるのはサバイバルナイフみたいな短剣が500ポイント。
後は、200~300ポイントで交換出来る、なんか特殊な機能が付いてるっぽいアクセサリーが数点。
なぜ出し入れ可能か解ったかというと、そのサバイバルナイフみたいな短剣を召喚してみたからだ。
なかなかカッコイイ短剣だった。
でも、やっぱりただの短剣じゃないんだろーな。
とりあえず、キャンプまで2週間くらいあるから、そのれまでに宿題を終わらせてやる!
そう言えば、エリーにも宿題出てたけど、アイツ大丈夫なのか?
まだ読み書きもままならない筈だけど…。
「サトルは夏休みどーすんの?」
「どーもしないよ。親も帰ってくる予定も無いみたいだし、田舎って言ってもチャリで行ける距離だしなぁ。」
「じゃぁさぁ、どっかにキャンプとか行かね?エリーちゃんとか誘ってさ。」
「エリーと遊びたいだけだろ?」
「だからお前に声掛けてんじゃん。」
「俺は良いけど、アイツが行くって言うかは別だぞ。」
「えーちゃんと誘ってくれよー。あ、従姉妹のお姉さんも誘ってくれたら、俺は嬉しい!」
「俺には何のメリットも無いじゃないか…。」
でもキャンプか…楽しそうだな。
「他には呼ばないのか?」
「だって俺、友達少ないもん…。」
まぁ俺も他人のこといえないけどな。
「なになに?キャンプ行くって?」
ウチのクラスの世話好きの女子が声を掛けてきた。
「エリーちゃんも行くんでしょ?私も混ぜてよ。」
彼女の名前は佐波井 涼。
成瀬と同じ中学出身の女子である。
性格は明るく人懐っこい。
コイツの事を嫌ってるクラスメイトは居ないんじゃないのかな?
男子女子分け隔てなく接してくる感じの良い子だ。
美人と言うよりは可愛い系だな。
「ねぇ、何処いくの?」
「まだ決めてねぇよ。行かないか?って話ししてただけだよ。」
「じゃぁさ、人集めて行く場所決めようよ!」
なんか勝手に話が進んでる…。
「とりあえず、椎葉くんと成瀬くんとエリーちゃんと私でしょ?後は…。」
「椎葉の従姉妹のお姉さんもな。」
「いや、蒼ネエは聞かないとわかんないって…。」
「とりあえず、今のところ男の子2人に女の子3人か 。もう2、3人欲しいよねぇ。」
「なんで?」
「多すぎても統制が取れなくて大変だし、少ないと少ないで色々大変でしょ?だから7~8人くらいがベストかなぁって。」
「ふーん、そんなもんか?」
「とりあえずさ、アドレス交換しとこーよ。」
「エリーはスマホ持ってないぞ。」
「椎葉くんのが解れば大丈夫だよ。」
女子とアドレス交換とか初めてだ。
「じゃグループ作っとくから、連絡はそこでね!いつ行くか決まったら教えてね!あと場所も!」
なんでこう、俺の周りは仕切りたがりが多いんだ?
§
その日の夜。
「8月の頭だったら土日絡めれば3~4日休み取れるよ。」
『じゃその辺りで計画するか…。」
蒼ネエにスケジュールを確認してメッセージアプリのグループチャットに送信した。
『とりあえず8月第1週目の金土日でどうだ?』
グループチャットには俺と成瀬と佐波井、そしていつの間にか『保田』と『クレア』という名前が追加されていた。
保田ってスポーツ万能なのに運動部には入ってないヤツだよな。
確か美術部だったっけ?
クレアって誰だ?…あぁあの美人のクオーターの子か。
佐波井とよく一緒にいる子だ。
すぐに反応があったのは佐波井だった。
『私は大丈夫だよー。』
続けて成瀬と保田が『OK』のスタンプをアップしてきた。
ちょっと間があってクレアから『私も大丈夫でーす。』と上げてきた。
『じゃ何処行く?』
しばらくあーでもないこーでもないと行き先を決めるチャットが続いた。
『じゃ場所と役割分担も決定したって事で、8月最初の週の金曜日の朝10時に現地集合ね!』
終始佐波井の仕切りで話が進み、俺とエリーと蒼ネエは食材担当って事になっていた。
まぁ蒼ネエの車目当てなんだろう、荷物積めるし…。
§
「サトル、キャンプとはなんだ?」
「ん?あぁ、キャンプってのはな…山とか川辺とか自然の中で野営して楽しむってヤツだ。」
「野営か、野営なら得意だぞ。」
「いや…多分お前の考えてる野営とはだいぶ違うと思うぞ。」
「そうなのか?ところでもう一つ質問しても良いか?」
「なんだ?」
「夏休みとはなんだ?言葉の響きから普通の休みとは違う様だが。」
「あぁ、夏の時期は暑いだろ?その時期に学校行っても暑くて勉強が身に入らないって理由で一月くらい休みになるんだ。」
エリーには、まだまだ色々教えないといけないな。
このままじゃ帰国子女って設定が通用しないよな…。
まぁ夏休みの間に何とかしないとな。
そうそう、あの追加されてたアプリ…魔道アプリと呼ぶことにした。
その魔道アプリに入ってた項目の中にあった『アイテム召喚』をさっき使ってみたんだけど、これがなかなか面白い。
どうやら溜まったポイントに応じてアイテムを召喚出来るらしい。
しかも、一度召喚したアイテムは、その後ポイントを使う事なく何度でも必要な時に出し入れ出来る。
今、貰えるのはサバイバルナイフみたいな短剣が500ポイント。
後は、200~300ポイントで交換出来る、なんか特殊な機能が付いてるっぽいアクセサリーが数点。
なぜ出し入れ可能か解ったかというと、そのサバイバルナイフみたいな短剣を召喚してみたからだ。
なかなかカッコイイ短剣だった。
でも、やっぱりただの短剣じゃないんだろーな。
とりあえず、キャンプまで2週間くらいあるから、そのれまでに宿題を終わらせてやる!
そう言えば、エリーにも宿題出てたけど、アイツ大丈夫なのか?
まだ読み書きもままならない筈だけど…。
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