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第2章 ◆ 見えるものと見えないものと
12. 思わぬ出会い
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「精霊の祝福」での買い物を終えてフォルト達を呼ぶと、親友はぐったりした様子で迎えに来ました。
頭に乗っているハイテンションなうさぎさんが『オルデン、楽しい~~!』とはしゃいでいたので、これは本当にお疲れ様と労いたくなります。
まだまだ興奮しているシーニーにフォルトの頭から私の肩に乗り換えてもらって、疲れた顔をした親友を撫でながら学園に戻りました。
『ここがグランツ学園かぁ!フォルトからも聞いてたけど、本当に広いね~!いろんな種族がいるみたいだし、楽しそう♪』
シーニーは、学園の正門の前から行き交う人達をきょろきょろと楽しそうに見ながら言いました。
シーニーの好奇心は果てしないなぁとぴょこぴょこ動く耳を見ながら小さく笑います。
『俺は疲れたから寝る。寝たい!』
「フォルト、本当にお疲れ様。帰ったらいっぱいブラッシングしてあげるね」
『えええ~!いいなぁ!あたしも!あたしも!』
頬にぐりぐりと頭を押し付けてくるシーニーに、「もちろんだよ!」と頷きます。
三人でそんなやり取りをしながら海組の寮へ帰りました。
「クリス、おかえり」
「先輩、お疲れ様です。ただいま帰りました」
寮の前の庭でルルーシア先輩が剣の稽古をしていました。
近くのベンチにはルミナさんが座っていて、ひらひらと手を振ってくれています。
あ、今日は二人とも一緒にいるんだ。よかった。
一昨日はルルーシア先輩の様子がどこか変だったから、ルミナさんと何かあったのかなって思ってたけど大丈夫みたい。
「クリス。昼食は食べたのか?」
「あ、まだです。これから食堂で食べようかと」
「そうか。私もまだなんだ。一緒に行こう」
ルルーシア先輩は剣を鞘に納めると、ルミナさんの方に視線を投げました。
ルミナさんは行かないと首を振ったので、フォルトとシーニーを預けました。
シーニーがルミナさんといろいろ話して盛り上がっているのを背中に感じながら、先輩と食堂へ向かいます。
「クリス、あの元気なうさぎは何だ?契約獣にしたのか?」
「い、いえ。あのうさぎさんは…えと…なんていうか、フォルトの古い友達なんです」
ルルーシア先輩は、後ろのルミナさん達を気にしながら訊いてきました。
それにちょっと詰まりながらも困り笑いで答えます。
精霊獣とは言えないから曖昧な言葉でしか答えられなくてごめんなさい…!でも嘘は言ってないです!
先輩は特に気にした風もなく「そうなのか」と言って前を向いたので、こっそりほっとしました。
今日のお昼はパスタにしてみました。芳ばしく炒められたキノコとベーコンがパスタと絡んでとてもおいしいです…!
ルルーシア先輩は、お肉がゴロゴロ入ったビーフシチューを食べています。そっちもおいしそう。
「先輩は連休の間、何してましたか?おでかけとかしました?」
「…そうだな。ずっと剣の鍛練をしていたよ。他にやりたいこともない、からな…」
軽く聞いたつもりだったのですが、ルルーシア先輩の顔が一瞬曇った気がしました。
でも、すぐにぱっと笑いかけてくれたから、あまり気にせずお互いに休みの間のことを話しました。
ルルーシア先輩は剣の鍛練と剣のお手入れの話をしてくれました。その顔は穏やかで、いつも帯剣している細身の剣をとても大事そうに撫でていました。
剣が好きなんだなぁ。
そう思ってクロードお兄ちゃんのことを話すと、「クロード先輩の妹!?」と、とてもびっくりされました。あ。この反応、久しぶりです。
ルルーシア先輩の方がお兄ちゃんよりも年上のはずだけど、あ、そうかお兄ちゃんは飛び級して卒業したから先輩になる…のかな??
「クロード先輩のことはとても尊敬している。数ヵ月だけ一緒に学んだことがあるが、剣術も素晴らしかったし、苦手な魔法も習得して本当にすごい人だ。それにとても家族思いのよいお兄様だな」
ルルーシア先輩が「本当に尊敬している」と憧れを含んだ声でお兄ちゃんを褒めてくれたので、うれしくなっちゃいます。家族が褒められるのはうれしいです!
それからクロードお兄ちゃんが海組にいた時の話をルルーシア先輩に聞かせてもらいました。
運動神経がいいお兄ちゃんは、剣術の腕をメキメキ上げて、個人戦なら先生にも負けなかったんだとか。お兄ちゃんすごい!
魔法は昔王宮魔術師だった先生に教えてもらって、自分に合った光魔法を見つけたんだそうです。それがあの「戦う聖職者」「無血の英雄」という通り名の由来です。
ルルーシア先輩から聞くお兄ちゃんのすごさがわかる話の数々に、私も頑張ろうと決意を新たにしました。
思ったよりも長く話し込んでしまい、慌ててルルーシア先輩と再び寮の前の庭に戻ると、ルミナさんと預けたフォルト達がいませんでした。
先輩と顔を見合わせて首を傾げます。
「待ちきれなくてどこかに遊びに行ったんでしょうか?」
「…さあな。ルミナは気まぐれだからいつも何をしているかは知らない。クリスの契約獣もそうなのか?」
「え。あー…そうですね、言われてみれば気まぐれかもしれないです。今日はシーニーもいますし、三人でどこか探検しているのかもしれません」
シーニーとルミナさん、なんか話が盛り上がってたみたいだし、学園の案内とかしてもらってるのかもしれない。
「そうか。まあ、夕食までには帰ってくるだろう。気になるなら魔法会話で連絡を取るといい」
「はい。そうですね。そうします」
ルルーシア先輩は午後も剣の鍛練をするようで、私達はここで別れました。
フォルト、寝たいって言ってたけど…大丈夫かな?
部屋に戻ったら魔法会話で一応連絡を取ってみよう。
そう思って再び寮に入ると、何かが体にまとわりつく感覚がしました。
これはいつもの寮に張られている結界の感覚ではありません。
「…っ、何?」
思わず膝を着き、まとわりつく感覚の気持ち悪さに吐きそうになります。
さっき食堂から出てきた時は何ともなかったのに。
まとわりつく感覚がどんどん体を締め付けてくる気がします。
それに抗おうと頭を振ったりしましたが、何の抵抗もできず意識を手放してしまいました。
『ねえ、やっぱりこれはまずいんじゃないの?』
『仕方ないわよ!こうするしかこの子を連れて来れなかったんだもの!』
『ふえ~…やめようよぉ、帰してあげようよぉ』
頭の上で騒がしい会話が聞こえてきて、意識がゆっくり浮上してきます。
うっすらと目を開けてみましたが、視界は何かに塞がれていて真っ暗です。
ここはどこだろう?なんだか柔らかい布団のようなものに包まれてる…?
会話をしている人達の姿が見えないので、とりあえず起き上がろうとしたのですが体がだるくて動きませんでした。
うぅ…まだちょっと気持ち悪い…。
頭がくらくらして、めまいに似た感覚が襲ってきます。
仕方がないので、このまま誰かの会話を聞いてみることにしました。
『と、とにかく!このままだと私達だって危ないのよ!この子に何とかしてもらいましょ!』
『何とかって…人間には私達のこと見えないでしょ?どうやって説明するのよ?』
『ふえ~ん、こんな小さな子にお願いするなんてかわいそうだよぉ』
『説明するにしても、この子に伝わるの?』
『ああ…こんなところに連れてきて、泣かないかなぁ。ごめんねぇ…』
『も~~~!!この子が起きてから考える――!!』
ええと…会話の内容がよくないもののような…?
もしかしてここにいるのはあまりいいことではないのでしょうか?
私はたぶんあの後倒れて、どこかはわからないけど、さっきとは違う場所に連れてこられた?
聞こえてきた何か危ないことが起きるような雰囲気の会話に体を固くしました。
『この子が起きる前に何か伝える手段を考えた方がいいんじゃない?』
『うぅ、でも私達妖精に人間の文字は書けないですぅ…』
『ん~~~。確かに…私達の存在を認知してもらわないと話が進まないわよね』
会話の声からすると三人の人が話をしていて、大人…ではない気がします。
でも子どもにしてはそこまで幼くはないから、レガロお兄ちゃんくらい?
それはともかく、さっきから気になる会話が聞こえてきます。
「人間には私達のこと見えない」「妖精に人間の文字は書けない」って…。
「…っ妖精さん!!?」
びっくりして気持ち悪いのも忘れて勢いよく起き上がると、真っ暗だった視界が晴れました。
そして、ここが見慣れた部屋だったので二度びっくりしました。
見渡すとたくさんの剣や盾、鎧、鉄球などが棚にきれいに整頓されています。それらは女性が扱えるように一回り小さなもので、かわいい色のもの、きれいなモチーフがついたものもちらほらと見えました。
そう、ここは寮の武器庫でした。
「どうして武器庫に…?」
思考が武器庫に傾きかけた時、傍でびっくりしたような叫び声が聞こえました。
声がした方へ振り向くと、そこにはフェルーテちゃんと同じくらいの小さな女の子が三人。
その背中には、トンボのような細い羽根が四枚ありました。
『あなた!私達が見えるの!?』
ツインテールの髪型をした活発そうな女の子がとてもびっくりした顔で言いました。
その右隣りにはストレートの長い髪のきりっとした雰囲気の女の子、左隣にはふわふわのボブヘアーで、涙目の気弱そうな女の子がいます。
「ええと…見えてるみたいです」
目の前にいる三人の顔を順々に見て、そう答えました。
その答えに、三人はぱあっと顔を明るくさせて、私の鼻の先まで近づいてきました。
『それなら話が早いわ!!私達を助けてほしいの!!』
……うん??
頭に乗っているハイテンションなうさぎさんが『オルデン、楽しい~~!』とはしゃいでいたので、これは本当にお疲れ様と労いたくなります。
まだまだ興奮しているシーニーにフォルトの頭から私の肩に乗り換えてもらって、疲れた顔をした親友を撫でながら学園に戻りました。
『ここがグランツ学園かぁ!フォルトからも聞いてたけど、本当に広いね~!いろんな種族がいるみたいだし、楽しそう♪』
シーニーは、学園の正門の前から行き交う人達をきょろきょろと楽しそうに見ながら言いました。
シーニーの好奇心は果てしないなぁとぴょこぴょこ動く耳を見ながら小さく笑います。
『俺は疲れたから寝る。寝たい!』
「フォルト、本当にお疲れ様。帰ったらいっぱいブラッシングしてあげるね」
『えええ~!いいなぁ!あたしも!あたしも!』
頬にぐりぐりと頭を押し付けてくるシーニーに、「もちろんだよ!」と頷きます。
三人でそんなやり取りをしながら海組の寮へ帰りました。
「クリス、おかえり」
「先輩、お疲れ様です。ただいま帰りました」
寮の前の庭でルルーシア先輩が剣の稽古をしていました。
近くのベンチにはルミナさんが座っていて、ひらひらと手を振ってくれています。
あ、今日は二人とも一緒にいるんだ。よかった。
一昨日はルルーシア先輩の様子がどこか変だったから、ルミナさんと何かあったのかなって思ってたけど大丈夫みたい。
「クリス。昼食は食べたのか?」
「あ、まだです。これから食堂で食べようかと」
「そうか。私もまだなんだ。一緒に行こう」
ルルーシア先輩は剣を鞘に納めると、ルミナさんの方に視線を投げました。
ルミナさんは行かないと首を振ったので、フォルトとシーニーを預けました。
シーニーがルミナさんといろいろ話して盛り上がっているのを背中に感じながら、先輩と食堂へ向かいます。
「クリス、あの元気なうさぎは何だ?契約獣にしたのか?」
「い、いえ。あのうさぎさんは…えと…なんていうか、フォルトの古い友達なんです」
ルルーシア先輩は、後ろのルミナさん達を気にしながら訊いてきました。
それにちょっと詰まりながらも困り笑いで答えます。
精霊獣とは言えないから曖昧な言葉でしか答えられなくてごめんなさい…!でも嘘は言ってないです!
先輩は特に気にした風もなく「そうなのか」と言って前を向いたので、こっそりほっとしました。
今日のお昼はパスタにしてみました。芳ばしく炒められたキノコとベーコンがパスタと絡んでとてもおいしいです…!
ルルーシア先輩は、お肉がゴロゴロ入ったビーフシチューを食べています。そっちもおいしそう。
「先輩は連休の間、何してましたか?おでかけとかしました?」
「…そうだな。ずっと剣の鍛練をしていたよ。他にやりたいこともない、からな…」
軽く聞いたつもりだったのですが、ルルーシア先輩の顔が一瞬曇った気がしました。
でも、すぐにぱっと笑いかけてくれたから、あまり気にせずお互いに休みの間のことを話しました。
ルルーシア先輩は剣の鍛練と剣のお手入れの話をしてくれました。その顔は穏やかで、いつも帯剣している細身の剣をとても大事そうに撫でていました。
剣が好きなんだなぁ。
そう思ってクロードお兄ちゃんのことを話すと、「クロード先輩の妹!?」と、とてもびっくりされました。あ。この反応、久しぶりです。
ルルーシア先輩の方がお兄ちゃんよりも年上のはずだけど、あ、そうかお兄ちゃんは飛び級して卒業したから先輩になる…のかな??
「クロード先輩のことはとても尊敬している。数ヵ月だけ一緒に学んだことがあるが、剣術も素晴らしかったし、苦手な魔法も習得して本当にすごい人だ。それにとても家族思いのよいお兄様だな」
ルルーシア先輩が「本当に尊敬している」と憧れを含んだ声でお兄ちゃんを褒めてくれたので、うれしくなっちゃいます。家族が褒められるのはうれしいです!
それからクロードお兄ちゃんが海組にいた時の話をルルーシア先輩に聞かせてもらいました。
運動神経がいいお兄ちゃんは、剣術の腕をメキメキ上げて、個人戦なら先生にも負けなかったんだとか。お兄ちゃんすごい!
魔法は昔王宮魔術師だった先生に教えてもらって、自分に合った光魔法を見つけたんだそうです。それがあの「戦う聖職者」「無血の英雄」という通り名の由来です。
ルルーシア先輩から聞くお兄ちゃんのすごさがわかる話の数々に、私も頑張ろうと決意を新たにしました。
思ったよりも長く話し込んでしまい、慌ててルルーシア先輩と再び寮の前の庭に戻ると、ルミナさんと預けたフォルト達がいませんでした。
先輩と顔を見合わせて首を傾げます。
「待ちきれなくてどこかに遊びに行ったんでしょうか?」
「…さあな。ルミナは気まぐれだからいつも何をしているかは知らない。クリスの契約獣もそうなのか?」
「え。あー…そうですね、言われてみれば気まぐれかもしれないです。今日はシーニーもいますし、三人でどこか探検しているのかもしれません」
シーニーとルミナさん、なんか話が盛り上がってたみたいだし、学園の案内とかしてもらってるのかもしれない。
「そうか。まあ、夕食までには帰ってくるだろう。気になるなら魔法会話で連絡を取るといい」
「はい。そうですね。そうします」
ルルーシア先輩は午後も剣の鍛練をするようで、私達はここで別れました。
フォルト、寝たいって言ってたけど…大丈夫かな?
部屋に戻ったら魔法会話で一応連絡を取ってみよう。
そう思って再び寮に入ると、何かが体にまとわりつく感覚がしました。
これはいつもの寮に張られている結界の感覚ではありません。
「…っ、何?」
思わず膝を着き、まとわりつく感覚の気持ち悪さに吐きそうになります。
さっき食堂から出てきた時は何ともなかったのに。
まとわりつく感覚がどんどん体を締め付けてくる気がします。
それに抗おうと頭を振ったりしましたが、何の抵抗もできず意識を手放してしまいました。
『ねえ、やっぱりこれはまずいんじゃないの?』
『仕方ないわよ!こうするしかこの子を連れて来れなかったんだもの!』
『ふえ~…やめようよぉ、帰してあげようよぉ』
頭の上で騒がしい会話が聞こえてきて、意識がゆっくり浮上してきます。
うっすらと目を開けてみましたが、視界は何かに塞がれていて真っ暗です。
ここはどこだろう?なんだか柔らかい布団のようなものに包まれてる…?
会話をしている人達の姿が見えないので、とりあえず起き上がろうとしたのですが体がだるくて動きませんでした。
うぅ…まだちょっと気持ち悪い…。
頭がくらくらして、めまいに似た感覚が襲ってきます。
仕方がないので、このまま誰かの会話を聞いてみることにしました。
『と、とにかく!このままだと私達だって危ないのよ!この子に何とかしてもらいましょ!』
『何とかって…人間には私達のこと見えないでしょ?どうやって説明するのよ?』
『ふえ~ん、こんな小さな子にお願いするなんてかわいそうだよぉ』
『説明するにしても、この子に伝わるの?』
『ああ…こんなところに連れてきて、泣かないかなぁ。ごめんねぇ…』
『も~~~!!この子が起きてから考える――!!』
ええと…会話の内容がよくないもののような…?
もしかしてここにいるのはあまりいいことではないのでしょうか?
私はたぶんあの後倒れて、どこかはわからないけど、さっきとは違う場所に連れてこられた?
聞こえてきた何か危ないことが起きるような雰囲気の会話に体を固くしました。
『この子が起きる前に何か伝える手段を考えた方がいいんじゃない?』
『うぅ、でも私達妖精に人間の文字は書けないですぅ…』
『ん~~~。確かに…私達の存在を認知してもらわないと話が進まないわよね』
会話の声からすると三人の人が話をしていて、大人…ではない気がします。
でも子どもにしてはそこまで幼くはないから、レガロお兄ちゃんくらい?
それはともかく、さっきから気になる会話が聞こえてきます。
「人間には私達のこと見えない」「妖精に人間の文字は書けない」って…。
「…っ妖精さん!!?」
びっくりして気持ち悪いのも忘れて勢いよく起き上がると、真っ暗だった視界が晴れました。
そして、ここが見慣れた部屋だったので二度びっくりしました。
見渡すとたくさんの剣や盾、鎧、鉄球などが棚にきれいに整頓されています。それらは女性が扱えるように一回り小さなもので、かわいい色のもの、きれいなモチーフがついたものもちらほらと見えました。
そう、ここは寮の武器庫でした。
「どうして武器庫に…?」
思考が武器庫に傾きかけた時、傍でびっくりしたような叫び声が聞こえました。
声がした方へ振り向くと、そこにはフェルーテちゃんと同じくらいの小さな女の子が三人。
その背中には、トンボのような細い羽根が四枚ありました。
『あなた!私達が見えるの!?』
ツインテールの髪型をした活発そうな女の子がとてもびっくりした顔で言いました。
その右隣りにはストレートの長い髪のきりっとした雰囲気の女の子、左隣にはふわふわのボブヘアーで、涙目の気弱そうな女の子がいます。
「ええと…見えてるみたいです」
目の前にいる三人の顔を順々に見て、そう答えました。
その答えに、三人はぱあっと顔を明るくさせて、私の鼻の先まで近づいてきました。
『それなら話が早いわ!!私達を助けてほしいの!!』
……うん??
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