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第2章 ◆ 見えるものと見えないものと
13. 不思議な部屋①
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話を聴くために、包まれていた布団のようなものから外に出ます。
それから、その布団をたたんで横に避けておきました。寮の備品かもしれないからね。
いつの間にか気持ち悪さがなくなっていたので、くらくらしていた頭もすっきりしていました。
話が聴ける体勢になると、三人のうちの一人が進み出て頭を下げました。
『いきなり気絶させて連れ出したのは謝るわ。ごめんなさい』
「うん。すごくびっくりしたけど…何か理由があるってことなんだよね?」
『ええ、そうなの。あ。自己紹介がまだだったわね。私は風の妖精ロジーよ』
ツインテールの妖精さんロジーちゃんが挨拶をすると、続けてストレート髪の妖精さんが自己紹介をします。
『私も風の妖精のシアラ。で、こっちの背中に隠れているのはミュー。彼女も風の妖精よ』
『よ、よろしくですぅ…』
一度に三人の風の妖精さんに出会ってしまいました。
フェルーテちゃん以外の妖精さんを見るのは初めてなので、いろいろ訊きたいけど今は我慢です。
「私は海組二年生のクリスだよ。よろしくね」
手を差し出すと、三人は私の指に手を触れてくれました。
すると、三人からさわやかな風を感じて、これが彼女達の挨拶なんだなと思いました。
『早速で悪いんだけど、あれを見てくれる?』
ロジーちゃんがひらりと飛んで行った方に目を向けると扉が見えました。
武器庫には何度か入ったことはありますが、あんな奥の方までは目を向けたことがありませんでした。
近くまで行ってみると、扉は棚と棚の間の暗がりにひっそりとあって、言われなければ気づかないところにありました。
「この扉がどうしたの?」
『この扉の向こうに私達が護ってる剣があるんだけど、それを封じる手伝いをしてほしいの』
「剣…?封じる?」
この武器庫の奥に部屋があることにも驚きましたが、妖精が護る剣って…一体どういうものなのでしょうか?
ロジーちゃんの話によると、ロジーちゃん達はこの扉の向こうにある剣に祝福を与えて、誰にも知られないように護っていたそうです。
ところが最近、剣を封じていた鞘が壊れてしまい、禍々しい黒い靄が溢れてロジーちゃん達の祝福が解かれてしまったのだとか。
今はロジーちゃん達の祝福の力でこの扉の向こうまでで済んでいますが、このままだとその黒い靄が外に出てしまうというのです。
『あの剣は普通の剣じゃない。人の憎悪を吸い過ぎて魔剣になってしまったのよ』
シアラちゃんが淡々と剣について教えてくれました。
ええええええっ!!?なんでそんな怖い剣が寮の武器庫なんかにあるんですか!?
それに、黒い靄って…。
フェルーテちゃんを深い眠りに落としたゼロの顔が頭を過ります。
言葉を失っていると、さらにミューちゃんが補足をしました。
『私達は妖精の祝福でずっと長い間あの魔剣の憎悪を少しずつ浄化していたんですぅ。でも、数ヵ月前にその魔剣を封じていた鞘が突然壊れて、私達の力じゃ抑えきれなくなったのですぅ…』
「じゃあ、その鞘を直せば封じることができるんだね?」
鞘さえあれば、剣を封じてその黒い靄をどうにかできる…のですよね?
そう思って口にした言葉でしたが、ロジーちゃんがあっさりそれを否定しました。
『それは無理だわ。あの鞘は魔導具で、作った本人にしか作り方がわからないものらしいの。その本人はもう何百年も前に亡くなってるから、同じものを作るのは不可能だわ』
待って。それは、どうにもならないんじゃないかな!?
この鞘を作った人が何百年も前に亡くなっているってことは、この魔剣もそれほど昔から存在していて、長い年月をかけてロジーちゃん達が浄化をし続けているということになります。
これは思った以上に難題かもしれないです。
新しい鞘を作るのが一番いいのだろうけど、私は魔導具師じゃないし、魔剣についても知らないことだらけです。
これは先生やフォルト達に助けを求める方がいいかもしれない。
あれ?でも、どうしてロジーちゃん達は私を連れてきたんだろう?
他の妖精さんを呼ぶとか、もっといい考えや方法などを知っている人が他にいるかもしれないのに…。
そのまま疑問を言ってみると、ロジーちゃんが大きなため息をつきながら答えてくれました。
『私達は黒い靄を抑えるために剣の傍を離れられないから、他の妖精の所まで助けを求めに行くことができなくて。人間は私達のこと全然見えてないし、どうしようって思ってたところにあなたを見つけたの』
「見つけたの」って言われても、私に何とかできるようなレベルの話ではない気がするのですが!?
頭を抱えていると、ミューちゃんが私の頭を撫でてきました。
『本当は巻き込みたくなかったですぅ…。ごめんねぇ』
そう言ったミューちゃんの目には涙が溜まっていて、今にも零れそうでした。
ふと、彼女の背中の羽根を見ると、ところどころ黒く変色しているのが見えました。
ロジーちゃんとシアラちゃんのもよく見ると黒ずんでいるのがわかります。
フェルーテちゃんと同じだ…。
あの時の光景が私の中に蘇ります。
何もできなかった自分が悔しくて悔しくて、だけどそれを言う資格がないほどに私は何も持っていなかった。
その時の気持ちを思い出せば、無意識に手を握りしめてしまいます。
『ごめんなさい。やっぱり怖いわよね?』
『…嫌なら断ってくれてもいいから』
手を握りしめた私を震えていると思ったのか、ロジーちゃんとシアラちゃんが優しく手を撫でてくれました。
それにはっとして二人を見つめます。
そのどこか苦しそうに笑う顔は、あの時のクロードお兄ちゃんとエレナさんの顔と重なります。
このまま「できない」と断ってもいいの?
三人の黒ずんだ羽根をもう一度見て、頭を振りました。
「ううん。私にできることがあるならやらせて?無理だったら私よりももっとすごい人達を呼んでくるから!」
その言葉に、三人の妖精達は声を上げて喜んでくれました。
何もできなかったとしても、ここは海組だ。先生達やルルーシア先輩に説明して何とかしてもらえるかもしれない。
それに、今はここにいないけどフォルトやシーニー、ルミナさんだっている。
うん、きっと大丈夫!
「それで、剣を封じるために私は何をすればいいの?」
『扉の向こうに行って、剣に触ってほしいの』
「それだけでいいの?」
力んでいた肩を落とします。
もっと難しいことを言われると思って身構えていましたが、そこまで難しくなさそうです。
あ、でも黒い靄があるから、そう簡単なことではないかもしれません。
ロジーちゃんは私の言葉に肯定するように静かに頷いて、シアラちゃんとミューちゃんに目を向けました。
そしてまた私に視線を戻すと、真剣な目でまた言いました。
『クリスが剣に触れた後、私達が妖精の祝福をもう一度かけるわ』
「え?本当に剣に触るだけでいいの?」
さっきと同じロジーちゃんの言葉に今度は困惑してしまいます。
魔剣は三人の妖精の祝福が効かないほどの憎悪を黒い靄にしている。
それを妖精でも何でもない人間の私が触るだけで、変化があるのでしょうか?
そう思ってそのまま訊いたのですが、三人に呆然とした顔をされました。
ロジーちゃんが心底驚いたように見つめてきます。
『もう、何言ってるの?それがクリスの力なのでしょう?』
「え?」
『え??』
三人の妖精と一緒に首を傾げます。
『黒い靄が無くなれば、あとは私達の妖精の祝福で封じることができるわ。クリスの魔力はそういうものだと思ったのだけど?』
私が首を傾げるばかりなので、ロジーちゃんが困った顔でそう言いました。
私の魔力はそういうもの?
「えと…ごめんね、私、まだ自分の魔力がまだどういうものかわからなくて…」
いつもの私なら、もっと考えて何か答えを出せたかもしれませんが、魔剣という大きなものに意識を集中しすぎてあいまいな答えしか返せませんでした。
申し訳なく思いながらそう言うと、三人は最初驚きを見せましたが首を縦に振りました。
『そうだったのね。なら、言葉より実践だわ。大丈夫。私達がクリスを守るし、クリスの魔力なら何の問題もないわ!』
『ええ、そうね。もし不安なら私達の妖精の祝福をクリスに使うから』
『クリス…私達も一緒ですぅ。でも、怖いなら無理しないでねぇ…』
三人はそう言って、私の手を握ってくれました。
優しい風が頬を撫でて、なんだかほっとします。
私を心配しながらも、確信を持ってそう言ってくれたこの三人が一緒にいてくれるなら、大丈夫だと思いました。
「ありがとう、頑張るね!」
三人と手を繋いだまま、その魔剣が鎮座する部屋へと足を踏み入れました。
それから、その布団をたたんで横に避けておきました。寮の備品かもしれないからね。
いつの間にか気持ち悪さがなくなっていたので、くらくらしていた頭もすっきりしていました。
話が聴ける体勢になると、三人のうちの一人が進み出て頭を下げました。
『いきなり気絶させて連れ出したのは謝るわ。ごめんなさい』
「うん。すごくびっくりしたけど…何か理由があるってことなんだよね?」
『ええ、そうなの。あ。自己紹介がまだだったわね。私は風の妖精ロジーよ』
ツインテールの妖精さんロジーちゃんが挨拶をすると、続けてストレート髪の妖精さんが自己紹介をします。
『私も風の妖精のシアラ。で、こっちの背中に隠れているのはミュー。彼女も風の妖精よ』
『よ、よろしくですぅ…』
一度に三人の風の妖精さんに出会ってしまいました。
フェルーテちゃん以外の妖精さんを見るのは初めてなので、いろいろ訊きたいけど今は我慢です。
「私は海組二年生のクリスだよ。よろしくね」
手を差し出すと、三人は私の指に手を触れてくれました。
すると、三人からさわやかな風を感じて、これが彼女達の挨拶なんだなと思いました。
『早速で悪いんだけど、あれを見てくれる?』
ロジーちゃんがひらりと飛んで行った方に目を向けると扉が見えました。
武器庫には何度か入ったことはありますが、あんな奥の方までは目を向けたことがありませんでした。
近くまで行ってみると、扉は棚と棚の間の暗がりにひっそりとあって、言われなければ気づかないところにありました。
「この扉がどうしたの?」
『この扉の向こうに私達が護ってる剣があるんだけど、それを封じる手伝いをしてほしいの』
「剣…?封じる?」
この武器庫の奥に部屋があることにも驚きましたが、妖精が護る剣って…一体どういうものなのでしょうか?
ロジーちゃんの話によると、ロジーちゃん達はこの扉の向こうにある剣に祝福を与えて、誰にも知られないように護っていたそうです。
ところが最近、剣を封じていた鞘が壊れてしまい、禍々しい黒い靄が溢れてロジーちゃん達の祝福が解かれてしまったのだとか。
今はロジーちゃん達の祝福の力でこの扉の向こうまでで済んでいますが、このままだとその黒い靄が外に出てしまうというのです。
『あの剣は普通の剣じゃない。人の憎悪を吸い過ぎて魔剣になってしまったのよ』
シアラちゃんが淡々と剣について教えてくれました。
ええええええっ!!?なんでそんな怖い剣が寮の武器庫なんかにあるんですか!?
それに、黒い靄って…。
フェルーテちゃんを深い眠りに落としたゼロの顔が頭を過ります。
言葉を失っていると、さらにミューちゃんが補足をしました。
『私達は妖精の祝福でずっと長い間あの魔剣の憎悪を少しずつ浄化していたんですぅ。でも、数ヵ月前にその魔剣を封じていた鞘が突然壊れて、私達の力じゃ抑えきれなくなったのですぅ…』
「じゃあ、その鞘を直せば封じることができるんだね?」
鞘さえあれば、剣を封じてその黒い靄をどうにかできる…のですよね?
そう思って口にした言葉でしたが、ロジーちゃんがあっさりそれを否定しました。
『それは無理だわ。あの鞘は魔導具で、作った本人にしか作り方がわからないものらしいの。その本人はもう何百年も前に亡くなってるから、同じものを作るのは不可能だわ』
待って。それは、どうにもならないんじゃないかな!?
この鞘を作った人が何百年も前に亡くなっているってことは、この魔剣もそれほど昔から存在していて、長い年月をかけてロジーちゃん達が浄化をし続けているということになります。
これは思った以上に難題かもしれないです。
新しい鞘を作るのが一番いいのだろうけど、私は魔導具師じゃないし、魔剣についても知らないことだらけです。
これは先生やフォルト達に助けを求める方がいいかもしれない。
あれ?でも、どうしてロジーちゃん達は私を連れてきたんだろう?
他の妖精さんを呼ぶとか、もっといい考えや方法などを知っている人が他にいるかもしれないのに…。
そのまま疑問を言ってみると、ロジーちゃんが大きなため息をつきながら答えてくれました。
『私達は黒い靄を抑えるために剣の傍を離れられないから、他の妖精の所まで助けを求めに行くことができなくて。人間は私達のこと全然見えてないし、どうしようって思ってたところにあなたを見つけたの』
「見つけたの」って言われても、私に何とかできるようなレベルの話ではない気がするのですが!?
頭を抱えていると、ミューちゃんが私の頭を撫でてきました。
『本当は巻き込みたくなかったですぅ…。ごめんねぇ』
そう言ったミューちゃんの目には涙が溜まっていて、今にも零れそうでした。
ふと、彼女の背中の羽根を見ると、ところどころ黒く変色しているのが見えました。
ロジーちゃんとシアラちゃんのもよく見ると黒ずんでいるのがわかります。
フェルーテちゃんと同じだ…。
あの時の光景が私の中に蘇ります。
何もできなかった自分が悔しくて悔しくて、だけどそれを言う資格がないほどに私は何も持っていなかった。
その時の気持ちを思い出せば、無意識に手を握りしめてしまいます。
『ごめんなさい。やっぱり怖いわよね?』
『…嫌なら断ってくれてもいいから』
手を握りしめた私を震えていると思ったのか、ロジーちゃんとシアラちゃんが優しく手を撫でてくれました。
それにはっとして二人を見つめます。
そのどこか苦しそうに笑う顔は、あの時のクロードお兄ちゃんとエレナさんの顔と重なります。
このまま「できない」と断ってもいいの?
三人の黒ずんだ羽根をもう一度見て、頭を振りました。
「ううん。私にできることがあるならやらせて?無理だったら私よりももっとすごい人達を呼んでくるから!」
その言葉に、三人の妖精達は声を上げて喜んでくれました。
何もできなかったとしても、ここは海組だ。先生達やルルーシア先輩に説明して何とかしてもらえるかもしれない。
それに、今はここにいないけどフォルトやシーニー、ルミナさんだっている。
うん、きっと大丈夫!
「それで、剣を封じるために私は何をすればいいの?」
『扉の向こうに行って、剣に触ってほしいの』
「それだけでいいの?」
力んでいた肩を落とします。
もっと難しいことを言われると思って身構えていましたが、そこまで難しくなさそうです。
あ、でも黒い靄があるから、そう簡単なことではないかもしれません。
ロジーちゃんは私の言葉に肯定するように静かに頷いて、シアラちゃんとミューちゃんに目を向けました。
そしてまた私に視線を戻すと、真剣な目でまた言いました。
『クリスが剣に触れた後、私達が妖精の祝福をもう一度かけるわ』
「え?本当に剣に触るだけでいいの?」
さっきと同じロジーちゃんの言葉に今度は困惑してしまいます。
魔剣は三人の妖精の祝福が効かないほどの憎悪を黒い靄にしている。
それを妖精でも何でもない人間の私が触るだけで、変化があるのでしょうか?
そう思ってそのまま訊いたのですが、三人に呆然とした顔をされました。
ロジーちゃんが心底驚いたように見つめてきます。
『もう、何言ってるの?それがクリスの力なのでしょう?』
「え?」
『え??』
三人の妖精と一緒に首を傾げます。
『黒い靄が無くなれば、あとは私達の妖精の祝福で封じることができるわ。クリスの魔力はそういうものだと思ったのだけど?』
私が首を傾げるばかりなので、ロジーちゃんが困った顔でそう言いました。
私の魔力はそういうもの?
「えと…ごめんね、私、まだ自分の魔力がまだどういうものかわからなくて…」
いつもの私なら、もっと考えて何か答えを出せたかもしれませんが、魔剣という大きなものに意識を集中しすぎてあいまいな答えしか返せませんでした。
申し訳なく思いながらそう言うと、三人は最初驚きを見せましたが首を縦に振りました。
『そうだったのね。なら、言葉より実践だわ。大丈夫。私達がクリスを守るし、クリスの魔力なら何の問題もないわ!』
『ええ、そうね。もし不安なら私達の妖精の祝福をクリスに使うから』
『クリス…私達も一緒ですぅ。でも、怖いなら無理しないでねぇ…』
三人はそう言って、私の手を握ってくれました。
優しい風が頬を撫でて、なんだかほっとします。
私を心配しながらも、確信を持ってそう言ってくれたこの三人が一緒にいてくれるなら、大丈夫だと思いました。
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