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第2章 ◆ 見えるものと見えないものと
14. 不思議な部屋②
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部屋の中は薄暗く、どろりとしたような重い空気が漂っていました。
シアラちゃんがどこからか明かりを持ってきてくれて、視界を照らしてくれます。
思った以上に広いこの部屋はとても静かで、見渡してみると物が何も置かれていませんでした。
何もない、だけど何かがいるような気配。心持ち、息がしづらい。
少し進んでいくと、黒い靄が視界に広がって纏わりつき始めます。
魔剣がある場所に近づくほど黒い靄は濃くなっていきました。
どうしてだろう?
ゼロに会った時よりも気持ち悪くないかもしれない。
フォルトと契約をしたおかげかな?
それとも、魔法経験のおかげ?
それか、この黒い靄はゼロのものとは違うものなのかな?
纏わりつく黒い靄を腕で払いながら、ゼロの黒い靄と見比べてみます。
見た目は同じだけど、ゼロの方が実体に近かったかもしれない。
そんなことを考えていると、少し前を飛んでいたロジーちゃんが私の方に振り返ります。
『クリス、大丈夫?苦しくない?』
「うん。思ったよりも平気だよ」
私の袖を掴んでいたミューちゃんがコロコロと笑いました。
『ふふふ。きっと、従属しているエルフの加護のおかげですねぇ~』
「え?」
従属しているエルフ…?
身に覚えのない言葉に思わず足を止めると、明かりを持って先に行っていたシアラちゃんが声を上げました。
その悲鳴のような声を聞いて、ロジーちゃんが慌ててシアラちゃんの方へ飛んでいきます。
『どうしたのシアラ!?あっ!!』
私もミューちゃんと後を追ってみると、さっきよりも濃い靄に息が詰まりそうになりました。
それでも二人の姿を靄を払いながら探すと、黒い剣の形をした何かが床に刺さっているのを目にしました。
それは、形は剣だけど、ところどころがどろりと溶け出しているようでした。
あれが、魔剣…?
『もう剣の形を保てなくなってる…このままだと…の、…まが生まれて、しま…』
そう言って、剣であろうものを見つめながらカタカタと震えるシアラちゃん。
最後の方はうまく聞き取れませんでしたが、この剣の状態がよくないものだということはシアラちゃんの様子から見てわかります。
シアラちゃんが手に持っていた明かりがガチャンと床に落ちると、その光を一気に黒い靄が飲み込んでしまいました。
音も視界も飲み込まれて、何も感じることができなくなります。
光が消えた空間で、不安が一気に襲ってきました。
「ロジーちゃん、シアラちゃん…近くにいる?傍に来て」
近くにいるはずのロジーちゃんとシアラちゃんに声をかけますが、返事がありません。
私の服を掴んでいたはずのミューちゃんの気配も無くなって、ひとりぼっちになった感覚になりました。
黒い靄は濃くなり続けているようで、ますます息が苦しくなってきます。
目にどろりとした暗闇が映り、それがひどく身を震わせました。
ひとりぼっち…
独りぼっち……
――――― 私はずっと暗闇の中、独りぼっちだ。
ぼんやりとした頭の中で、私ではない誰かがそう呟いたような気がしました。
その時、自分の胸元が淡く光っているのに気がつきました。
慌てて胸元から取り出したのは、アメジストさんが作ってくれたペンダント。
私の目と似た色の蝶の羽根がキラキラと輝いていました。
「魔法の石が光ってるの…?」
「サルース」と呟いて魔法の石を取り出すと、虹色に輝いていました。
それはいつもの淡い光ではなく、私の周りを照らすほど。それなのに眩しいとは感じない、不思議な光でした。
輝く魔法の石は私の不安や恐怖を吸い取ってくれているようでした。
強張っていた体から少しずつ力が抜けて、ほっとします。
黒い靄も薄くなってきているような気がしました。
「大丈夫。ロジーちゃん達が信じてくれたんだから。私もロジーちゃん達を信じる」
そう言って、ぎゅっと魔法の石を握ると、光が一回り大きくなりました。
光の外側を見てみると黒い靄はただ漂うだけで、この光の中には入って来れないようです。
これなら、怖くない。
「三人を見つけなくちゃ」
あの魔剣の憎悪を何とかできるかはわからないけど、ロジーちゃん達がいなければ妖精の祝福をかけることはできないのです。
辺りを見回しながら三人を探しますが、声も気配も感じません。
それに、今ここは本当にさっきまでいた部屋なのでしょうか?
黒い靄が濃く立ち込めるこの場所は、どこか異次元なような感じがしました。
しばらく声を上げながら三人を探しましたが、誰からも何の反応も返ってきませんでした。
「…どうしよう」
これ以上はもうどうにもならないと思った時、ふと足元の床に視線を落としました。
そこには床を張り巡らすかのような蔦の模様がありました。
魔法の石に呼応するように、それは淡く虹色に光っています。
「この模様…どこかで…」
膝を着いて模様をよく見ると、校外学習でレポートに書いた、古代遺跡の白い壁に描かれていたあの蔦の模様に似ていました。
そうだ、この部屋の雰囲気、あの遺跡に似てる。
吸い寄せられるように蔦の模様に触れてみると、指先から何かが流れ込んでくる感覚がしました。
それは私の中でどんどん大きくなって、体が温かいものに満たされます。
でも、すぐにその感覚が無くなって、蔦の模様も輝きを失ってしまいました。
今の、何だったんだろう?
なんだか懐かしい感じがしたような…?
ぼんやりと自分の手を見つめていましたが、今はそれどころではないことを思い出します。
思考を切り替えるために頭を振って、自分の頬を叩きました。
「と、とにかくロジーちゃん達を…」
何気なく振り返ったその時。
私を取り囲む光に一つの闇がひたりと入ってきました。
どろりとしたそれは、体とでも言うのでしょうか。
それには足も手もあって、そして頭がありました。
その頭と目が合った瞬間、とても恐ろしいものに出会ったと、遅れて実感しました。
「…っひ」
恐ろしさで息ができない。
目の前の存在は、まさしく闇そのもの。
そう、ゼロの目と同じ、あの黒く何も映さない、すべてを飲み込んでしまうような。
その闇は、どろりとした闇を纏う足で一歩一歩近づいてきます。
それから逃げたいのに、私の足は一歩も動けません。
怖い、怖いよ。フォルト…。
フォルト、助けて…!
ここにいない親友を声にならない言葉で呼び続けます。
魔法会話を使っているはずなのに、フォルトからは何の反応も返ってきませんでした。
底無しの闇が私に手を伸ばしてきたのを見て、思わずもう一人の親友の名を叫びました。
「っリィちゃん…!!」
目を閉じてそう叫んだ言葉は、彼女に届くはずがありません。
リィちゃんはこことは違う場所にいるんだから。
そう、思っていたのに。
「大丈夫よ。クリスちゃん」
優しい声が耳に届きました。
そして、ふわりと誰かに頭を優しく撫でられます。
この声を知っている。この優しい手も知っている。
目を開いて見上げてみると、そこには届くはずがないと思って呼んだ親友が立っていました。
あまりにも現実的じゃない状況に言葉が出ません。
夢でも見ているのでしょうか?
だって、リィちゃんがいる…。
これは本物?
黒い闇が見せている幻?
信じられない気持ちで、恐る恐る目の前の親友に触れてみました。
「リィ…ちゃん…?」
「ええ、そうよ。クリスちゃんが召喚してくれたから、飛んで来たのよ」
握り返してくれる温かい手と優しい微笑み。
最後に会った日から少し伸びたふわふわの薄いストロベリーピンクの髪と新緑を思わせる緑の目。
それは私の大好きな親友が持つ色。
目の前にいたのは、本物のリィちゃんでした。
「全く、フォルトはどこで何をしているのかしら?クリスちゃんをこんなところに一人にさせて!」
拳を腰に当ててぷんぷんと怒る親友は、ここにいないもう一人の親友に向かって怒っています。
その顔も久しぶりに見ることができて、思わず笑ってしまいました。
私を中心にしていた魔法の石の光は、リィちゃんが加わって、気のせいでしょうか、緑色の光が強くなった気がしました。
「さあ、クリスちゃん。呼ばれたからには協力するわ。どうすればいいかしら?」
そのリィちゃんの頼もしい言葉に、私の心にあった恐怖は吹っ飛んでしまいました。
気がつくと、さっきまで私に手を伸ばしていたはずの黒い闇は、いつの間にか消えていました。
シアラちゃんがどこからか明かりを持ってきてくれて、視界を照らしてくれます。
思った以上に広いこの部屋はとても静かで、見渡してみると物が何も置かれていませんでした。
何もない、だけど何かがいるような気配。心持ち、息がしづらい。
少し進んでいくと、黒い靄が視界に広がって纏わりつき始めます。
魔剣がある場所に近づくほど黒い靄は濃くなっていきました。
どうしてだろう?
ゼロに会った時よりも気持ち悪くないかもしれない。
フォルトと契約をしたおかげかな?
それとも、魔法経験のおかげ?
それか、この黒い靄はゼロのものとは違うものなのかな?
纏わりつく黒い靄を腕で払いながら、ゼロの黒い靄と見比べてみます。
見た目は同じだけど、ゼロの方が実体に近かったかもしれない。
そんなことを考えていると、少し前を飛んでいたロジーちゃんが私の方に振り返ります。
『クリス、大丈夫?苦しくない?』
「うん。思ったよりも平気だよ」
私の袖を掴んでいたミューちゃんがコロコロと笑いました。
『ふふふ。きっと、従属しているエルフの加護のおかげですねぇ~』
「え?」
従属しているエルフ…?
身に覚えのない言葉に思わず足を止めると、明かりを持って先に行っていたシアラちゃんが声を上げました。
その悲鳴のような声を聞いて、ロジーちゃんが慌ててシアラちゃんの方へ飛んでいきます。
『どうしたのシアラ!?あっ!!』
私もミューちゃんと後を追ってみると、さっきよりも濃い靄に息が詰まりそうになりました。
それでも二人の姿を靄を払いながら探すと、黒い剣の形をした何かが床に刺さっているのを目にしました。
それは、形は剣だけど、ところどころがどろりと溶け出しているようでした。
あれが、魔剣…?
『もう剣の形を保てなくなってる…このままだと…の、…まが生まれて、しま…』
そう言って、剣であろうものを見つめながらカタカタと震えるシアラちゃん。
最後の方はうまく聞き取れませんでしたが、この剣の状態がよくないものだということはシアラちゃんの様子から見てわかります。
シアラちゃんが手に持っていた明かりがガチャンと床に落ちると、その光を一気に黒い靄が飲み込んでしまいました。
音も視界も飲み込まれて、何も感じることができなくなります。
光が消えた空間で、不安が一気に襲ってきました。
「ロジーちゃん、シアラちゃん…近くにいる?傍に来て」
近くにいるはずのロジーちゃんとシアラちゃんに声をかけますが、返事がありません。
私の服を掴んでいたはずのミューちゃんの気配も無くなって、ひとりぼっちになった感覚になりました。
黒い靄は濃くなり続けているようで、ますます息が苦しくなってきます。
目にどろりとした暗闇が映り、それがひどく身を震わせました。
ひとりぼっち…
独りぼっち……
――――― 私はずっと暗闇の中、独りぼっちだ。
ぼんやりとした頭の中で、私ではない誰かがそう呟いたような気がしました。
その時、自分の胸元が淡く光っているのに気がつきました。
慌てて胸元から取り出したのは、アメジストさんが作ってくれたペンダント。
私の目と似た色の蝶の羽根がキラキラと輝いていました。
「魔法の石が光ってるの…?」
「サルース」と呟いて魔法の石を取り出すと、虹色に輝いていました。
それはいつもの淡い光ではなく、私の周りを照らすほど。それなのに眩しいとは感じない、不思議な光でした。
輝く魔法の石は私の不安や恐怖を吸い取ってくれているようでした。
強張っていた体から少しずつ力が抜けて、ほっとします。
黒い靄も薄くなってきているような気がしました。
「大丈夫。ロジーちゃん達が信じてくれたんだから。私もロジーちゃん達を信じる」
そう言って、ぎゅっと魔法の石を握ると、光が一回り大きくなりました。
光の外側を見てみると黒い靄はただ漂うだけで、この光の中には入って来れないようです。
これなら、怖くない。
「三人を見つけなくちゃ」
あの魔剣の憎悪を何とかできるかはわからないけど、ロジーちゃん達がいなければ妖精の祝福をかけることはできないのです。
辺りを見回しながら三人を探しますが、声も気配も感じません。
それに、今ここは本当にさっきまでいた部屋なのでしょうか?
黒い靄が濃く立ち込めるこの場所は、どこか異次元なような感じがしました。
しばらく声を上げながら三人を探しましたが、誰からも何の反応も返ってきませんでした。
「…どうしよう」
これ以上はもうどうにもならないと思った時、ふと足元の床に視線を落としました。
そこには床を張り巡らすかのような蔦の模様がありました。
魔法の石に呼応するように、それは淡く虹色に光っています。
「この模様…どこかで…」
膝を着いて模様をよく見ると、校外学習でレポートに書いた、古代遺跡の白い壁に描かれていたあの蔦の模様に似ていました。
そうだ、この部屋の雰囲気、あの遺跡に似てる。
吸い寄せられるように蔦の模様に触れてみると、指先から何かが流れ込んでくる感覚がしました。
それは私の中でどんどん大きくなって、体が温かいものに満たされます。
でも、すぐにその感覚が無くなって、蔦の模様も輝きを失ってしまいました。
今の、何だったんだろう?
なんだか懐かしい感じがしたような…?
ぼんやりと自分の手を見つめていましたが、今はそれどころではないことを思い出します。
思考を切り替えるために頭を振って、自分の頬を叩きました。
「と、とにかくロジーちゃん達を…」
何気なく振り返ったその時。
私を取り囲む光に一つの闇がひたりと入ってきました。
どろりとしたそれは、体とでも言うのでしょうか。
それには足も手もあって、そして頭がありました。
その頭と目が合った瞬間、とても恐ろしいものに出会ったと、遅れて実感しました。
「…っひ」
恐ろしさで息ができない。
目の前の存在は、まさしく闇そのもの。
そう、ゼロの目と同じ、あの黒く何も映さない、すべてを飲み込んでしまうような。
その闇は、どろりとした闇を纏う足で一歩一歩近づいてきます。
それから逃げたいのに、私の足は一歩も動けません。
怖い、怖いよ。フォルト…。
フォルト、助けて…!
ここにいない親友を声にならない言葉で呼び続けます。
魔法会話を使っているはずなのに、フォルトからは何の反応も返ってきませんでした。
底無しの闇が私に手を伸ばしてきたのを見て、思わずもう一人の親友の名を叫びました。
「っリィちゃん…!!」
目を閉じてそう叫んだ言葉は、彼女に届くはずがありません。
リィちゃんはこことは違う場所にいるんだから。
そう、思っていたのに。
「大丈夫よ。クリスちゃん」
優しい声が耳に届きました。
そして、ふわりと誰かに頭を優しく撫でられます。
この声を知っている。この優しい手も知っている。
目を開いて見上げてみると、そこには届くはずがないと思って呼んだ親友が立っていました。
あまりにも現実的じゃない状況に言葉が出ません。
夢でも見ているのでしょうか?
だって、リィちゃんがいる…。
これは本物?
黒い闇が見せている幻?
信じられない気持ちで、恐る恐る目の前の親友に触れてみました。
「リィ…ちゃん…?」
「ええ、そうよ。クリスちゃんが召喚してくれたから、飛んで来たのよ」
握り返してくれる温かい手と優しい微笑み。
最後に会った日から少し伸びたふわふわの薄いストロベリーピンクの髪と新緑を思わせる緑の目。
それは私の大好きな親友が持つ色。
目の前にいたのは、本物のリィちゃんでした。
「全く、フォルトはどこで何をしているのかしら?クリスちゃんをこんなところに一人にさせて!」
拳を腰に当ててぷんぷんと怒る親友は、ここにいないもう一人の親友に向かって怒っています。
その顔も久しぶりに見ることができて、思わず笑ってしまいました。
私を中心にしていた魔法の石の光は、リィちゃんが加わって、気のせいでしょうか、緑色の光が強くなった気がしました。
「さあ、クリスちゃん。呼ばれたからには協力するわ。どうすればいいかしら?」
そのリィちゃんの頼もしい言葉に、私の心にあった恐怖は吹っ飛んでしまいました。
気がつくと、さっきまで私に手を伸ばしていたはずの黒い闇は、いつの間にか消えていました。
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