6 / 87
第1章 ◆ はじまりと出会いと
6. おでかけ②
しおりを挟む
リィちゃんの買い物も終わって、今、猫町通りの喫茶店「妖精のかまど」でお昼ご飯を食べています。
三人で分けて食べる、バジルとベーコンの大きなグラタンパイはとってもおいしいです!
ここはパイ専門店ですが、キッシュやピザも出してくれます。
そして、ここでもレガロお兄ちゃんの有名人っぷりはすごくて、店員さんやお客さんがチラチラとこっちを見ています。
「リィちゃんは何を買ったの?」
「ふふふ、秘密よ」
「え~~」
ずいぶん熱心に選んでいたから、とても気になりましたが、秘密と言われてしまえば仕方ないです。
グラタンパイをもう一切れ小皿に乗せて、ちょっといじけたようにぷすぷすフォークで刺していると、レガロお兄ちゃんが「こら」という目で見てきます。
リィちゃんは、くすくす笑いながら訊いてきました。
「クリスちゃんは何か買わないの?」
「う~ん。特に欲しいものがないんだよね」
「そうなの?」
ぱちくりとリィちゃんの目が見開きます。
レガロお兄ちゃんはちょっとだけ眉が上がりました。
だって、こんなにいろんなものが見れて、それだけで幸せって思っちゃったから。
お店を回るだけでおなかいっぱいになってしまいました。
「クリスは何も欲しがらないから困ります」
そう言ったレガロお兄ちゃんの顔は、さっき雑貨屋さんで見たあの変な顔でした。
「クリスが楽しければ、僕も楽しいと言ったでしょう?こんな時くらい素直に甘えてください」
その言葉に、どうしてレガロお兄ちゃんが変な顔をしていたのか気がつきました。
そっか、そうでした。
私は、気づかないうちに気を遣っていたんですね。
いけない、いけない。
あの日、お父さん、お母さん、お兄ちゃん達と約束したのに。
「うんっ、そうだね!私、宝物を入れるポーチが欲しいな!」
満面の笑みで、お兄ちゃんに答えます。
レガロお兄ちゃんは、きれいに微笑んで「もちろん。買ってあげますよ」と言ってくれました。
隣で私達のやり取りを見ていたリィちゃんは、レガロお兄ちゃんの微笑みにくらくらしていました。隣のテーブルのお客さん達も。
そうこうして、グラタンパイを食べ終えて、雑貨屋さん巡りを再開しました。
今度は花風通りの雑貨屋さんです。
花風通りの雑貨屋さんは、かわいいお店が多い通りでした。
ドールハウス専門店やぬいぐるみ屋さん、積木屋さん、絵本屋さんなど、本当にかわいいものばかりです。
「お兄ちゃん!あのお店、あのお店に入りたい!」
ぐいぐいとレガロお兄ちゃんの手を引っ張って、お店を指差します。
リィちゃんも微笑みながら後ろからついてきます。
お店に入ってみると、なんと、店員さんは美人なエルフさんでした!
きれいな金髪に青い瞳は、まるで童話に出てくる女神様のようです。
金髪から覗く長い耳には、きれいなピアスが何個も着けられています。
「いらっしゃいませ。あら…」
店員さんはリィちゃんの顔を見て少しびっくりしていました。
あれ?またレガロお兄ちゃんの彼女って思われたのかな?
一番にお店に入った私が首をかしげていると、エルフのお姉さんは微笑んでお辞儀をしました。
「失礼しました。見ての通り、ここはエルフの店です。魔法のアクセサリーや小物入れ、文房具を取り扱っています。ゆっくり見ていってくださいね」
「ありがとうございます」
お礼を言って、お店の中を見まわります。
魔法のアクセサリーって言っていたけど、見た目は普通のアクセサリーと変わらないものでした。
何が違うんだろう?
あ。よく見ると、キラキラしているような…。
ちょっと気になって値札を見ると、倒れそうになりました。
私のお小遣い一年分の千倍です。
チェリーパイが六千個買えちゃいます。
レガロお兄ちゃんは、「それが欲しいのですか?」と言ってきましたが、とんでもないです!
こんな高いもの、私にはもったいない!絶対着けれません!
首を振って全否定します。
そこへ、さっきの店員さんが傍に来ました。
「ふふ、お嬢さんには、そのアクセサリーはまだ少し早いですね。それは大切な人のために贈るアクセサリーです。贈った相手が危険に陥った時、一度だけ護ってくれるお守りなんですよ」
そう言った店員さんの胸元にも、魔法のアクセサリーらしきネックレスが。
「そうなんですね。きっと、これを贈る人は心も一緒に贈っているんですね!」
それはとても素敵なこと。
想う心が魔法のアクセサリーの「意志」となって、その人を守ってくれるんですね。
私は、ポケットの「魔法の石」をそっと握りました。
「魔法の石」は、ただのきれいな石。でも、私にとってはそうじゃない。
大事な宝物で、この魔法のアクセサリーのように、アンジェさんが私に贈ってくれたお守りです。
店員さんは私を見て、まるでお母さんのような優しい眼差しで笑ってくれました。
美人さんの笑顔は、きれいすぎてドキドキします。
ううっ、私今、絶対顔が赤いです。
いつの間にかリィちゃんも私の隣に来ていて、店員さんと同じように微笑んでいました。
二人の笑顔に挟まれてアワアワしていると、ふと、近くにあったポーチが目に留まりました。
それは、「魔法の石」がちょうど入るくらいの大きさで、色にも惹かれました。
上品な黒の布地に赤と紫の蝶の刺繍がされていて、まるでアンジェさんみたいだと思ったからです。
「このポーチは、魔法のアクセサリーを入れるポーチなんですよ。このポーチにも少しだけ魔法が込めてあって、中に入っている大事なものを守ってくれます」
じっとポーチを見つめていたので、店員さんが気がついて説明してくれました。
それを聞いて手に取ってみれば、黒地だと思っていた布は星空のようにキラキラと細かいラメが入っていて、とっても好みでした。
大事なものを守ってくれる…まるで宝箱です!
「お兄ちゃん!私、これが欲しいです!」
勢いよくレガロお兄ちゃんの方を向いてお願いします。
レガロお兄ちゃんは、笑って頷いてくれました。
は!ね、値段大丈夫かな!?
私の不安に気がついたのか、店員さんは笑って言いました。
笑うと言っても、かわいい小動物に向けるような笑顔です。
ありがとうございます。
「普通のポーチよりも少しお値段が高いくらいですよ」
その言葉にほっとしました。
ポーチをレガロお兄ちゃんに買ってもらって、店を出ます。
ポーチを手にスキップしてしまうのは許してほしいです。
だって、アンジェさんのようなポーチに出会えるなんて思ってなかったから!
帰ったら「魔法の石」を磨いて、このポーチに入れてあげよう!
レガロお兄ちゃんもリィちゃんも、スキップする私を見てうれしそうに笑っています。
「ふふふ、よかったわね、クリスちゃん」
「うんっ!とっても気に入ったよ!お兄ちゃん、ありがとう!」
「クリスが喜んでくれたなら、何よりです」
私達はまた手を繋いで、雑貨屋さん巡りを楽しみました。
それから、クロードお兄ちゃんへのお土産を買うために、何軒かお店を回りました。
いろいろ迷ったけど、剣の鞘留めに付けられるおしゃれな装飾具を買いました。
クロードお兄ちゃんにぴったりなお土産だと思います!
一通りお店を回ると空は重い雲で覆われていました。
私と同じように空を見ていたレガロお兄ちゃんが言いました。
「今日はこのあたりで帰りましょうか。雨も降りそうですし」
帰るには少し早いけど、濡れて帰るのも嫌なので、私達は帰ることにしました。
花風通りを抜けて少し歩けば、馬車の停留所が見えてきます。
いつも乗り降りしているグランツ学園近くの停留所とは反対側にある停留所です。
「クリス、あの停留所から乗りましょう。あの停留所から出る馬車は、止まらずに村へ帰れますから」
レガロお兄ちゃんはそう言って、停留所の時刻表を見に行きました。
私はリィちゃんと停留所のベンチに座って、馬車が来るまでおしゃべりすることにしました。
「クリスちゃん、これ」
「なあに?」
リィちゃんは小さな包みを私にくれました。この包みは、リィちゃんが熱心に選んでいたあの雑貨屋さんのものです。
首を傾げてリィちゃんの方を見ると、「開けてみて」と言われたので、開けてみました。
その包みには、かわいいお花がついた髪ゴムが2つ入っていました。
「クリスちゃんにプレゼント」
「えっ!?」
びっくりして、リィちゃんを見つめます。
リィちゃんは私の顔を見て、いたずらが成功したような顔で笑っていました。
喫茶店で秘密と言っていたものが、実はプレゼントだったなんて。
びっくりしすぎて言葉が出ません。
「いつも頑張ってるクリスちゃんに。お守りとまではいかないけど、クリスちゃんがいつも笑顔でいられるように」
「リィちゃん…」
うれしい。うれしいです。
包みの中の髪ゴムを見つめながら、なんだか涙が出そうになりました。
友達からのプレゼントって、こんなにもうれしいものなんですね。
「ありがとう、リィちゃん!大事に、大事にするね!」
リィちゃんは微笑んで、この髪ゴムで髪を結んでくれました。
そんな私達の様子をレガロお兄ちゃんは優しく見守っていました。
しばらくすると馬車が来ました。
リィちゃんと別れて馬車に乗り込むと、レガロお兄ちゃんが私の頭のなでてきました。
レガロお兄ちゃんが私を甘やかす時の合図です。
「今日は楽しかったですか?」
「うんっ!とっても!」
頭をなでられて、揺れるお花の髪ゴムにまた笑顔になります。
今日は、とっても楽しくて幸せな日でした。
リィちゃんとレガロお兄ちゃんの笑顔とプレゼントで、明日もまた頑張ろうって、元気ももらえました。
三人で分けて食べる、バジルとベーコンの大きなグラタンパイはとってもおいしいです!
ここはパイ専門店ですが、キッシュやピザも出してくれます。
そして、ここでもレガロお兄ちゃんの有名人っぷりはすごくて、店員さんやお客さんがチラチラとこっちを見ています。
「リィちゃんは何を買ったの?」
「ふふふ、秘密よ」
「え~~」
ずいぶん熱心に選んでいたから、とても気になりましたが、秘密と言われてしまえば仕方ないです。
グラタンパイをもう一切れ小皿に乗せて、ちょっといじけたようにぷすぷすフォークで刺していると、レガロお兄ちゃんが「こら」という目で見てきます。
リィちゃんは、くすくす笑いながら訊いてきました。
「クリスちゃんは何か買わないの?」
「う~ん。特に欲しいものがないんだよね」
「そうなの?」
ぱちくりとリィちゃんの目が見開きます。
レガロお兄ちゃんはちょっとだけ眉が上がりました。
だって、こんなにいろんなものが見れて、それだけで幸せって思っちゃったから。
お店を回るだけでおなかいっぱいになってしまいました。
「クリスは何も欲しがらないから困ります」
そう言ったレガロお兄ちゃんの顔は、さっき雑貨屋さんで見たあの変な顔でした。
「クリスが楽しければ、僕も楽しいと言ったでしょう?こんな時くらい素直に甘えてください」
その言葉に、どうしてレガロお兄ちゃんが変な顔をしていたのか気がつきました。
そっか、そうでした。
私は、気づかないうちに気を遣っていたんですね。
いけない、いけない。
あの日、お父さん、お母さん、お兄ちゃん達と約束したのに。
「うんっ、そうだね!私、宝物を入れるポーチが欲しいな!」
満面の笑みで、お兄ちゃんに答えます。
レガロお兄ちゃんは、きれいに微笑んで「もちろん。買ってあげますよ」と言ってくれました。
隣で私達のやり取りを見ていたリィちゃんは、レガロお兄ちゃんの微笑みにくらくらしていました。隣のテーブルのお客さん達も。
そうこうして、グラタンパイを食べ終えて、雑貨屋さん巡りを再開しました。
今度は花風通りの雑貨屋さんです。
花風通りの雑貨屋さんは、かわいいお店が多い通りでした。
ドールハウス専門店やぬいぐるみ屋さん、積木屋さん、絵本屋さんなど、本当にかわいいものばかりです。
「お兄ちゃん!あのお店、あのお店に入りたい!」
ぐいぐいとレガロお兄ちゃんの手を引っ張って、お店を指差します。
リィちゃんも微笑みながら後ろからついてきます。
お店に入ってみると、なんと、店員さんは美人なエルフさんでした!
きれいな金髪に青い瞳は、まるで童話に出てくる女神様のようです。
金髪から覗く長い耳には、きれいなピアスが何個も着けられています。
「いらっしゃいませ。あら…」
店員さんはリィちゃんの顔を見て少しびっくりしていました。
あれ?またレガロお兄ちゃんの彼女って思われたのかな?
一番にお店に入った私が首をかしげていると、エルフのお姉さんは微笑んでお辞儀をしました。
「失礼しました。見ての通り、ここはエルフの店です。魔法のアクセサリーや小物入れ、文房具を取り扱っています。ゆっくり見ていってくださいね」
「ありがとうございます」
お礼を言って、お店の中を見まわります。
魔法のアクセサリーって言っていたけど、見た目は普通のアクセサリーと変わらないものでした。
何が違うんだろう?
あ。よく見ると、キラキラしているような…。
ちょっと気になって値札を見ると、倒れそうになりました。
私のお小遣い一年分の千倍です。
チェリーパイが六千個買えちゃいます。
レガロお兄ちゃんは、「それが欲しいのですか?」と言ってきましたが、とんでもないです!
こんな高いもの、私にはもったいない!絶対着けれません!
首を振って全否定します。
そこへ、さっきの店員さんが傍に来ました。
「ふふ、お嬢さんには、そのアクセサリーはまだ少し早いですね。それは大切な人のために贈るアクセサリーです。贈った相手が危険に陥った時、一度だけ護ってくれるお守りなんですよ」
そう言った店員さんの胸元にも、魔法のアクセサリーらしきネックレスが。
「そうなんですね。きっと、これを贈る人は心も一緒に贈っているんですね!」
それはとても素敵なこと。
想う心が魔法のアクセサリーの「意志」となって、その人を守ってくれるんですね。
私は、ポケットの「魔法の石」をそっと握りました。
「魔法の石」は、ただのきれいな石。でも、私にとってはそうじゃない。
大事な宝物で、この魔法のアクセサリーのように、アンジェさんが私に贈ってくれたお守りです。
店員さんは私を見て、まるでお母さんのような優しい眼差しで笑ってくれました。
美人さんの笑顔は、きれいすぎてドキドキします。
ううっ、私今、絶対顔が赤いです。
いつの間にかリィちゃんも私の隣に来ていて、店員さんと同じように微笑んでいました。
二人の笑顔に挟まれてアワアワしていると、ふと、近くにあったポーチが目に留まりました。
それは、「魔法の石」がちょうど入るくらいの大きさで、色にも惹かれました。
上品な黒の布地に赤と紫の蝶の刺繍がされていて、まるでアンジェさんみたいだと思ったからです。
「このポーチは、魔法のアクセサリーを入れるポーチなんですよ。このポーチにも少しだけ魔法が込めてあって、中に入っている大事なものを守ってくれます」
じっとポーチを見つめていたので、店員さんが気がついて説明してくれました。
それを聞いて手に取ってみれば、黒地だと思っていた布は星空のようにキラキラと細かいラメが入っていて、とっても好みでした。
大事なものを守ってくれる…まるで宝箱です!
「お兄ちゃん!私、これが欲しいです!」
勢いよくレガロお兄ちゃんの方を向いてお願いします。
レガロお兄ちゃんは、笑って頷いてくれました。
は!ね、値段大丈夫かな!?
私の不安に気がついたのか、店員さんは笑って言いました。
笑うと言っても、かわいい小動物に向けるような笑顔です。
ありがとうございます。
「普通のポーチよりも少しお値段が高いくらいですよ」
その言葉にほっとしました。
ポーチをレガロお兄ちゃんに買ってもらって、店を出ます。
ポーチを手にスキップしてしまうのは許してほしいです。
だって、アンジェさんのようなポーチに出会えるなんて思ってなかったから!
帰ったら「魔法の石」を磨いて、このポーチに入れてあげよう!
レガロお兄ちゃんもリィちゃんも、スキップする私を見てうれしそうに笑っています。
「ふふふ、よかったわね、クリスちゃん」
「うんっ!とっても気に入ったよ!お兄ちゃん、ありがとう!」
「クリスが喜んでくれたなら、何よりです」
私達はまた手を繋いで、雑貨屋さん巡りを楽しみました。
それから、クロードお兄ちゃんへのお土産を買うために、何軒かお店を回りました。
いろいろ迷ったけど、剣の鞘留めに付けられるおしゃれな装飾具を買いました。
クロードお兄ちゃんにぴったりなお土産だと思います!
一通りお店を回ると空は重い雲で覆われていました。
私と同じように空を見ていたレガロお兄ちゃんが言いました。
「今日はこのあたりで帰りましょうか。雨も降りそうですし」
帰るには少し早いけど、濡れて帰るのも嫌なので、私達は帰ることにしました。
花風通りを抜けて少し歩けば、馬車の停留所が見えてきます。
いつも乗り降りしているグランツ学園近くの停留所とは反対側にある停留所です。
「クリス、あの停留所から乗りましょう。あの停留所から出る馬車は、止まらずに村へ帰れますから」
レガロお兄ちゃんはそう言って、停留所の時刻表を見に行きました。
私はリィちゃんと停留所のベンチに座って、馬車が来るまでおしゃべりすることにしました。
「クリスちゃん、これ」
「なあに?」
リィちゃんは小さな包みを私にくれました。この包みは、リィちゃんが熱心に選んでいたあの雑貨屋さんのものです。
首を傾げてリィちゃんの方を見ると、「開けてみて」と言われたので、開けてみました。
その包みには、かわいいお花がついた髪ゴムが2つ入っていました。
「クリスちゃんにプレゼント」
「えっ!?」
びっくりして、リィちゃんを見つめます。
リィちゃんは私の顔を見て、いたずらが成功したような顔で笑っていました。
喫茶店で秘密と言っていたものが、実はプレゼントだったなんて。
びっくりしすぎて言葉が出ません。
「いつも頑張ってるクリスちゃんに。お守りとまではいかないけど、クリスちゃんがいつも笑顔でいられるように」
「リィちゃん…」
うれしい。うれしいです。
包みの中の髪ゴムを見つめながら、なんだか涙が出そうになりました。
友達からのプレゼントって、こんなにもうれしいものなんですね。
「ありがとう、リィちゃん!大事に、大事にするね!」
リィちゃんは微笑んで、この髪ゴムで髪を結んでくれました。
そんな私達の様子をレガロお兄ちゃんは優しく見守っていました。
しばらくすると馬車が来ました。
リィちゃんと別れて馬車に乗り込むと、レガロお兄ちゃんが私の頭のなでてきました。
レガロお兄ちゃんが私を甘やかす時の合図です。
「今日は楽しかったですか?」
「うんっ!とっても!」
頭をなでられて、揺れるお花の髪ゴムにまた笑顔になります。
今日は、とっても楽しくて幸せな日でした。
リィちゃんとレガロお兄ちゃんの笑顔とプレゼントで、明日もまた頑張ろうって、元気ももらえました。
10
あなたにおすすめの小説
あなたの片想いを聞いてしまった夜
柴田はつみ
恋愛
「『好きな人がいる』——その一言で、私の世界は音を失った。」
公爵令嬢リリアーヌの初恋は、隣家の若き公爵アレクシスだった。
政務や領地行事で顔を合わせるたび、言葉少なな彼の沈黙さえ、彼女には優しさに聞こえた。——毎日会える。それだけで十分幸せだと信じていた。
しかしある日、回廊の陰で聞いてしまう。
「好きな人がいる。……片想いなんだ」
名前は出ない。だから、リリアーヌの胸は残酷に結論を作る。自分ではないのだ、と。
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが
初
ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。
自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~
浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。
本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。
※2024.8.5 番外編を2話追加しました!
精霊に愛される(呪いにもにた愛)少女~全属性の加護を貰う~
如月花恋
ファンタジー
今この世界にはたくさんの精霊がいる
その精霊達から生まれた瞬間に加護を貰う
稀に2つ以上の属性の2体の精霊から加護を貰うことがある
まぁ大体は親の属性を受け継ぐのだが…
だが…全属性の加護を貰うなど不可能とされてきた…
そんな時に生まれたシャルロッテ
全属性の加護を持つ少女
いったいこれからどうなるのか…
「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」
(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。
王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。
風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる