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第1章 ◆ はじまりと出会いと
23. ドタバタなおでかけ④
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ふと、リィちゃん達はどこに行ったんだろうと思い出して、きょろきょろと探します。
リィちゃんと騎士さん達は離れたところで、じっと待っていてくれていました。
リィちゃんと目が合うと、ほっとした顔をして駆け寄ってきました。
その後ろからゆっくりとエレナさんとジルディースさんも歩いてきます。その顔は、困ったような表情でした。
「クリスちゃん、大丈夫?急に泣き出したから心配で…」
リィちゃんも泣いたのでしょうか。
目が真っ赤になっていて、涙の跡がありました。
とても心配させてしまったことに申し訳なく思いました。
「リィちゃん、ごめんね。びっくりさせちゃったよね、私は大丈…ぶ……」
エレナさんとジルディースさんが傍に来たので、思わず言葉を止めます。
また気まずくなったらどうしようと思ったら、リィちゃんがはっとして、首を振りました。
「クリスちゃん、大丈夫よ。エレナさん達は、ちょっと誤解していたの」
「…誤解?」
首を傾げると、エレナさんとジルディースさんが跪いて目を合わせてきました。
二人からは鋭い空気は感じなくて、とても申し訳なさそうな表情をしていました。
「クリスちゃん、ごめんなさいね。実は最近、魔導具が壊される事件が頻発していて…その犯人と思われる目撃情報の多くが『子どもだった』と言われていたから、疑ってしまったの。本当にごめんなさい」
「本当にごめんな。疑って…泣かせちまったな…」
エレナさんとジルディースさんは、深々と頭を下げました。
泣いたのはそのせいではなかったのですが、そっか…そんな事件があったんですね。
それは疑われても仕方ないです。
私みたいな知識のない子どもが突然「魔導具」って言えば、警戒するのもわかります。
怖かったけど、二人は謝ってくれたので、もう、それでいいです。
「私の方こそ、ちゃんと答えられなくてごめんなさい。あと、泣いたのは疑われたせいじゃないんです」
「そういえば、慌てて何か探していたみたいだったけど…何か失くしたの?それに、さっきの女の人も、誰だったの?」
リィちゃんはそう言って心配そうに見つめてきます。
エレナさんとジルディースさんも。
魔宝石のことは、ライゼンさんと秘密にすると約束したので言えません。
アンジェさんのことも、もしかしたら三人には精霊だと気づかれているかもしれないけど、詳しく言わない方がいい気がします。
なので、ちょっとだけ内容を隠して三人に説明しました。
「…ふむふむ。クリスは、あの女の人にお守りの石をもらってずっと大事にしてたのに、今日それをいつの間にか失くして大泣きしたんだな?」
「う…はい…」
ジルディースさんが私から聴いた内容を大まかにまとめて確認してきます。
大泣きしたと言われて、いまさら恥ずかしくなってきました。
「よし、俺達も探すのを手伝うぞ!」
「そうね。疑っちゃったお詫びに、私達も一緒に探すわ」
ジルディースさんは、エレナさんを見ながら言いました。
それに応えるように頷くエレナさん。
「え、でも、二人はお仕事が…」
私が泣いてから、もう一時間くらい経っています。
二人の休憩時間はとっくに終わっているはずです。
エレナさんとジルディースさんの言葉はうれしいですが、お仕事よりも優先してもらうわけにはいかないと思いました。
疑ったお詫びだなんて、さっきの謝罪で十分なのに。
さらに断ろうとすると、リィちゃんが手を握ってきました。
それにびっくりして目を合わせれば、真剣な目とぶつかります。
「手伝ってもらいましょう。手は多い方がいいでしょう?」
「そう、だけど…」
「いいのかな?」と再びエレナさんとジルディースさんに目を向けると、力強く頷いてくれました。
「困っている人を助けるのが騎士団の務めだ。クリスの宝物は絶対探し出すからな!」
「せっかく騎士を捕まえたのよ?存分に私達を利用しなさい」
そう言った二人は砕けた言葉で、でも誠意を持って騎士の礼を執ってくれました。
その気持ちがうれしくて、手伝ってもらうことにしました。
「まずはクリスちゃん達が来た道を辿ってみましょうか」
エレナさんはそう言うと、「妖精のかまど」の方を見ます。
それに釣られて、私とリィちゃんもお昼ご飯を食べた窓際のテーブルに目を向けます。
そこには、お客さんが三人座っていました。
もし、お店の中で落としているなら、店員さんが気がついているはずです。
「俺が訊いてくるな」
ジルディースさんは、私の頭をガシガシと撫でると、お店の中へ入って行きました。
待つ間に、他に心当たりがあるか、エレナさんに訊かれます。
「このお店に来るまでに、この裏の路地を通ってきました」
「そうなのね。このお店に無かったら、裏路地を辿っていきましょう」
リィちゃんと一緒に頷きます。
「妖精のかまど」にあってほしいけど、なんとなく、「無いかもしれない」と予感がしました。
しばらくすると、ジルディースさんが帰ってきました。
「店員もお客も、ポーチは見てないそうだ。一応テーブルの下とかも見たが、無かった」
「…そうですか」
あからさまにしょんぼりしてしまい、ジルディースさんが困った顔をします。
慌てて気を取りなおして、「次、探しましょう!」と元気よく提案します。
さっきエレナさんに言った裏路地のことを話して、早速その道を辿ることにしました。
この路地は狭いので、みんなで縦一列になって探します。
一番前がリィちゃん、その次にエレナさん、私、ジルディースさんの順番です。
四人の目で、辺りを見回しながら路地を歩いて探しましたが、見つからないまま大通りへと抜けました。
「ここでカイトと別れたのよね」
「うん。お昼時だったから、人がいっぱいいて…」
今の時間の人通りは、お昼時ほどではありませんでしたが、やっぱり人の波がこの通りを埋め尽くしていました。
道の端から端をきょろきょろと見渡しましたが、ポーチは落ちていません。
ここに来るまでに、一度ポケットに手を入れてポーチを触ったので、落としたのなら、この大通りということになります。
拾われているか、踏まれてどこかに転がって行ったか…。
踏まれてたらやだなと思いながら、さらに遠くの方を見渡しますが、この人込みで足元は全然見えませんでした。
その時、ふと思い出しました。
「そういえば、あの時、ちょっと怖そうなお兄さんにぶつかった…」
その呟きにエレナさんはすぐに反応しました。
「ぶつかった?どんな風に?」
「えっと…その時リィちゃんと手を繋ごうとして…突然、右後ろからお兄さんがぶつかってきたんです」
身振り手振りでそう言った後に、はたと気がつきます。
あれ?ポーチは右ポケットに入れてた…。
もしかして…?
ジルディースさんが顔をしかめて、エレナさんを見ます。
「もしかしたら、その男がポーチを盗ったのかもしれねーな」
「ええ。そうかもね。大通りはスリが多いから」
「小さい子のポーチまで狙うとは、最低野郎だな」
ぜ、全然気がつかなかった…。
盗られてしまってこう言うのも変ですが、すごいなと思いました。
私にも傍にいたリィちゃんにも気づかれずに、ポーチを盗ることなんてできるのでしょうか?
思ったことをそのまま言ったら、エレナさんがしゃがんできて、目を合わせます。
「クリスちゃん、ポーチを盗るなんて簡単なことなのよ。魔法を使えば」
「ああ。悲しいが、魔法を悪用する奴らはいるんだ」
とても苦い顔をするエレナさんとジルディースさん。
そっか、魔法はいいことだけじゃなくて、悪いことにも使えてしまうんですね。
使えない私には全然思いつきませんでした。
「しかし解せねーのは、スリは大体金目のものを狙うのに、なんでクリスのポーチを狙ったんだ?」
「そうね。子どもが持つものなんて、たかが知れているのに」
「それでも、クリスちゃんの物を盗るなんて許せないわ」
ジルディースさん、エレナさん、リィちゃんが口々に言います。
それに困り笑いを返すしかできませんでした。
三人には「大切なお守りの石」としか言わなかったので、あれが「魔宝石ユーラティオ」とは知りません。
もしかして、盗った人は、それを知って盗ったのでしょうか?
そうじゃなくても、石の正体を知ってしまったら、もう私の手には戻ってこないかもしれない。
悪用されたりしたらどうしよう…。
ぐるぐると最悪の事態を考えていると、ジルディースさんがぱんっと手を叩いて言いました。
「よしっ、他の騎士たちにも連絡して、ポーチを探してもらおう」
そう言うと、叩いた掌が輝いて光の鳥が生まれます。
ジルディースさんが短く要件を話しかけると、すぐに空へ飛んでいきました。
その光景をびっくりしながら見ていたら、エレナさんが「伝令鳥よ」と教えてくれました。
「とりあえず、動ける奴にスリを探させて、一応、各通りの詰所に落し物が届いてないか確認してもらうよう頼んだから」
「ありがとうございます、ジルディースさん」
ここまでしてもらえるなんて思ってもいませんでした。
ジルディースさんは微笑んで、頭を撫でてくれます。
まるで、大丈夫だと言ってくれているようで、とても心強いと思いました。
「それじゃあ、私達はこの通りを重点的に探しましょう」
エレナさんの提案で、私達はこの大通りを探すことにしました。
この大通りは、グランツ学園へ続く目抜き通りの一つで、人が多い通りです。
お店もいろいろあって、特にこだわりがなければ、生活用品はこの通りでほとんど揃えられます。
「宝飾店や質屋も念のため確認しましょう」
「りょーかい」
エレナさんがすれ違う人を見ながら言った言葉に、ジルディースさんが頷きます。
私とリィちゃんも、二人の間に挟まれて足元を探しながら歩きました。
リィちゃんと騎士さん達は離れたところで、じっと待っていてくれていました。
リィちゃんと目が合うと、ほっとした顔をして駆け寄ってきました。
その後ろからゆっくりとエレナさんとジルディースさんも歩いてきます。その顔は、困ったような表情でした。
「クリスちゃん、大丈夫?急に泣き出したから心配で…」
リィちゃんも泣いたのでしょうか。
目が真っ赤になっていて、涙の跡がありました。
とても心配させてしまったことに申し訳なく思いました。
「リィちゃん、ごめんね。びっくりさせちゃったよね、私は大丈…ぶ……」
エレナさんとジルディースさんが傍に来たので、思わず言葉を止めます。
また気まずくなったらどうしようと思ったら、リィちゃんがはっとして、首を振りました。
「クリスちゃん、大丈夫よ。エレナさん達は、ちょっと誤解していたの」
「…誤解?」
首を傾げると、エレナさんとジルディースさんが跪いて目を合わせてきました。
二人からは鋭い空気は感じなくて、とても申し訳なさそうな表情をしていました。
「クリスちゃん、ごめんなさいね。実は最近、魔導具が壊される事件が頻発していて…その犯人と思われる目撃情報の多くが『子どもだった』と言われていたから、疑ってしまったの。本当にごめんなさい」
「本当にごめんな。疑って…泣かせちまったな…」
エレナさんとジルディースさんは、深々と頭を下げました。
泣いたのはそのせいではなかったのですが、そっか…そんな事件があったんですね。
それは疑われても仕方ないです。
私みたいな知識のない子どもが突然「魔導具」って言えば、警戒するのもわかります。
怖かったけど、二人は謝ってくれたので、もう、それでいいです。
「私の方こそ、ちゃんと答えられなくてごめんなさい。あと、泣いたのは疑われたせいじゃないんです」
「そういえば、慌てて何か探していたみたいだったけど…何か失くしたの?それに、さっきの女の人も、誰だったの?」
リィちゃんはそう言って心配そうに見つめてきます。
エレナさんとジルディースさんも。
魔宝石のことは、ライゼンさんと秘密にすると約束したので言えません。
アンジェさんのことも、もしかしたら三人には精霊だと気づかれているかもしれないけど、詳しく言わない方がいい気がします。
なので、ちょっとだけ内容を隠して三人に説明しました。
「…ふむふむ。クリスは、あの女の人にお守りの石をもらってずっと大事にしてたのに、今日それをいつの間にか失くして大泣きしたんだな?」
「う…はい…」
ジルディースさんが私から聴いた内容を大まかにまとめて確認してきます。
大泣きしたと言われて、いまさら恥ずかしくなってきました。
「よし、俺達も探すのを手伝うぞ!」
「そうね。疑っちゃったお詫びに、私達も一緒に探すわ」
ジルディースさんは、エレナさんを見ながら言いました。
それに応えるように頷くエレナさん。
「え、でも、二人はお仕事が…」
私が泣いてから、もう一時間くらい経っています。
二人の休憩時間はとっくに終わっているはずです。
エレナさんとジルディースさんの言葉はうれしいですが、お仕事よりも優先してもらうわけにはいかないと思いました。
疑ったお詫びだなんて、さっきの謝罪で十分なのに。
さらに断ろうとすると、リィちゃんが手を握ってきました。
それにびっくりして目を合わせれば、真剣な目とぶつかります。
「手伝ってもらいましょう。手は多い方がいいでしょう?」
「そう、だけど…」
「いいのかな?」と再びエレナさんとジルディースさんに目を向けると、力強く頷いてくれました。
「困っている人を助けるのが騎士団の務めだ。クリスの宝物は絶対探し出すからな!」
「せっかく騎士を捕まえたのよ?存分に私達を利用しなさい」
そう言った二人は砕けた言葉で、でも誠意を持って騎士の礼を執ってくれました。
その気持ちがうれしくて、手伝ってもらうことにしました。
「まずはクリスちゃん達が来た道を辿ってみましょうか」
エレナさんはそう言うと、「妖精のかまど」の方を見ます。
それに釣られて、私とリィちゃんもお昼ご飯を食べた窓際のテーブルに目を向けます。
そこには、お客さんが三人座っていました。
もし、お店の中で落としているなら、店員さんが気がついているはずです。
「俺が訊いてくるな」
ジルディースさんは、私の頭をガシガシと撫でると、お店の中へ入って行きました。
待つ間に、他に心当たりがあるか、エレナさんに訊かれます。
「このお店に来るまでに、この裏の路地を通ってきました」
「そうなのね。このお店に無かったら、裏路地を辿っていきましょう」
リィちゃんと一緒に頷きます。
「妖精のかまど」にあってほしいけど、なんとなく、「無いかもしれない」と予感がしました。
しばらくすると、ジルディースさんが帰ってきました。
「店員もお客も、ポーチは見てないそうだ。一応テーブルの下とかも見たが、無かった」
「…そうですか」
あからさまにしょんぼりしてしまい、ジルディースさんが困った顔をします。
慌てて気を取りなおして、「次、探しましょう!」と元気よく提案します。
さっきエレナさんに言った裏路地のことを話して、早速その道を辿ることにしました。
この路地は狭いので、みんなで縦一列になって探します。
一番前がリィちゃん、その次にエレナさん、私、ジルディースさんの順番です。
四人の目で、辺りを見回しながら路地を歩いて探しましたが、見つからないまま大通りへと抜けました。
「ここでカイトと別れたのよね」
「うん。お昼時だったから、人がいっぱいいて…」
今の時間の人通りは、お昼時ほどではありませんでしたが、やっぱり人の波がこの通りを埋め尽くしていました。
道の端から端をきょろきょろと見渡しましたが、ポーチは落ちていません。
ここに来るまでに、一度ポケットに手を入れてポーチを触ったので、落としたのなら、この大通りということになります。
拾われているか、踏まれてどこかに転がって行ったか…。
踏まれてたらやだなと思いながら、さらに遠くの方を見渡しますが、この人込みで足元は全然見えませんでした。
その時、ふと思い出しました。
「そういえば、あの時、ちょっと怖そうなお兄さんにぶつかった…」
その呟きにエレナさんはすぐに反応しました。
「ぶつかった?どんな風に?」
「えっと…その時リィちゃんと手を繋ごうとして…突然、右後ろからお兄さんがぶつかってきたんです」
身振り手振りでそう言った後に、はたと気がつきます。
あれ?ポーチは右ポケットに入れてた…。
もしかして…?
ジルディースさんが顔をしかめて、エレナさんを見ます。
「もしかしたら、その男がポーチを盗ったのかもしれねーな」
「ええ。そうかもね。大通りはスリが多いから」
「小さい子のポーチまで狙うとは、最低野郎だな」
ぜ、全然気がつかなかった…。
盗られてしまってこう言うのも変ですが、すごいなと思いました。
私にも傍にいたリィちゃんにも気づかれずに、ポーチを盗ることなんてできるのでしょうか?
思ったことをそのまま言ったら、エレナさんがしゃがんできて、目を合わせます。
「クリスちゃん、ポーチを盗るなんて簡単なことなのよ。魔法を使えば」
「ああ。悲しいが、魔法を悪用する奴らはいるんだ」
とても苦い顔をするエレナさんとジルディースさん。
そっか、魔法はいいことだけじゃなくて、悪いことにも使えてしまうんですね。
使えない私には全然思いつきませんでした。
「しかし解せねーのは、スリは大体金目のものを狙うのに、なんでクリスのポーチを狙ったんだ?」
「そうね。子どもが持つものなんて、たかが知れているのに」
「それでも、クリスちゃんの物を盗るなんて許せないわ」
ジルディースさん、エレナさん、リィちゃんが口々に言います。
それに困り笑いを返すしかできませんでした。
三人には「大切なお守りの石」としか言わなかったので、あれが「魔宝石ユーラティオ」とは知りません。
もしかして、盗った人は、それを知って盗ったのでしょうか?
そうじゃなくても、石の正体を知ってしまったら、もう私の手には戻ってこないかもしれない。
悪用されたりしたらどうしよう…。
ぐるぐると最悪の事態を考えていると、ジルディースさんがぱんっと手を叩いて言いました。
「よしっ、他の騎士たちにも連絡して、ポーチを探してもらおう」
そう言うと、叩いた掌が輝いて光の鳥が生まれます。
ジルディースさんが短く要件を話しかけると、すぐに空へ飛んでいきました。
その光景をびっくりしながら見ていたら、エレナさんが「伝令鳥よ」と教えてくれました。
「とりあえず、動ける奴にスリを探させて、一応、各通りの詰所に落し物が届いてないか確認してもらうよう頼んだから」
「ありがとうございます、ジルディースさん」
ここまでしてもらえるなんて思ってもいませんでした。
ジルディースさんは微笑んで、頭を撫でてくれます。
まるで、大丈夫だと言ってくれているようで、とても心強いと思いました。
「それじゃあ、私達はこの通りを重点的に探しましょう」
エレナさんの提案で、私達はこの大通りを探すことにしました。
この大通りは、グランツ学園へ続く目抜き通りの一つで、人が多い通りです。
お店もいろいろあって、特にこだわりがなければ、生活用品はこの通りでほとんど揃えられます。
「宝飾店や質屋も念のため確認しましょう」
「りょーかい」
エレナさんがすれ違う人を見ながら言った言葉に、ジルディースさんが頷きます。
私とリィちゃんも、二人の間に挟まれて足元を探しながら歩きました。
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