24 / 87
第1章 ◆ はじまりと出会いと
24. ドタバタなおでかけ⑤
しおりを挟む
「はあ……」
大通りの詰所の椅子に座って、大きなため息をつきます。
リィちゃんも隣の席で、落ち込んだ様子で休んでいます。
エレナさんとジルディースさんは勤務時間が終わるそうなので、騎士団の屋敷に戻りました。
ジルディースさんに「またここに戻るから待ってろ」と言われたので、リィちゃんと待っています。
結局、ポーチも魔宝石も見つけることができないまま、夕方になってしまいました。
宝飾店や質屋さんにも行ってみましたが、それらしきものはありませんでした。
他の騎士さん達が違う通りで見つけたスリを何人か連れてきましたが、みんな違う人でした。
私達がポーチを探している間、どこからそれを聞いたのか、大通りのお店の人や知らない人が「見つかるといいな」「見つかるのを祈ってるわ」と声をかけてくれました。
オルデンの人達は、こんな小さな私にも優しくて、ちょっとだけ涙が出そうでした。
「クリスちゃん、ごめんなさい。見つけられなかったわ」
「ううん。リィちゃんが謝ることなんてないよ。もとはと言えば、盗られた私のせいだし…」
「それこそクリスちゃんのせいじゃないわ!盗った人が悪いのよ!」
リィちゃんは怒りながら言いました。
私のためにこうやって怒ってくれるリィちゃんに、落ち込んだ気持ちが浮上します。
リィちゃんが友達で本当に幸せだなぁ。
「クリス、リリー、待たせたな」
間もなく、ジルディースさんが戻ってきました。
服も着替えていて、カッターシャツにロングのベスト、ズボンにブーツで、街のお兄さんという感じの服装でした。
ジルディースさんの後ろには、エレナさんもいます。
「落し物届をしてきたわ。見つかったら、グランツ学園にすぐ届けるわね」
「ありがとうございます、エレナさん」
空を見上げれば茜色になっていて、一番星が輝くのが見えます。
五時を知らせる鐘が遠くで聞こえました。
もう、帰らなければいけません。
席を立って、ジルディースさん、エレナさん、リィちゃんを順に見つめてお辞儀をします。
三人はちょっとびっくりした目をしました。
「今日は、たくさん私のために動いてくれてありがとうございました。みんなの気持ちがとってもうれしかったです」
心からの感謝を言って顔を上げると、ひょいっと体が浮きました。
びっくりする間もなく、力強く抱きしめられます。
目を向けると、ジルディースさんに抱っこされていて、その顔は悔しそうでした。
「ごめんな、クリス。絶対見つけるからな」
「はい。ありがとうございます、ジルディースさん」
エレナさんも申し訳なさそうな顔をして見つめてきます。
そんな沈んだ空気の中、気の抜けた声が聞こえました。
「にゃあ~」
その声で、私達は扉の方へ目を向けました。
そこには五匹の猫と切れ長で紫色の目をした白猫がいました。
その猫達は、首に見たことのあるリボンをしていて、猫町通りの猫だとすぐにわかりました。
赤いストライプのリボンは、あの黒猫ダンテさんのお店の横にあったアクセサリー屋さんの猫が着けていたものです。
「まったく、ずいぶん探しましたにゃ。もし帰っていたらレガロ様に返そうと思いましたにゃ」
そう言ったのは、白猫さんでした。
そして、白猫さんの隣にいた猫が、口に咥えたものを私のもとまで持ってきました。
ジルディースさんから降りて、それを受け取ります。
「!!」
渡されたものは、ちょっと汚れていましたが探していたポーチでした。
恐る恐る中を確認すると、魔宝石が何事もなかったかのように入っていました。
「どうして…これ…どこで?」
あまりにもびっくりしすぎて、片言になってしまいます。
その様子を見ていたリィちゃん達もびっくりしています。
「クリス様があんまりにも泣くので、私の部下達が探し出しましたにゃ。安心してください、それを盗った男は今頃路地裏でボロボロににゃっているのを発見されていると思いますにゃ」
「ええっ!!?」
白猫さんの部下!?
盗った人がボロボロ!?それは安心していいのかな!?
ぽかーんとして白猫さんを見つめていると、用は済んだと背を向けられます。
「ちゃんと渡しましたからね。クリス様、もう落とさにゃいように、お気を付けくださいにゃ」
「…っ! 白猫さん、ありがとうございました!」
さっさと行ってしまおうとするので、慌ててその背中にお礼を言います。
白猫さんとその部下(?)の猫達は視線だけこっちに向けると、「にゃあ」と鳴いて、人込みに消えていきました。
それを見送ったら、突然ジルディースさんが噴き出すように笑いました。
「っ、あはははははっ!すげーな、クリス!猫達に見つけてもらった奴なんて初めてだ!」
「ふふふふ、本当よ。猫町通りの猫達は気まぐれなのに…クリスちゃんのために猫情報網を駆使してくれたのね」
エレナさんも堪えるように笑っていて、場の空気が和やかになりました。
リィちゃんも私に抱きついてきて、「よかったわね」と喜んでくれました。
じわじわと私もうれしくなってきて、笑顔になります。
手の中のポーチを握りしめて、この手に魔宝石が帰ってきたことを実感します。
失くしてたのはたった数時間なのに、その間とても不安でたまりませんでした。
それほど、私にとってこの石はかけがえのないものになっていたんだと改めて思います。
あれだけ探して見つからなかったのを、猫達にあっさり見つけてもらえたのにはびっくりしたけど、本当によかった!
おかえり、魔法の石。
もう絶対失くさないからね。
心の中でもう一度白猫さんたちにお礼を言って、今度猫町通りに行ったときは、お礼を持ってお店に寄ろうと思いました。
「ほんとによかったな、クリス」
ひとしきり笑い終えたジルディースさんが優しく微笑んで頭を撫でてきます。
エレナさんもほっとした顔をして、少し困り笑いを見せました。
「クリスちゃん、本当によかった。……こんなことがあったけど…オルデンのこと嫌いにならないでね」
「そんな、嫌いになんかなりません」
みんな、本当に優しい人達です。
そんな人達がいる街を嫌いになるわけありません。
たくさんの人達、猫達が私を気にかけてくれて、助けてくれて、ますますこの街が好きになりました。
今日出会った人達に感謝しながら、一番の笑顔をエレナさんとジルディースさんに見せました。
「私、エレナさんとジルディースさん、この街の人達が大好きです!」
そう言った瞬間、三人に抱きしめられました。
その様子は傍から見れば、まるでお団子状態です。
「ああ、もう!クリスちゃん、かわいすぎるわ!妹にしたいくらいよ!」
「エレナさん、独り占めはだめです!」
「くそぉ、うれしいこと言ってくれるじゃねーか」
こうして、いろいろあったドタバタなおでかけは無事に(?)終わりました。
次の日の放課後、エレナさんとジルディースさん、協力してくれた騎士さん達に改めてお礼を言うために、リィちゃんと騎士団の屋敷に行きました。
迎えてくれた騎士さん達は、とても優しい人達で、見つかったことをとても喜んでくれました。
エレナさんとジルディースさんは見回り中で、もうすぐ帰ってくると言うので屋敷で待つことにしました。
その間に、騎士さん達にお礼のクッキーを渡します。
エレナさんとジルディースさん以外の騎士さん達は、お父さんくらいの年齢の人が多くて、クッキーを渡した人みんなに抱っこしてもらったり、頭を撫でてもらいました。
リィちゃんも私と同じようにされて、どこか戸惑っていましたが、照れくさそうに笑っていました。
「クリス、来てたのか!」
「あら、クリスちゃん。リリーちゃんも」
一通りあいさつし終えた頃、ジルディースさんが帰ってきました。
その後ろでエレナさんがちょっとびっくりした顔をしましたが、すぐに微笑んでくれました。
「今日は改めてお礼に来たんです」
「そうなのか。そんな改まらなくていいのに」
「そういうわけにはいきません」
たくさんお世話になったので、きちんとお礼をしたいです!
このクッキーでも足りないくらいです。
お礼のクッキーを渡せば、うれしそうに笑うジルディースさん。
エレナさんも釣られたように笑って、クッキーを受け取ってくれました。
「ふふ。うれしいわ。クリスちゃん、よかったらお友達にならない?」
「え?友達ですか?」
エレナさんの言葉にきょとんとしていると、ジルディースさんが笑い出します。
「それ、いいな。クリス、俺とも友達になってくれよ」
「え、えええー…」
ジルディースさんまでそう言うので、戸惑うしかありません。
隣でリィちゃんはくすくすと笑っていて、私の反応を見ています。
その様子だと、リィちゃんはこの展開を予想してたのでしょうか。
「…嫌?」
あまりにも悲しそうにエレナさんが言うので、頷くしかありませんでした。
その答えに、ぱあっと笑顔を見せるエレナさんは、美人さんのはずなのに、かわいいと思ってしまいました。
「ふふふっ、もうお友達ね!」
「俺もな!クリス、もう友達なんだから敬語は無しだからな!」
ジルディースさんも笑顔で言ってきて、これはもう頷くしかありませんでした。
「はい…じゃ、なかった、うん。エレナさん、ジルディースさん、よろしくね」
この時、密かに「クリスちゃんを見守り隊」が発足したということを知るのは、ずっと後の話になります。
大通りの詰所の椅子に座って、大きなため息をつきます。
リィちゃんも隣の席で、落ち込んだ様子で休んでいます。
エレナさんとジルディースさんは勤務時間が終わるそうなので、騎士団の屋敷に戻りました。
ジルディースさんに「またここに戻るから待ってろ」と言われたので、リィちゃんと待っています。
結局、ポーチも魔宝石も見つけることができないまま、夕方になってしまいました。
宝飾店や質屋さんにも行ってみましたが、それらしきものはありませんでした。
他の騎士さん達が違う通りで見つけたスリを何人か連れてきましたが、みんな違う人でした。
私達がポーチを探している間、どこからそれを聞いたのか、大通りのお店の人や知らない人が「見つかるといいな」「見つかるのを祈ってるわ」と声をかけてくれました。
オルデンの人達は、こんな小さな私にも優しくて、ちょっとだけ涙が出そうでした。
「クリスちゃん、ごめんなさい。見つけられなかったわ」
「ううん。リィちゃんが謝ることなんてないよ。もとはと言えば、盗られた私のせいだし…」
「それこそクリスちゃんのせいじゃないわ!盗った人が悪いのよ!」
リィちゃんは怒りながら言いました。
私のためにこうやって怒ってくれるリィちゃんに、落ち込んだ気持ちが浮上します。
リィちゃんが友達で本当に幸せだなぁ。
「クリス、リリー、待たせたな」
間もなく、ジルディースさんが戻ってきました。
服も着替えていて、カッターシャツにロングのベスト、ズボンにブーツで、街のお兄さんという感じの服装でした。
ジルディースさんの後ろには、エレナさんもいます。
「落し物届をしてきたわ。見つかったら、グランツ学園にすぐ届けるわね」
「ありがとうございます、エレナさん」
空を見上げれば茜色になっていて、一番星が輝くのが見えます。
五時を知らせる鐘が遠くで聞こえました。
もう、帰らなければいけません。
席を立って、ジルディースさん、エレナさん、リィちゃんを順に見つめてお辞儀をします。
三人はちょっとびっくりした目をしました。
「今日は、たくさん私のために動いてくれてありがとうございました。みんなの気持ちがとってもうれしかったです」
心からの感謝を言って顔を上げると、ひょいっと体が浮きました。
びっくりする間もなく、力強く抱きしめられます。
目を向けると、ジルディースさんに抱っこされていて、その顔は悔しそうでした。
「ごめんな、クリス。絶対見つけるからな」
「はい。ありがとうございます、ジルディースさん」
エレナさんも申し訳なさそうな顔をして見つめてきます。
そんな沈んだ空気の中、気の抜けた声が聞こえました。
「にゃあ~」
その声で、私達は扉の方へ目を向けました。
そこには五匹の猫と切れ長で紫色の目をした白猫がいました。
その猫達は、首に見たことのあるリボンをしていて、猫町通りの猫だとすぐにわかりました。
赤いストライプのリボンは、あの黒猫ダンテさんのお店の横にあったアクセサリー屋さんの猫が着けていたものです。
「まったく、ずいぶん探しましたにゃ。もし帰っていたらレガロ様に返そうと思いましたにゃ」
そう言ったのは、白猫さんでした。
そして、白猫さんの隣にいた猫が、口に咥えたものを私のもとまで持ってきました。
ジルディースさんから降りて、それを受け取ります。
「!!」
渡されたものは、ちょっと汚れていましたが探していたポーチでした。
恐る恐る中を確認すると、魔宝石が何事もなかったかのように入っていました。
「どうして…これ…どこで?」
あまりにもびっくりしすぎて、片言になってしまいます。
その様子を見ていたリィちゃん達もびっくりしています。
「クリス様があんまりにも泣くので、私の部下達が探し出しましたにゃ。安心してください、それを盗った男は今頃路地裏でボロボロににゃっているのを発見されていると思いますにゃ」
「ええっ!!?」
白猫さんの部下!?
盗った人がボロボロ!?それは安心していいのかな!?
ぽかーんとして白猫さんを見つめていると、用は済んだと背を向けられます。
「ちゃんと渡しましたからね。クリス様、もう落とさにゃいように、お気を付けくださいにゃ」
「…っ! 白猫さん、ありがとうございました!」
さっさと行ってしまおうとするので、慌ててその背中にお礼を言います。
白猫さんとその部下(?)の猫達は視線だけこっちに向けると、「にゃあ」と鳴いて、人込みに消えていきました。
それを見送ったら、突然ジルディースさんが噴き出すように笑いました。
「っ、あはははははっ!すげーな、クリス!猫達に見つけてもらった奴なんて初めてだ!」
「ふふふふ、本当よ。猫町通りの猫達は気まぐれなのに…クリスちゃんのために猫情報網を駆使してくれたのね」
エレナさんも堪えるように笑っていて、場の空気が和やかになりました。
リィちゃんも私に抱きついてきて、「よかったわね」と喜んでくれました。
じわじわと私もうれしくなってきて、笑顔になります。
手の中のポーチを握りしめて、この手に魔宝石が帰ってきたことを実感します。
失くしてたのはたった数時間なのに、その間とても不安でたまりませんでした。
それほど、私にとってこの石はかけがえのないものになっていたんだと改めて思います。
あれだけ探して見つからなかったのを、猫達にあっさり見つけてもらえたのにはびっくりしたけど、本当によかった!
おかえり、魔法の石。
もう絶対失くさないからね。
心の中でもう一度白猫さんたちにお礼を言って、今度猫町通りに行ったときは、お礼を持ってお店に寄ろうと思いました。
「ほんとによかったな、クリス」
ひとしきり笑い終えたジルディースさんが優しく微笑んで頭を撫でてきます。
エレナさんもほっとした顔をして、少し困り笑いを見せました。
「クリスちゃん、本当によかった。……こんなことがあったけど…オルデンのこと嫌いにならないでね」
「そんな、嫌いになんかなりません」
みんな、本当に優しい人達です。
そんな人達がいる街を嫌いになるわけありません。
たくさんの人達、猫達が私を気にかけてくれて、助けてくれて、ますますこの街が好きになりました。
今日出会った人達に感謝しながら、一番の笑顔をエレナさんとジルディースさんに見せました。
「私、エレナさんとジルディースさん、この街の人達が大好きです!」
そう言った瞬間、三人に抱きしめられました。
その様子は傍から見れば、まるでお団子状態です。
「ああ、もう!クリスちゃん、かわいすぎるわ!妹にしたいくらいよ!」
「エレナさん、独り占めはだめです!」
「くそぉ、うれしいこと言ってくれるじゃねーか」
こうして、いろいろあったドタバタなおでかけは無事に(?)終わりました。
次の日の放課後、エレナさんとジルディースさん、協力してくれた騎士さん達に改めてお礼を言うために、リィちゃんと騎士団の屋敷に行きました。
迎えてくれた騎士さん達は、とても優しい人達で、見つかったことをとても喜んでくれました。
エレナさんとジルディースさんは見回り中で、もうすぐ帰ってくると言うので屋敷で待つことにしました。
その間に、騎士さん達にお礼のクッキーを渡します。
エレナさんとジルディースさん以外の騎士さん達は、お父さんくらいの年齢の人が多くて、クッキーを渡した人みんなに抱っこしてもらったり、頭を撫でてもらいました。
リィちゃんも私と同じようにされて、どこか戸惑っていましたが、照れくさそうに笑っていました。
「クリス、来てたのか!」
「あら、クリスちゃん。リリーちゃんも」
一通りあいさつし終えた頃、ジルディースさんが帰ってきました。
その後ろでエレナさんがちょっとびっくりした顔をしましたが、すぐに微笑んでくれました。
「今日は改めてお礼に来たんです」
「そうなのか。そんな改まらなくていいのに」
「そういうわけにはいきません」
たくさんお世話になったので、きちんとお礼をしたいです!
このクッキーでも足りないくらいです。
お礼のクッキーを渡せば、うれしそうに笑うジルディースさん。
エレナさんも釣られたように笑って、クッキーを受け取ってくれました。
「ふふ。うれしいわ。クリスちゃん、よかったらお友達にならない?」
「え?友達ですか?」
エレナさんの言葉にきょとんとしていると、ジルディースさんが笑い出します。
「それ、いいな。クリス、俺とも友達になってくれよ」
「え、えええー…」
ジルディースさんまでそう言うので、戸惑うしかありません。
隣でリィちゃんはくすくすと笑っていて、私の反応を見ています。
その様子だと、リィちゃんはこの展開を予想してたのでしょうか。
「…嫌?」
あまりにも悲しそうにエレナさんが言うので、頷くしかありませんでした。
その答えに、ぱあっと笑顔を見せるエレナさんは、美人さんのはずなのに、かわいいと思ってしまいました。
「ふふふっ、もうお友達ね!」
「俺もな!クリス、もう友達なんだから敬語は無しだからな!」
ジルディースさんも笑顔で言ってきて、これはもう頷くしかありませんでした。
「はい…じゃ、なかった、うん。エレナさん、ジルディースさん、よろしくね」
この時、密かに「クリスちゃんを見守り隊」が発足したということを知るのは、ずっと後の話になります。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!
月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、
花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。
姻族全員大騒ぎとなった
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる