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第一章 異世界を知る
何も知らない勇者と戸惑う賢者〜出会い〜
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真忠悠太(まただ ゆうた)は
異世界コエシステンツァに勇者として転生した。
イニーツィオ草原という名前らしく鮮やかな緑が
広がり、奥の方には一本の道が見える。
「ここが異世界コエシステンツァかぁ~
広いな!この草原。
東京じゃ見たことなかったなぁ。」
シュイン…『ステータスオープン』
「うん?!なんだ!?」
NANE nothing 転生前 真忠悠太
Lv. 1
HP 100 AK 50 装備 革の靴 木の剣
MP 50 GD 50 革の服
SP 0 SD 50 革のズボン
「うーん…分からないなぁ、NANEは名前かな
でも転生前のところに自分の名前あるなぁ。
どうすればいいんだろうか…。」
悩みには悩んだ末…
「よし、とりあえず後でいいっか!」
シュイン…『ステータスクローズ』
「おっ、閉じた。
とりあえずここら辺、探索していけば、
賢者の同級生は見つけられるから、そこから
なら色々わかるはず!」
道が見える方向に進んでいきながら、周りを見渡している。らしき人物は見つからない。
「プル、プルル!」
後ろを向くとぷるんとしたものが突っ込んできた。
とっさに横に避けた。
「あっ危ないよ。
なんだろう、この生き物。プルってしてる。
スライムみたいだなぁ。」
ほのぼの眺めていると、また
「プルっプルルルー!」
と鳴きながら突っ込んできた。
「えっ、怒ってる。どうすればいいんだ。
とりあえず避けるのか?」
右往左往、避けて…10分後。突然どこからか。
「しゃがんで! 今すぐ!」
「はい…!」
急に話しかけられて驚きとで自然と言う通りに
しゃがんでいた。
「ウィンドスラッシュ…」
その声と共に風の細いかたまりが次々と飛んできて
スライムのような生き物にあたり、
「プルっ~」
ピサンッ! ポッ かちゃん。
「消えた…それと同じタイミングでお金かな
これ?」
丸いキラキラしたものを持ちながら、
しゃがんだ。すると、後ろから声がした。
「そう、お金。
銅貨というもので、ここの世界の最低価値に
当たるもの。」
振り返ると、腰辺りまで伸びた真っ直ぐな黒髪と
少しとがっている目の女性が、
自信満々にたたずんでいる。
同じくらいの年齢の女性がいた。
「うん、ありがとう。教えてくれて。
もしかして、賢者?」
そっと、立ち上がり彼女に問いかける。
「ほぇっ!?も、もしかして勇者なの。
おほんっ!えぇ、紛れもなく私は
賢者ルカ・ピース、この世界を救う勇者の
サポートを女神様に使命を託されたもの。」
初めは、驚いて慌てたもののすぐに切り替えて
見事に早口な自己紹介を終えた。
「おお~すごい。こんなに早口で言えないよ。
僕は勇者に選ばれた真忠悠太。よろしく。
でも、ルカ・ピースは聞いたことないな。
あれ、転生者だと女神さんに聞いたはず…」
うーんと首をかしげながら、嘘を言っている
ようにも思えなかったのもあり、考え込んでしま
った。
「あの~、ここの世界での名前がルカ・ピース
なのであって、転生前の名前は在原瑠花で…」
反応に困惑しながら、丁寧に説明しようとすると
「瑠花ちゃん!そっか~そうだったんだ。
ほっ、良かったぁ。久しぶりだね。」
安心して同級生に会えた喜びに舞い上がった。
しかし、ルカは、
「久しぶりね…会えて嬉しい…
じゃなくて、なんでそのままの名前なの?
異世界らしく、かっこいい名前つけてないの?」
最初はそのまま流れに乗りそうになったが、
唐突に怒った。
「えっ…なんで?名前はちゃんと悠太っていう
両親から名付けてもらった大切なものがある
よ。」
名前が既にあるのに新たにつける必要性を感じてなかった悠太は疑問しかなかった。
「そうだけど。たしかに大切ではあるけど
この世界では転生前の名前じゃ伝わらない
から、新たにつけたの、ルカ・ピースって。
ステータス画面に書いてあったでしょ。
NANE nothingって。はぁはぁ。」
怒涛の早口で説明した。
「おっ!うん。書いてあった。
そういうことだったか。リカイリカイ。」
首を何度も縦にふり、さっそく確かめようとした。
「あれっ?どうやって『ステータス画面?』を
だすんだっけ?教えて。」
純粋な瞳で瑠花を見つめて聞く。
「えっ…。」
ルカは、戸惑いを隠しきれずにいた。
(知らなすぎる、異世界について。一から教えないといけないということ。これは…大変だ。)
(うん…決めた。)
「それはね…『ステータスオープン』」
NANE ルカ・ピース 転生前 在原瑠花
Lv.3
HP 150 AK 10 装備 布の服 木の杖
MP 300 GD 50 布のスカート
SP 0 SD 50 麻のローブ
「『ステータスクローズ』で、できる。」
(全力で…)
「うん、ありがとう!」
えへっと満天の笑顔で悠太は答える。
(悠太くんのことをサポートしよう。)
ルカは彼の笑顔に恥ずかしさを覚えつつ、
覚悟を決めた…。
異世界コエシステンツァに勇者として転生した。
イニーツィオ草原という名前らしく鮮やかな緑が
広がり、奥の方には一本の道が見える。
「ここが異世界コエシステンツァかぁ~
広いな!この草原。
東京じゃ見たことなかったなぁ。」
シュイン…『ステータスオープン』
「うん?!なんだ!?」
NANE nothing 転生前 真忠悠太
Lv. 1
HP 100 AK 50 装備 革の靴 木の剣
MP 50 GD 50 革の服
SP 0 SD 50 革のズボン
「うーん…分からないなぁ、NANEは名前かな
でも転生前のところに自分の名前あるなぁ。
どうすればいいんだろうか…。」
悩みには悩んだ末…
「よし、とりあえず後でいいっか!」
シュイン…『ステータスクローズ』
「おっ、閉じた。
とりあえずここら辺、探索していけば、
賢者の同級生は見つけられるから、そこから
なら色々わかるはず!」
道が見える方向に進んでいきながら、周りを見渡している。らしき人物は見つからない。
「プル、プルル!」
後ろを向くとぷるんとしたものが突っ込んできた。
とっさに横に避けた。
「あっ危ないよ。
なんだろう、この生き物。プルってしてる。
スライムみたいだなぁ。」
ほのぼの眺めていると、また
「プルっプルルルー!」
と鳴きながら突っ込んできた。
「えっ、怒ってる。どうすればいいんだ。
とりあえず避けるのか?」
右往左往、避けて…10分後。突然どこからか。
「しゃがんで! 今すぐ!」
「はい…!」
急に話しかけられて驚きとで自然と言う通りに
しゃがんでいた。
「ウィンドスラッシュ…」
その声と共に風の細いかたまりが次々と飛んできて
スライムのような生き物にあたり、
「プルっ~」
ピサンッ! ポッ かちゃん。
「消えた…それと同じタイミングでお金かな
これ?」
丸いキラキラしたものを持ちながら、
しゃがんだ。すると、後ろから声がした。
「そう、お金。
銅貨というもので、ここの世界の最低価値に
当たるもの。」
振り返ると、腰辺りまで伸びた真っ直ぐな黒髪と
少しとがっている目の女性が、
自信満々にたたずんでいる。
同じくらいの年齢の女性がいた。
「うん、ありがとう。教えてくれて。
もしかして、賢者?」
そっと、立ち上がり彼女に問いかける。
「ほぇっ!?も、もしかして勇者なの。
おほんっ!えぇ、紛れもなく私は
賢者ルカ・ピース、この世界を救う勇者の
サポートを女神様に使命を託されたもの。」
初めは、驚いて慌てたもののすぐに切り替えて
見事に早口な自己紹介を終えた。
「おお~すごい。こんなに早口で言えないよ。
僕は勇者に選ばれた真忠悠太。よろしく。
でも、ルカ・ピースは聞いたことないな。
あれ、転生者だと女神さんに聞いたはず…」
うーんと首をかしげながら、嘘を言っている
ようにも思えなかったのもあり、考え込んでしま
った。
「あの~、ここの世界での名前がルカ・ピース
なのであって、転生前の名前は在原瑠花で…」
反応に困惑しながら、丁寧に説明しようとすると
「瑠花ちゃん!そっか~そうだったんだ。
ほっ、良かったぁ。久しぶりだね。」
安心して同級生に会えた喜びに舞い上がった。
しかし、ルカは、
「久しぶりね…会えて嬉しい…
じゃなくて、なんでそのままの名前なの?
異世界らしく、かっこいい名前つけてないの?」
最初はそのまま流れに乗りそうになったが、
唐突に怒った。
「えっ…なんで?名前はちゃんと悠太っていう
両親から名付けてもらった大切なものがある
よ。」
名前が既にあるのに新たにつける必要性を感じてなかった悠太は疑問しかなかった。
「そうだけど。たしかに大切ではあるけど
この世界では転生前の名前じゃ伝わらない
から、新たにつけたの、ルカ・ピースって。
ステータス画面に書いてあったでしょ。
NANE nothingって。はぁはぁ。」
怒涛の早口で説明した。
「おっ!うん。書いてあった。
そういうことだったか。リカイリカイ。」
首を何度も縦にふり、さっそく確かめようとした。
「あれっ?どうやって『ステータス画面?』を
だすんだっけ?教えて。」
純粋な瞳で瑠花を見つめて聞く。
「えっ…。」
ルカは、戸惑いを隠しきれずにいた。
(知らなすぎる、異世界について。一から教えないといけないということ。これは…大変だ。)
(うん…決めた。)
「それはね…『ステータスオープン』」
NANE ルカ・ピース 転生前 在原瑠花
Lv.3
HP 150 AK 10 装備 布の服 木の杖
MP 300 GD 50 布のスカート
SP 0 SD 50 麻のローブ
「『ステータスクローズ』で、できる。」
(全力で…)
「うん、ありがとう!」
えへっと満天の笑顔で悠太は答える。
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ルカは彼の笑顔に恥ずかしさを覚えつつ、
覚悟を決めた…。
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