非オタな僕が勇者に転生したら、オタな彼女が賢者に転生してサポート万全だった。

ケイオチャ

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第一章 異世界を知る

何も知らない勇者と戸惑う賢者〜勇者ユウ・ブレイブの誕生と初めての魔物退治〜

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             ~勇者ユウ・ブレイブの誕生~

 悠太は、ステータス画面をルカに言われた通りに
「『ステータスオープン』」
     NANE   nothing    転生前 真忠悠太
  Lv.  1
    HP  100     AK   50  装備 革の靴  木の剣 
    MP   50     GD   50    革の服
    SP    0       SD   50     革のズボン  
 だした。
「おお~、出たぁ。本当にNANE nothingって
 書いてある。
 だけど、どんな名前にすればこの世界になじむ
 んだろう」
 悠太は、名前を決める両親の熟考した姿を想像
 していた。
「大変だったのか。ありがとう、ありがとう。」
 ほゃーんとしている。
「ありがとうって、名前考えることから離れて
 るなぁ~、悠太くん~。戻ってこーい。」
 ルカは、コツンっ☆と杖で頭の後ろを
 軽く叩いた。
「いてっ、叩かなくても。」 
 少し怒ったように顔を膨らませる。
「名前考えないからでしょ。
 日本じゃなくて、アメリカとかの外国でなのっ
 てるような感じで考えれば良いと思う。」
 心の中では、膨らませた悠太の顔にキュン
 としつつ、顔は真面目に言う。
「そっかー、アメリカ…英語…うんうん…
 そうだ!決めた!名前!」
 顔をルカに勢いよく近づける。
 ルカは思わず後ずさり、転んでしまう。
「おっ、うあ。いてて。
 決まったなら良かった、それでその名前は何?」
 顔を上げて、聞く。
 悠太は自信満々な顔で、バシッと!
「その名もユウ・ブレイブだ!」
 ピロンっ!
『NANE ユウ・ブレイブ』
「おお~、登録された。やったー!」
 ばんざーいとする悠太…ではなくユウ・
 ブレイブ。そして、様子を見ていたルカは
「良かった、やっとはじめの一歩にたどりついた
 わぁ。」
 ほっとため息をつき、ゆっくり立ち上がった。
 パッパと草などのついた服をはらい、整えながら
「さて、次の段階にいきましょうか。」
 落ち着いた声で、やることを考える。
「うん、どうやって閉じるんだっけ?」
 がくっ、とルカはつまずき、頭をかかえて言う。
「はぁー、開いた時と逆で『ステータスクローズ』
  で閉じれるよ。」
 ユウは、頭を抱えていることに首をかしげた後
 納得した表情で
「ほぉ、ありがとう。『ステータスクローズ』。
 おお~閉じた。」
 その後、思い出したようにルカは立ち上がり、
「先に進みましょう。」
 ユウは、そう言われた後、すぐに立ち上がり
「うん、僕たちの冒険の始まりだー!」
 と空に向かって思い切り叫んだ。

            ~勇者の初めての魔物退治~

 ズンズンと進んで行くユウとその後ろを
 回りを警戒しながらついて行くルカの二人は、
 最初の町を目指していく。
 草のあるとこを抜けて、道に下り、
 その通りを進みながらユウとルカは話していた。
「ルカ、質問していいか?」
「うん、かまわないけど。」
「Lv(エルブイ)って、どういうことを表しているん  
 だっけ?そして、なんでルカと数字違うんだ  ろ?」
「えっ…!知らないの!?」
「うん、知らない。なんか問題ある感じか?」
 警戒することを忘れ、唖然としたルカを
 キョトンした感じで見るユウ。
「レベルのことよ。異世界冒険の基本中の基本
 でしょ。」
「そうなの?ほんとに何もやった事もない
 からなぁ。それって、どんな効果?」
「効果というか、経験をどれくらい積んだが
 わかる数字で、その数字が大きいほど強い。
 戦闘経験や知識を得ていくことで経験値EXP
 が溜まり、レベルが上がるの。」
「おお~!すごいね。レベル高い人ほど
 強いんだ。ルカは俺より強いってことか。」
「まぁ、ステータス上はね。」
 うーんと、ルカはなんとも言えない表情で答える。
「うん?ステータス上?」
 何か違っていたのかと、少し残念になりつつ、
 ユウは聞く。
「そう、スキルという技術をあらわすものがあって、その使い方でたとえレベルの高い相手でも
 逆転できる可能性があるの!」
 急に気分が一転明るくなり、早口になった。
 ユウは突然の変わりように驚いて、コケそうに
 なりつつ、
「おおー…!それはなんだ?」
 すぐに建て直して、ユウは
 異世界の知識についての質問モードに切り替わる
 ルカもテンションは落ち着き冷静に答える
 「スキルというのは、剣術や弓術、魔術などの
 固有の能力を数値化して表したもので、数値が高いほど、スキルが高いってことなのよ。
 今、レベル低いけどスキルレベルが高ければ
 技の威力を何倍にもできたり、強力な魔法を
 使えたりするの……ユウ?大丈夫? 」
 ルカがふとユウの表情をみると、
 目を回している。
「はわぁ、情報が多くて処理仕切れない。
 時間欲しい。」
 ユウは新しい情報が多すぎて、
 うまく処理しきれなかったようだ。
「そんなに、多かった…?それほど難しいことは、
 言ったつもりなかったんだけど。」
 ルカは困惑している。
「異世界の専門的知識すぎて、スキルの種類とか
 レベルとスキルは違うとか覚える事が多いから
 混乱したんだ。
 少しずつ分かってきたから大丈夫。」
 (スキルにそんな種類があるとは
 覚えるの大変だ。)と思いつつ、
 ルカに笑顔で答えるユウであった。
「理解してきているなら、良かったわ。
 先に進みましょ。魔物退治よ。」
「おぅ!魔物倒してレベルアップだ。」
 ルカは改めて、警戒を開始して、周りを見渡しながら、魔物を探す。
 ユウはその横を真似して歩く。
「ユウ!スライムがいたわ!」
「うん?」
 ルカが指差す所を見ると、
 青いプルプルしたものがいた。
「あれって、ルカと出会ったきっかけのやつだ。
 あれ、ほんとにスライムって言うんだ。」
 自分で納得しつつ、そのまま行こうとすると
 ルカに止められた。
「うん?なんで止めるんだ?魔物倒しに行かないと。」
「えっ~とね、そんなつっこんで魔物は倒しに
 行くものではないの。きっかけとしては覚えているのに、どんな目にあったかは覚えてないの?」
 ルカは少し呆れたように聞く。
「あっ!そういえば、スライム、
 なんか怒ったみたいにつっこんできたな。
 ルカが来るまで避けてたや。」
 思い出したように答える。
 特になんとも思ってなかった、
 ユウは忘れていた。
「ユウ、本当に忘れてたのね。まぁ、いいわ。
 魔物は敵とみなした相手に対して全力で攻撃してくる。普段はおとなしいのが多いけどね。
 強さが上のものになってくると人間の言葉を
 話したり、集団でうごいたりする。
 その頂点にいるのが私たちが倒すべき相手である
 魔王よ。」
「おおー!なんかすごいな。
 そうか魔王は魔物の頂点かぁ。強いんだな。
 あっ!スライムはどうやって倒すんだ?
 この剣つかうのか?」
 剣をズボンのベルトから出し、空に振りかざす。
「そうよ、それでスライムに攻撃するの。
 説明するより、実際に振ってみたら。
 なんかスキル出ると思うわ。」
「分かった、倒してくるぜ!」
「ちょっと、つっこんで倒すものじゃないって!」
 ユウは全速力で走っていき、思い切り飛ぶと、
 スライムに剣をたたく。
「やぁー!」
「プルルー!?」
 どーんと音がして、地面はすこし削れるほど。
 ピシャン、ポン、カシャンと銅貨が現れた。
「わあ、倒せた、やったー!ルカー!倒せたぞ」
 手を挙げて思い切り喜びの舞をしている…ユウ
 を見て、あまりにも威力高すぎて口が閉じれない
 ルカが立っていた。
 (えぇー威力高すぎるよ。スライムが見えなかったよ。でも…そうよね。勇者だもの。)
 冷静になり、ユウの元へ駆け寄る。
「やったー!」
 パチンと両手でハイタッチをする。
「では、もっと魔物を倒すのよ。レベルアップ
 しなきゃ。」
「うん、頑張るよ。」
 ユウは初めての魔物退治を終え、達成感を味わい
 ながら、先に進んでいく…

















            


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