非オタな僕が勇者に転生したら、オタな彼女が賢者に転生してサポート万全だった。

第二章 異世界の価値観を知る。

森に住む魔物使いと魔物たち〜魔女の森と呼ばれる所にクラスメイトあり！？〜

　四人はアトモスフェーラ草原に出た。
　道を歩く冒険者に聞くと、魔女の森という
　ものがあり、そこに近づくとみんな追い出される
　か迷って出て来れないらしい。
　そんな噂を元に草原を歩きながら探している。
「空気がきれいだな、澄んでる…今までも
　こんな感じだな。都会のような場所がない。」
　よく考えたらという感じで言うユウ。
「まぁ、そうだな。発展してないんだろ。
　そこまでな、しなくてもいいけどな。」
　考察を言うレン。
「そうね、しなくても充分よ。
　平和なら！」
　共感するルカ。
「はい、ルカと入れるならどこでも良いのです！」
　笑顔で言うマユミ。
　困惑した顔をするルカ。
「おっ！あそこじゃないかな？
　なんか暗ーい感じの雰囲気感じるし、
　威嚇されてる感じもする。」
　ユウは直感を信じて言う。
　指差した方向には、周りの明るい感じの緑とは
　真逆で、深緑や黒などうっそうとした暗さを
　感じる森があった。
「不気味だな。魔女の森って言われても納得が
　行く。まぁ誰が魔女かは知らないが。」
　少し恐怖を感じつつ言うレン。
「私じゃないわよ！賢者と魔女は違うんだから
　とにかくいきましょ！調査しなきゃ。」
　反論して言うルカ。
「別にルカが魔女だとは言ってないだろ。
　本当に知らないから言ったんだ。」
　誤解を解くように言うレン。
「あっそう。ごめんなさい。」
　謝りはするルカ。
「あんまり気持ちこもってないぞ。
　まぁ、いいか。先に進もうぜ、ユウ。」
　ルカに突っ込みつつ、ユウに先に進ませるレン。
「うん、分かった行くよ。」
　気が進まなそうに言うユウ。
「ユウ、怖いのですか？」
　察したマユミ。
「えっと…ちょっと怖いかな。今までの経験で
　行ったことない場所だから。」
　慣れない暗い場所に抵抗感を感じてるユウ。
「そうですね、わたくしも行きたくはない
　です…でもみなさんがいるから大丈夫ですよ。」
　恐怖で顔が少し歪みつつ、勇気を出すマユミ。
「そうだね、頑張るぞー！」
　気合いを入れるユウ。
　四人は魔女の森に入っていった。

　　　　　　　～魔女の森～

　木々は葉が生い茂り、太陽の光はほとんど
　入っていなかった。
　遠くから魔物が警戒した目線も感じる。
　自ら襲ってくる魔物は少ないようだ。
「魔物は警戒はしてくるけど、襲ってくる
　感じはしないなぁ。もちろん襲ってくる
　のもいるけど。」
　不思議に思うユウ。
「そうねー、敵意を剥き出しで襲ってくる
　のくらいしかいないの。
　こういうところなら、操られてそうな
　魔物がいてもおかしくなさそうなのに。」
　少しがっかりそうにするルカ。
「どこで残念そうにしてんだ。
　戦うのも変に動きにくいから、魔物が来ない方
　がいいだろ。」
　(アンデッドとか来られても困る。)
　正論を言うレン。
　内心は恐怖のドキドキである。
「はっ！」
　マユミがレンの後ろで普通の声で驚かせる。
「わぁ！なんだ！マユミ？！脅かすなよ。」
　心臓に悪い顔をして、大声を出すレン。
「ほぇ！レン、大声出すなよー。
　魔物もびっくりして襲ってきちゃうかもしれない
　よ。」
　ユウもびっくりしてびくっとしつつ、注意する。
「マユミ～、驚かせないの。さすがに
　ふざけるのは良くないわ。」
　特に驚いた様子なく、注意するルカ。
「ごめんなさい、面白そうだったもので、
　うふふ。」
　反省する様子は見せつつも、楽しそうに言い訳
　するマユミ。
「すまん、このような状況で大声出すべき
　でなかった…。」
　気まずそうな顔で言うレン。
「森の静けさを邪魔するものは許さない！
　人間どもめ！」
　四人の目の前に現れたのは、鋼の刃先の
　片手剣を持ったラベンダー色の瞳の片角の
　魔族が殺気を放って剣先を向けている。
「はわぁ、ちょっと待って、話し合おう。
　この森を荒らす気はないよ。」
　なんとか戦わずに解決したいユウ。
「すみませんでした、大声出したのは俺です。
　傷つけるなら俺だけにしてください！」
　自分の身を犠牲してでもみんなを守りたいレン。
「ちょっと、自己犠牲精神はやめて！
　誰かは知らないけど、私たちはこの森の調査に
　来ただけよ。無駄な争いはしたくないの。」
　応戦の構えはしつつ、しっかり意見を言うルカ。
「騒がしくしてしまい、申し訳ありません。
　この森の様子を見ていただけなのです。」
　謝りつつ、理由を説明するマユミ。
「言語道断！話し合いなどする余地はない！
　この森で騒がしくした時点で敵とみなす！
　生きて帰れると思うな！」
　頭に血が昇っているようで、交渉は聞かない
　魔族。
「待ってください！争いは求めていません。
　トリステ、やめてください！」
　はぁはぁと、息を整え、必死に訴える女性。
「フミ様！？申し訳ありません…。」
　申し訳なさそうに剣をおろす魔族。
「フミ…？あっ！もしかして音無　書おとなし　ふみさん？！間違ってるかな？」
　ユウは思い出して聞く。
「えっ…そうです。なぜ転生前の名前を…
　知っているんですか？うーん？」
　素直に答えた後、考え込んでしまったフミ。
「何者だ！元の名前を知ってるものはそういない。
　フミ様を狙ってるのか？！」
　警戒モードに再びなるトリステ。
「はわわ、僕は真忠　悠太まただ　ゆうた
　だよ。今は勇者のユウ・ブレイブだよ。」
　慌てながらも、自己紹介するユウ。
「悠太さんなのですか？！でも…この口調は。
　そして、ほんわかした無害な感じは。
　本物ですね。ということは…別の方も。」
　考えつつ、状況を冷静に分析するフミ。
「本物って…偽物いるのかな？」
　困惑するものの、理解してもらえてホッと
　しているユウ。
「俺は 玉理錬たまり　れん。
　今は薬師のレン・アポテカだ！」
　かっこつけながら自己紹介するレン。
「レンさん。かっこつけの中に真面目さ
　がでていて、カッコつけられない感じは
　本物ですね。」
　うんうんと納得するフミ。
「はぁ、どういう本物判定だよ。」
　顔を真っ赤にして恥ずかしがっているレン。
「私は在原　瑠花ありはら　るかよ。
　今は賢者のルカ・ピースって名乗ってるの。」
　明るく自己紹介するルカ。
「なるほど、本物ですね。」
　さらっと認識するフミ。
「へっ？それだけ？」
　困惑のルカ。
「最後はわたくしですね。
　わたくしは的山　雅弓あづち　まゆみ
　と申します。現在は弓使いのマユミ・アローと
　名乗っております。」
　華麗な自己紹介するマユミ。
「この滲み出る上品さと完璧な立ち居振る舞いは
　まさにマユミ様と呼ぶべき存在。
　本物ですね。」
　納得しているフミ。
「うふふ、様付けはやめてください。
　もう今はただのマユミですので。」
　楽しそうに話すマユミ。
「なんで私だけ解説ないのよー。」
　怒るルカ。
「必要なかっただけです。
　私の家に案内します。ついてきてください。」
　冷たくルカに返事をして、普通の話し方に戻り
　家に案内するフミ。
「家どこにあるの？見当たらないよ。」
　どこを見ても木や植物、暗闇ばかりで家らしき
　ものが見当たらないため聞くユウ。
「隠してあるので。」
　とまだ木々がうっそうとしてる所で止まるフミ。
「シークレットハウス！」
　そうフミが唱えると辺り急に明るくなり、
　太陽の光がさした花壇のある木のログハウスが
　現れた。
「こちらが、私たちの家です！」
　ババーンと紹介するフミ。
四人はフミの家に入って行くのであった…