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1章 始まりと別れ。
監視の目、、?
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進級式から2ヶ月が経ったある日。
なんだか今日は一段と騒がしい。
教室内だけじゃなくて、廊下も、この学年の生徒たちが騒がしい。
でもその騒がしい理由がすぐにわかった。
「今日は転校生を紹介する。、、、入りなさい」
担任の、ホームルームでの言葉で、、。
2ヶ月遅れで転校って珍しいな。
それになんの告知もなく突然今日来る、ってなに?
普通は告知的なものあるくない?
あ、、でも周りの生徒たちは知ってたからあれだけ騒いでいたのか。。
じゃあ私が聞いてなかっただけなのか?
私は色々と考えていて、転校生が名前を名乗るまで教室に入ってきていたことに気づかなかった。
「、、、どうも。高梨玲です」
教壇から聞こえた少し高めの声に、その名に驚いて伏せていた顔を勢いよくあげる。
黒板前に立つ男から目が離せない。
息が詰まる。
瞬きすることすら忘れ、目の前の事実を受け入れきれず、ただ、どうして、なんで、それだけが頭の中をぐるぐる回る。
見る感じ180は確実にあるだろうという高身長に、真っ黒な髪、鋭い目付きと筋の通った鼻。
見間違えるはずがない。彼は。。。
「高梨は、あそこの空いてる席に座ってくれ」
先生が指示した席は、遥輝の真後ろの席で、そこはちょうど私の席が視界に入る場所で、、。
「、、、見つけた、、、」
私の席の横を通りすぎる時、彼は小さくそう口にした。
ため息程の囁くような小さな声。
それを私の耳はバッチリと拾った。
その言葉が意味するのは、きっと。。
授業内容も、休み時間何をしたのかも記憶にないほどあっという間に過ぎて、気づいた頃には放課後だった。
クラスメイトは全員帰っていて、教室には私と、なにか話し込んでいる様子の遥輝と"彼"が。。。
何も言わず、そっと席を立ちカバンを手にして教室から出ようとした時、制止の声が飛ぶ。
「柚。待てよ」
「、っ、、」
その声は遥輝で、背を向けているけれど私の方を確実に見ているであろうことはひしひしと伝わる。
逃げ出したい。
でも足が、たった1歩が出ない。
どうしよう、なんて考えていたら、すぐ側まで近づいてきていたことに気が付かなかった。
「ゆずち、」
「っ、うるさい!」
その声で私の名前を呼ばれるのが大嫌いだから、彼が何かを言う前に遮るように言葉を投げる。
「なんのためにここに来たの!?またあの人の犬、?どれだけ私の事監視する気!?意味わからない!」
「柚、落ち着けって」
「遥輝は黙っててよ!関係ないでしょ!私はこいつが、、っこの裏切り者っ!」
よく考えれば最低な言葉を発したと思う。
でもどうしても冷静にはなれなかった。怒りが先走って、頭に浮かんだ言葉をそのままぶつけることしか出来なかった。
、、、子供みたい。
文句しか言えなくて、彼は悪くないってわかってるのに、どうしてもそうは思えなくて、、それは誰よりも彼のことを信用してたからで。。。
彼、、高梨玲はいとこで、小さい頃は兄妹のように一緒に育てられた。
私の両親は海外で仕事をしているから家にはもちろん、日本にすらいてなかった。
玲の家も、母親は育児放棄、父親は地方を回っていて家には誰もいてなくて、私たちは、私の母方の祖母に育ててもらった。
私は杉浦の跡取りだと言い聞かされて育てられたから玲よりも厳しくされてて、でも玲と遥輝と遊ぶ時間が何よりも楽しくてイタズラや悪さなんかたくさんしてた。
そんなある日、私のイタズラを玲がお祖母様に言いつけたのだ。
その事実が信じられなくて、わけがわからなくて、ただ漠然としていた。
それからは私がなにかする事に玲はお祖母様たちに告げ口や私の監視をした。
今まで楽しく一緒に遊んでいた、唯一家族の中で信用しててなんでも話せる人だったのに、幼かった私は"裏切られた"としか思わなくて、理由も聞かず玲の事が嫌いになって避けた。
中学に上がる頃には玲と暮らしていた家を出て両親の家に1人で暮らした。
あとから聞いたけど、玲が告げ口や私の事を監視していたのはどうやら杉浦の使用人の誰かに言われたからだとか。
それがわかっても、どうしても玲の事が許せなくて、杉浦の家も玲も嫌いになった。
「柚ちゃん、ごめん。今更謝ってももう遅いのはわかってるんだけど、どうしても言いたくて、、、お祖父様にお願いして入学させてもらったんだ、」
おじいちゃんはわかってて玲を入学させた、ってこと、、?
じゃあ、監視じゃない、の、、?
もう何が何だか分からない。
だって玲は。。。
「杉浦の犬じゃないの、?また私を監視するために入れられたんじゃないの」
「っ違うよ!、、、本当はそういう命令で入学するはずだったんだけど、、僕、勘当されちゃって、、」
「、、っ!?」
玲の言葉に目を見開く。
勘当された、、?
つまり、、全ての権限を剥奪されて、何者でもなくなった、と、、、?
それが意味をするのは、極端に言うと"死ね"と言われるのと同じこと。
杉浦から出されるというのはそういうことであり、存在自体を消される。
「最後にお祖父様が僕のわがまま聞いてくれたんだ、、」
悲しそうに、でもどこか覚悟したように笑う玲。
胸が苦しくなった。
高梨の家がなくなろうが杉浦には関係ないのだ。
杉浦には他にいくつか名のある名家が存在してて、それが合わさっての"杉浦"。
そのひとつが高梨家、そして高田家だ。
古くからの仲らしく切っても切れない関係だとか。
何十年と続く関係でも杉浦のトップを取り仕切る人間の一言でいとも簡単に変わる。
高梨家は無血だけど、私の母親の妹が高梨家の長男と結婚したことによって血縁関係が成立し、親戚となった。
その高梨家が、、、。
それ以上は何も言えなくて、聞けなくて、、玲にも遥輝にも何も言わず学校を後にした。
私にはどうすることも出来ない。
いくら直結の血筋をもつ私でも1度杉浦の家を出た身だから、なんの権限も権力も持っていない。
でも、、玲が杉浦の監視として学校に来たわけじゃないと知った途端、体の力が抜けた。
良かった、って心から思った。
監視されてなくて、じゃなくて玲に冷たい目を向けられなくて、、、。
杉浦のトップを取り仕切るのは、他でもなく私のおじいちゃん、杉浦総司。
あの人が何を考えているのか知らないけど、腹立たしいことに変わりはない。
なんだか今日は一段と騒がしい。
教室内だけじゃなくて、廊下も、この学年の生徒たちが騒がしい。
でもその騒がしい理由がすぐにわかった。
「今日は転校生を紹介する。、、、入りなさい」
担任の、ホームルームでの言葉で、、。
2ヶ月遅れで転校って珍しいな。
それになんの告知もなく突然今日来る、ってなに?
普通は告知的なものあるくない?
あ、、でも周りの生徒たちは知ってたからあれだけ騒いでいたのか。。
じゃあ私が聞いてなかっただけなのか?
私は色々と考えていて、転校生が名前を名乗るまで教室に入ってきていたことに気づかなかった。
「、、、どうも。高梨玲です」
教壇から聞こえた少し高めの声に、その名に驚いて伏せていた顔を勢いよくあげる。
黒板前に立つ男から目が離せない。
息が詰まる。
瞬きすることすら忘れ、目の前の事実を受け入れきれず、ただ、どうして、なんで、それだけが頭の中をぐるぐる回る。
見る感じ180は確実にあるだろうという高身長に、真っ黒な髪、鋭い目付きと筋の通った鼻。
見間違えるはずがない。彼は。。。
「高梨は、あそこの空いてる席に座ってくれ」
先生が指示した席は、遥輝の真後ろの席で、そこはちょうど私の席が視界に入る場所で、、。
「、、、見つけた、、、」
私の席の横を通りすぎる時、彼は小さくそう口にした。
ため息程の囁くような小さな声。
それを私の耳はバッチリと拾った。
その言葉が意味するのは、きっと。。
授業内容も、休み時間何をしたのかも記憶にないほどあっという間に過ぎて、気づいた頃には放課後だった。
クラスメイトは全員帰っていて、教室には私と、なにか話し込んでいる様子の遥輝と"彼"が。。。
何も言わず、そっと席を立ちカバンを手にして教室から出ようとした時、制止の声が飛ぶ。
「柚。待てよ」
「、っ、、」
その声は遥輝で、背を向けているけれど私の方を確実に見ているであろうことはひしひしと伝わる。
逃げ出したい。
でも足が、たった1歩が出ない。
どうしよう、なんて考えていたら、すぐ側まで近づいてきていたことに気が付かなかった。
「ゆずち、」
「っ、うるさい!」
その声で私の名前を呼ばれるのが大嫌いだから、彼が何かを言う前に遮るように言葉を投げる。
「なんのためにここに来たの!?またあの人の犬、?どれだけ私の事監視する気!?意味わからない!」
「柚、落ち着けって」
「遥輝は黙っててよ!関係ないでしょ!私はこいつが、、っこの裏切り者っ!」
よく考えれば最低な言葉を発したと思う。
でもどうしても冷静にはなれなかった。怒りが先走って、頭に浮かんだ言葉をそのままぶつけることしか出来なかった。
、、、子供みたい。
文句しか言えなくて、彼は悪くないってわかってるのに、どうしてもそうは思えなくて、、それは誰よりも彼のことを信用してたからで。。。
彼、、高梨玲はいとこで、小さい頃は兄妹のように一緒に育てられた。
私の両親は海外で仕事をしているから家にはもちろん、日本にすらいてなかった。
玲の家も、母親は育児放棄、父親は地方を回っていて家には誰もいてなくて、私たちは、私の母方の祖母に育ててもらった。
私は杉浦の跡取りだと言い聞かされて育てられたから玲よりも厳しくされてて、でも玲と遥輝と遊ぶ時間が何よりも楽しくてイタズラや悪さなんかたくさんしてた。
そんなある日、私のイタズラを玲がお祖母様に言いつけたのだ。
その事実が信じられなくて、わけがわからなくて、ただ漠然としていた。
それからは私がなにかする事に玲はお祖母様たちに告げ口や私の監視をした。
今まで楽しく一緒に遊んでいた、唯一家族の中で信用しててなんでも話せる人だったのに、幼かった私は"裏切られた"としか思わなくて、理由も聞かず玲の事が嫌いになって避けた。
中学に上がる頃には玲と暮らしていた家を出て両親の家に1人で暮らした。
あとから聞いたけど、玲が告げ口や私の事を監視していたのはどうやら杉浦の使用人の誰かに言われたからだとか。
それがわかっても、どうしても玲の事が許せなくて、杉浦の家も玲も嫌いになった。
「柚ちゃん、ごめん。今更謝ってももう遅いのはわかってるんだけど、どうしても言いたくて、、、お祖父様にお願いして入学させてもらったんだ、」
おじいちゃんはわかってて玲を入学させた、ってこと、、?
じゃあ、監視じゃない、の、、?
もう何が何だか分からない。
だって玲は。。。
「杉浦の犬じゃないの、?また私を監視するために入れられたんじゃないの」
「っ違うよ!、、、本当はそういう命令で入学するはずだったんだけど、、僕、勘当されちゃって、、」
「、、っ!?」
玲の言葉に目を見開く。
勘当された、、?
つまり、、全ての権限を剥奪されて、何者でもなくなった、と、、、?
それが意味をするのは、極端に言うと"死ね"と言われるのと同じこと。
杉浦から出されるというのはそういうことであり、存在自体を消される。
「最後にお祖父様が僕のわがまま聞いてくれたんだ、、」
悲しそうに、でもどこか覚悟したように笑う玲。
胸が苦しくなった。
高梨の家がなくなろうが杉浦には関係ないのだ。
杉浦には他にいくつか名のある名家が存在してて、それが合わさっての"杉浦"。
そのひとつが高梨家、そして高田家だ。
古くからの仲らしく切っても切れない関係だとか。
何十年と続く関係でも杉浦のトップを取り仕切る人間の一言でいとも簡単に変わる。
高梨家は無血だけど、私の母親の妹が高梨家の長男と結婚したことによって血縁関係が成立し、親戚となった。
その高梨家が、、、。
それ以上は何も言えなくて、聞けなくて、、玲にも遥輝にも何も言わず学校を後にした。
私にはどうすることも出来ない。
いくら直結の血筋をもつ私でも1度杉浦の家を出た身だから、なんの権限も権力も持っていない。
でも、、玲が杉浦の監視として学校に来たわけじゃないと知った途端、体の力が抜けた。
良かった、って心から思った。
監視されてなくて、じゃなくて玲に冷たい目を向けられなくて、、、。
杉浦のトップを取り仕切るのは、他でもなく私のおじいちゃん、杉浦総司。
あの人が何を考えているのか知らないけど、腹立たしいことに変わりはない。
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