異世界に転生した私は薬剤師の助手です!?

氷雨 いぶき

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本編

5、襲撃者

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「『不可視のものが見える』だぁ~?」

チビに戻ったレインがコーヒーをすすりながら思いっきり怪訝な顔をする。

「は、はい。それが…………私が「あ、これ見えないな」って思ったヤツのみ見えます」

「ふむ………なら、空気中の菌やカビは見えんな?」

「え?あぁ、確かに………ってうわァ!?」

菌やカビが見えない、と意識した途端に目の前を浮遊する大量のモソモソ。

ちなみに、花粉はすぐに見えなくなったので「当たり前に見える」という意識が芽生えると見えなくなるようだ。

「うわぁ~!すげ、キモっ!」

目の前をあっちにフラフラこっちにフラフラする小さなモソモソを指でつついたりしてみる。

「おい、手のひらに乗せてみろ」

「えぇ~………」

渋々手にのせると、いつの間にやらレインが大人になっていた。

また指で円をつくって魔法を唱える。

「驚いた…………本当に」

レインが言葉を切る。

「ハル…動くな」

「え、え?」

「動くなよ………」

なんの事だか分からない。

まさかこのシチュエーションでキスは無いだろうが、一応ね?

自分に言い訳して口を抑える。

「誰だッ!」

レインが鋭い声を出す。

「チッ!バレたかっ!」

すぅ………と壁に溶け込んでいた黒い影が飛び出す。

「ふん、バカめ………」

レインが咥えていたタバコの灰をポトリと地面に落とした。
瞬間。

襲撃者がぴたりと空中で静止した。

「魔法円展開………領域テリトリー………箱庭ハコニワ_____………」

ぶわぁぁぁあぁぁあぁ。


異質な音を立てて家が消え、代わりに鬱蒼とした森が茂る。

「この私の隠密ステルス魔法を破ったのだ………どんなものかと思ったが。………こりゃ親玉がいるな」



気付けば森は消え、もとの木の家でレインがコーヒーカップを片手にイラついた顔をしている。

「え、えぇ!?」

「なんだ」

「あ、あの人は?」

恐る恐る聞いてみる。

「あぁ、今頃ネペンテス達の腹の中じゃないか?」

「ね、ネペンテス………?」

「ウチの植物園でイチバンな植物らだよ………」

ゾッとする笑顔で笑いかけるレインはやはり恐ろしい。


「さて?明日、ヤツの親玉に会いに行ってみるか。………飼ってる奴がいるはずだ」

「え………」

「大体の検討はついてるさ」

「………分かった。じゃあ今日はシチューくらいで済ませますね?」

両手を上げてソファへ沈むレイン。

これは、お前に任せるといった合図である。





レインの匂いが染み付いたベッドの横に、新たなベッドが置かれたのがやけに嬉しかった。
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