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本編
6、アルカロス将軍
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「待てッ!止まれ。通行証はッ!?」
鈍く銀色に光る鎧をガシャリと鳴らして槍をこちらへ向ける門兵。
「これでいいかな?」
ポケットから純白のペンダントを取り出して門兵に見せるレイン。
門兵が驚いたように取り乱す。
「こッ!し、失礼しました………!」
あっさりと通された。
「レイン、あれなんですか?」
「あれか?あれはな、軍事国家ゼルガナの「重要人物」ですよーって知らせるペンダントだ。猛る獅子の紋章と正義を表すクロスされた槍が特徴だな」
「へ、へぇ~………」
改めて自分が戦争をバンバンやるような国へ来たことを思い知らされる。
「あれさえあれば大抵ドコでもフリーだし無料だ。………もちろん?敵国でやれば即連行、すぐに首と胴がサヨナラするだろうな」
「へ、へぇ~………」
こ、こわっ!
「あら?貧弱な薬剤師の小僧が何の用かしら」
「とぼけるなエリーゼ。私に刺客を差し向けたのはお前であろう」
「心外だわ、そこまで信用がないなんてね」
2人は町外れの屋敷へと来ていた。
目の前には、艶やかな鎧を纏った女性が座っている。
しかも、かなり偉そうに。
「あの~、この人は?」
「こいつか?こいつはエリーゼ・アルカロス。将軍であるくせに血を見るのが好きで戦場をフラフラする変態だ」
「あら、そんな事ないわよ。よろしくね~ハルちゃん?」
すでに名前を知られていることに少々ビビるハル。
「ところで、私は本当に知らないわ。敵国の誰かじゃないの?」
「いや………奴の顔には見覚えがあった。……………そう、そうだっ!」
弾かれたように立ち上がるレイン。
「何故わからなかったのだろう!以前私が国の極秘処刑場へと勝手に入った時に見た顔だっ!」
いや、極秘なんだろ。
勝手に入るなよ。
ツッコミは恐ろしくて入れられない。
「はははっ!じゃあアルテマ派のジジイ共じゃないか?」
「………チッ!アーライル大公は立派なお方であったのに!」
「………………あぁ、亡くなられたそうだな。魔石をお使いになられていたというのに」
「…………………今、世界がどこかおかしい。他の国でも7賢者が入れ替わるという異例が起きてるらしい」
話についていけないハルは出されたお菓子をかじって「うまっ!」とかなんとかバカみたいに言うしかない。
「アルテマ派と言うことは………議会の半数じゃないか!クソッタレめ、奴ら本当に聖戦を繰り返すつもりかッ!」
「あ、あのー………話に…」
「黙ってろ帰ったら話す」
「は、はいー……………」
じゃあなんで私連れて来たの!?
お菓子とお茶飲むだけってバカみたいじゃん!
いや………そんなに成績が良かったわけでもないけどさっ!
「あははっ、アンタは絶対に反対するだろうからねぇ………早めに消しておこうと思ったんじゃない?アルテマ派といえば反賢者的なトコあるしさ」
「………チッ、私は賢者様の犬だとでも………!?」
「知らないよ。直接聞いてみればいいんじゃないかしら」
「………………それ、いいな」
なにやら恐ろしい事を考えているらしい。
これは…止めるのも助手の務めか?
「聖戦なんて名ばかりだろう!結局は他国を攻め落としたいだけだっ!そうなれば最初に衝突するのはゼルガナとイリルムードだ………被害は想像を絶する……!」
「もしかしたらアルテマ派はもうイリルムード側に寝返ってるかもねぇ………そうなれば被害は少ないかも」
「何言ってんだ、ゼルガナの将軍が」
初めてレインが一息つき、コーヒーを上品にすすった。
その目には、堪え難い怒りが映し出されていた。
「………とにかく。私はアーライル大公の遺言に従い、コイツを育てねばならない」
ポン、というにはやや乱暴にハルの頭を叩くレイン。
「せいざい研究に従事するさ」
「あ、忘れてた。………本来、ダメなんだろうけどさ、臨海国シーウィードから依頼だよ」
「………分かった、行こう」
帰り際。
「レイン!」
あ?と振り向くレイン。
「私はいつまでもアンタの味方だからねっ!」
苦笑して背を向けたまま片手をあげるレイン。
強敵が現れたかもしれなかった。
鈍く銀色に光る鎧をガシャリと鳴らして槍をこちらへ向ける門兵。
「これでいいかな?」
ポケットから純白のペンダントを取り出して門兵に見せるレイン。
門兵が驚いたように取り乱す。
「こッ!し、失礼しました………!」
あっさりと通された。
「レイン、あれなんですか?」
「あれか?あれはな、軍事国家ゼルガナの「重要人物」ですよーって知らせるペンダントだ。猛る獅子の紋章と正義を表すクロスされた槍が特徴だな」
「へ、へぇ~………」
改めて自分が戦争をバンバンやるような国へ来たことを思い知らされる。
「あれさえあれば大抵ドコでもフリーだし無料だ。………もちろん?敵国でやれば即連行、すぐに首と胴がサヨナラするだろうな」
「へ、へぇ~………」
こ、こわっ!
「あら?貧弱な薬剤師の小僧が何の用かしら」
「とぼけるなエリーゼ。私に刺客を差し向けたのはお前であろう」
「心外だわ、そこまで信用がないなんてね」
2人は町外れの屋敷へと来ていた。
目の前には、艶やかな鎧を纏った女性が座っている。
しかも、かなり偉そうに。
「あの~、この人は?」
「こいつか?こいつはエリーゼ・アルカロス。将軍であるくせに血を見るのが好きで戦場をフラフラする変態だ」
「あら、そんな事ないわよ。よろしくね~ハルちゃん?」
すでに名前を知られていることに少々ビビるハル。
「ところで、私は本当に知らないわ。敵国の誰かじゃないの?」
「いや………奴の顔には見覚えがあった。……………そう、そうだっ!」
弾かれたように立ち上がるレイン。
「何故わからなかったのだろう!以前私が国の極秘処刑場へと勝手に入った時に見た顔だっ!」
いや、極秘なんだろ。
勝手に入るなよ。
ツッコミは恐ろしくて入れられない。
「はははっ!じゃあアルテマ派のジジイ共じゃないか?」
「………チッ!アーライル大公は立派なお方であったのに!」
「………………あぁ、亡くなられたそうだな。魔石をお使いになられていたというのに」
「…………………今、世界がどこかおかしい。他の国でも7賢者が入れ替わるという異例が起きてるらしい」
話についていけないハルは出されたお菓子をかじって「うまっ!」とかなんとかバカみたいに言うしかない。
「アルテマ派と言うことは………議会の半数じゃないか!クソッタレめ、奴ら本当に聖戦を繰り返すつもりかッ!」
「あ、あのー………話に…」
「黙ってろ帰ったら話す」
「は、はいー……………」
じゃあなんで私連れて来たの!?
お菓子とお茶飲むだけってバカみたいじゃん!
いや………そんなに成績が良かったわけでもないけどさっ!
「あははっ、アンタは絶対に反対するだろうからねぇ………早めに消しておこうと思ったんじゃない?アルテマ派といえば反賢者的なトコあるしさ」
「………チッ、私は賢者様の犬だとでも………!?」
「知らないよ。直接聞いてみればいいんじゃないかしら」
「………………それ、いいな」
なにやら恐ろしい事を考えているらしい。
これは…止めるのも助手の務めか?
「聖戦なんて名ばかりだろう!結局は他国を攻め落としたいだけだっ!そうなれば最初に衝突するのはゼルガナとイリルムードだ………被害は想像を絶する……!」
「もしかしたらアルテマ派はもうイリルムード側に寝返ってるかもねぇ………そうなれば被害は少ないかも」
「何言ってんだ、ゼルガナの将軍が」
初めてレインが一息つき、コーヒーを上品にすすった。
その目には、堪え難い怒りが映し出されていた。
「………とにかく。私はアーライル大公の遺言に従い、コイツを育てねばならない」
ポン、というにはやや乱暴にハルの頭を叩くレイン。
「せいざい研究に従事するさ」
「あ、忘れてた。………本来、ダメなんだろうけどさ、臨海国シーウィードから依頼だよ」
「………分かった、行こう」
帰り際。
「レイン!」
あ?と振り向くレイン。
「私はいつまでもアンタの味方だからねっ!」
苦笑して背を向けたまま片手をあげるレイン。
強敵が現れたかもしれなかった。
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