19 / 34
本編
16、ニュクスの覚醒
しおりを挟む
レインの1番近くにいたのはハルであった。
「なにあれ………!レインじゃ……………ない………!」
ドス黒い影が対流をしている。
それは、誰の目にも「黒い塊」にしか見えないほど堕ちたレインであった。
「コロす………こロす………!」
本来あるべき口も目も鼻もない。
いや、覆われているだけか。黒い闇に。
「おぉ、怖。怖すぎ~☆」
「寄越せ………全部よこしやがれ…太陽喰い………!」
おいおい、それ以上堕とすと深淵を覗く事になるぜ?
そんなもん………………いくらでも覗いてやる。
知ったような口を…
「あ、が………ガァガガァガァグゥガ!」
深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ__________
なんという、なんという冷たい瞳か。
これが……………深淵……。
怖い。嫌だ。もういい。いや、よくない。
「ダメッ!」
不意打ちを食らった気分だった。
あぁ、もう少しであいつを倒せる処まで堕ちれたのになぁ。
………………あー、そういや…………エリーゼに他愛無い約束してたっけ…。
「オレは…………私はもう堕ちない!」
箱庭をとりだしてかざすレイン。
「植物召喚魔法グラン=プラント!」
箱庭から深緑の奔流が飛び出した。
やがてそれは2人を包み、敵の喉を食らうべく無邪気道化師へ迫る。
「あ…………ッ。ちぇっ、他のやつらが来てるなぁ。せっかくいいトコなのにさぁ…………」
邪魔、するなよォ…………
「泥創成魔法…泥人形…………!」
無邪気道化師の体が2つに裂け、片方がカーペットに染み込んで消えた。
「…………ハル、ありがとう。私は2度も大切な何かを失うところだった…」
「よか…………った…あれ………絶対レインじゃなかった………!」
「さて…ここからは私の闘いだ。ハルは危険だから箱庭に入ってろ」
「………はい」
ハルが箱庭に入ったところで、レインは植物へ魔力の供給をやめた。
「何か………向かってくる。2人とも臨戦態勢を……」
にたぁ。
言い終わらないうちに、背筋が凍りつくような笑顔を視界の端に捉えたエレジー。
「キミら、邪魔」
ぬるり。
とっさに後方へ跳んだのは完全に長年の勘であった。
「ニュクス…!ライル…!無事か!?」
「えぇ………なんとか」
なんという事か。
先程の一撃で天井が崩れ落ちてしまった。
「やぁ、皆さん。ご機嫌どうかな?ボクは結構いいよ☆」
「聞いてねぇ………ッス!」
風魔法で瓦礫を全て声のするほうへ吹き飛ばしたライル。
「やった………か?」
「無邪気な大爆発」
視界を塞ぐまばゆい閃光。
鼓膜が飽和して一瞬の闇。
そして崩壊。
「ニュクス………!ニュクス、なんてバカな事を………!」
ニュクスは2人を庇って爆発をその背に受けた。
「俺………の……………命は…貴方らよりも………軽い………当然のこと………ですが…」
「何言ってんだ!てめぇは私の邪魔をしたんだ、分かってんのか!あぁ!?」
「ちょ、姐さん…!」
「黙れ。てめぇが庇ってなきゃ反撃に転じれたのに………なぜ庇う!?お前だって私らと同じ体だろうが………!」
嘘だ。
ライルが困ったようにため息をつく。
「ニュクスさん………人はそんなに上手に転べないっス。しかし………人間らしい転び方はおぼえなきゃっスよ…!」
「あぁ、そうだ。何度でも転べばいい。奴らとは違うのだろう、お前は!転んでも手をついて立ち上がれる力があるのだろう!」
あぁ、そうだった。
俺は………………成長できる。
ニュクスの頰を涙が静かに伝った。
生まれてこのかた研究所にいたときも、一度たりとも流さなかった涙が今流れた。
「今………起き上がらずにいつ起き上がる……………!」
ニュクスの握りしめた拳は決意を持って光り輝いていた。
「なにあれ………!レインじゃ……………ない………!」
ドス黒い影が対流をしている。
それは、誰の目にも「黒い塊」にしか見えないほど堕ちたレインであった。
「コロす………こロす………!」
本来あるべき口も目も鼻もない。
いや、覆われているだけか。黒い闇に。
「おぉ、怖。怖すぎ~☆」
「寄越せ………全部よこしやがれ…太陽喰い………!」
おいおい、それ以上堕とすと深淵を覗く事になるぜ?
そんなもん………………いくらでも覗いてやる。
知ったような口を…
「あ、が………ガァガガァガァグゥガ!」
深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ__________
なんという、なんという冷たい瞳か。
これが……………深淵……。
怖い。嫌だ。もういい。いや、よくない。
「ダメッ!」
不意打ちを食らった気分だった。
あぁ、もう少しであいつを倒せる処まで堕ちれたのになぁ。
………………あー、そういや…………エリーゼに他愛無い約束してたっけ…。
「オレは…………私はもう堕ちない!」
箱庭をとりだしてかざすレイン。
「植物召喚魔法グラン=プラント!」
箱庭から深緑の奔流が飛び出した。
やがてそれは2人を包み、敵の喉を食らうべく無邪気道化師へ迫る。
「あ…………ッ。ちぇっ、他のやつらが来てるなぁ。せっかくいいトコなのにさぁ…………」
邪魔、するなよォ…………
「泥創成魔法…泥人形…………!」
無邪気道化師の体が2つに裂け、片方がカーペットに染み込んで消えた。
「…………ハル、ありがとう。私は2度も大切な何かを失うところだった…」
「よか…………った…あれ………絶対レインじゃなかった………!」
「さて…ここからは私の闘いだ。ハルは危険だから箱庭に入ってろ」
「………はい」
ハルが箱庭に入ったところで、レインは植物へ魔力の供給をやめた。
「何か………向かってくる。2人とも臨戦態勢を……」
にたぁ。
言い終わらないうちに、背筋が凍りつくような笑顔を視界の端に捉えたエレジー。
「キミら、邪魔」
ぬるり。
とっさに後方へ跳んだのは完全に長年の勘であった。
「ニュクス…!ライル…!無事か!?」
「えぇ………なんとか」
なんという事か。
先程の一撃で天井が崩れ落ちてしまった。
「やぁ、皆さん。ご機嫌どうかな?ボクは結構いいよ☆」
「聞いてねぇ………ッス!」
風魔法で瓦礫を全て声のするほうへ吹き飛ばしたライル。
「やった………か?」
「無邪気な大爆発」
視界を塞ぐまばゆい閃光。
鼓膜が飽和して一瞬の闇。
そして崩壊。
「ニュクス………!ニュクス、なんてバカな事を………!」
ニュクスは2人を庇って爆発をその背に受けた。
「俺………の……………命は…貴方らよりも………軽い………当然のこと………ですが…」
「何言ってんだ!てめぇは私の邪魔をしたんだ、分かってんのか!あぁ!?」
「ちょ、姐さん…!」
「黙れ。てめぇが庇ってなきゃ反撃に転じれたのに………なぜ庇う!?お前だって私らと同じ体だろうが………!」
嘘だ。
ライルが困ったようにため息をつく。
「ニュクスさん………人はそんなに上手に転べないっス。しかし………人間らしい転び方はおぼえなきゃっスよ…!」
「あぁ、そうだ。何度でも転べばいい。奴らとは違うのだろう、お前は!転んでも手をついて立ち上がれる力があるのだろう!」
あぁ、そうだった。
俺は………………成長できる。
ニュクスの頰を涙が静かに伝った。
生まれてこのかた研究所にいたときも、一度たりとも流さなかった涙が今流れた。
「今………起き上がらずにいつ起き上がる……………!」
ニュクスの握りしめた拳は決意を持って光り輝いていた。
0
あなたにおすすめの小説
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
アルファポリス恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
*他サイトでも公開中
なろう日間総合ランキング2位に入りました!
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる