異世界に転生した私は薬剤師の助手です!?

氷雨 いぶき

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本編

18、もう1つの決着

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レインとイノセンスの決着から遡ること8分。

ニュクスの回復魔法だけでは追いつかず、徐々に押されるエレジーら3人。


「まずい…………このままじゃジリ貧だぞ…………!」

何か劇的なアクションが欲しいところだった。

ニュクスの体が突然に光り出した。

「よし、よし!これを待ってたんだ…!」

「え?に、ニュクス………!?」

「俺ら魔石人間のNo.0から10は成長するって言ったろう………それが今!体が成長するべき時だと判断した!」

身体中に魔力がみなぎる。

戦闘兵器としての上限、魔石人間としての限界を超えたニュクスはもはや人間と言って刺し違えなかった。


「お前は殺すぞ」

冷ややかに言い放つニュクス。

「フフフ………バカは寝ても覚めてもバカだねぇ☆」

「エレジー、ライル。援護を頼む」

言い終わるや否や、両手を広げるニュクス。

「魔装………怪鳥の鉤爪コンドルクロー!」

魔力のオーラがニュクスに万物を斬り裂く鉤爪を与えた。


一瞬にして距離を詰めたニュクス。

驚くイノセンスが反撃に出る前に一撃で喉を掻き切った。

「うわぁぁああ…………なんてね☆」

切り離された首と胴がみるみる繋がっていく。

「効かないよ~、だってボクは魔石を取り込んだんだから☆」

「チッ!」

先ほども何度も致命傷を与えたはずなのに傷がすぐに塞がってしまった。

本物の魔石はこの世に8つしかない。

ゼルガナで研究されていた人口魔石も、生成するのに大量の、それも純度の高い魔法鉱石ミスリルを必要とする上に本物には遠く及ばない。

永遠の命を与えるのも、本物の魔石だけだ。

「ホラ、斬ってごらんよ☆いくらでもさ」

くそ、これは本当に魔石だ。

それに信憑性を持たせていたのは「賢者死亡事件」であった。

本来、永遠の命であるはずの賢者がここ数年で6人も死んでいる。


(まぁ、嘘なんだけど)

内心舌を出したイノセンス。

イノセンスが死なないのはそもそも命を持たないからだ。

本物のコピー、泥人形クレイドール。いわゆる偽物である。


「ほらほらほらぁ!炎拡散魔法フレイム=マシンガン!」

「やばいッ!水魔法ウォーター=ヴェール!」

ニュクスが後方に跳びながら相殺の属性の防御魔法を発動した。

「チッ!」

次々と水の壁に当たってはジュワジュワ蒸発していく炎の弾。


「さて………どうしよう」

正直、万事休す。

死ねない相手を殺す方法などない。

術師本人を倒せばいいし「死なない」=「偽物」を疑うのがセオリーだが、この異質な状況が事態に信憑性を持たせていた。

「あはははははは、そろそろ死ぬぅ?」

凶悪なまでの猫なで声で死が迫り来ることを悟る。

「くそッ…………どうすれば………え!?」

どろり、とイノセンスの姿が揺らめいたかと思うと溶け出した。


「そうか…………泥人形クレイドールか!くそッ、最初っから気付けたものを…………!」

エレジーは事の判断を誤ったのが相当に悔しいらしい。

とにかく助かった。

1秒でも早く床に座り込みたい。

「え、レインさん!?」

後ろでライルの驚いた声がして思わず振り返るニュクスとエレジー。

「あ、待ってください。音響魔法リ=エコー」

『こっちは何とか倒した……そっちに偽物ダミーが行ったろ?…………だが逃げられた。仲間が助けに来た、お前らも気をつけろ』

「れ、レインさん大丈夫ッスか?」

『大丈夫じゃない。だから少しは休憩させろ!』

無線は一方的に切れた。

「いやー、不機嫌でしたっスね」

顔を見合わせて笑いたいところだが、今入った無線の内容がきになる。

仲間…………か。

ハッとした3人は同じことを考えていた。


「大総統!」

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