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本編
22、襲撃
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その日、ほとんどの班は休暇でレジスタンスの基地内にいた。
癒しの国マールの郊外、目立たない建物は地下に広がっている。
「哨戒中のガーディアン隊6班より入電!夜空の雲の襲撃!総員戦闘配備!非戦闘員は地下4階以下のシェルターへ!」
けたたましく鳴り響くブザーの中、ボルガは冷静であった。
遂にやつらに居場所がバレたか。
いや、そのための備えをしてきたはずではなかったか。
「全員かならず2班以上で固まって動け!迎撃………いや、殲滅するぞ!」
ボルガがマイクに口をつけて大声を出したのは、外まで聞こえていた。
「あれっ?警戒気味だねぇ☆」
「油断はするな。狡猾に行こう、道化師」
「ははっ、クルーエルらしい」
この日この場所に集まっていたのは殺されたベウを除く、全道化師。
スケアム、トレイダー、イノセンス、クルーエル、キル、ヒミリエイション、エビル、デッド、そしてタイラントである。
「それにしても、なんでベウは殺されたんだ?全く………魔石を取り込んでいたというのに」
「さぁ、敵さんが魔石人間の殺し方を知ってたからじゃないか?」
「冗談。スケアムさんちょっとオカシイ」
「おい、冗談いってるなよ」
タイラントが一声かける。
全員を振り返って睨む。
「我らの覇道の先にレジスタンスは不要だ。ベウがレジスタンスにやられた、その事実は変わらない」
「よっしゃ、弔い合戦とでも洒落込みますか?」
意気込むヒミリエイション。
洒落込むなバカと諭されて「冗談っすよ柄にもない」と一蹴。
「よし………目標、全団員。行くぞ」
特別声をあげるものもいない。
ただ、全員がこれから聞ける絶望と悲鳴を噛み締めていた。
「アグレッシブ隊8班4班3班合同班、地下2フロアにて屍道化師と交戦!」
「ガーディアン隊2班4班6班合同班、地下3フロアにて詐欺道化師と交戦中!」
鳴り響く入電。
ボルガは動くべきか決めあぐねていた。
手薄なところからいくらでも侵入できる作りになっているレジスタンス本部は入り込まれると面倒だ。
「…………行くか」
ボルガは額に大きな傷がある。
最愛の妻と娘を殺された。
「死に場所…………あったな」
1人呟くと、妻と娘が殺されレジスタンスを発足させた時から23年貯めてきた魔力を解放した。
「あークソ。まだ休み2日目じゃんよ」
「つべこべ言わないッ!」
「敵は?」
「9人…………だけど泥人形を使わないとは言えない」
エレジーの班は同じガーディアン隊の4班と8班と合同で移動中だ。
4つ目の角を曲がったとき、無線が入った。
「ガーディアン隊…………2班4班6班…………合同…全滅………グァッ!」
やばいなこりゃ………と死んだ仲間に静かに手を合わせ警戒を最大まで引き上げる。
引き上げていたのに。
背後からやられた訳じゃない。
不意をつかれたわけでもない。
ただニッコリと笑って通路に立っていた男の脇をすり抜けたとき仲間が3人死んだ。
「防刃魔法リジェクション=ナイフ!」
ほとんど反応で叫んでいたニュクス。
防御していなければどうなっていたのかという程大量のナイフが襲う。
「ほぉ…………そいつが魔石人間か。……………邪魔だなァ」
凍りつくような狡猾な笑み。
エレジーは素早く無線をとった。
「エレジー班、残酷道化師と交戦!仲間が3人殉職しました、回復の見込みはありません!」
一方的にまくし立て剣を抜く。
「なんだ………やる気まんまんじゃん。…………面倒くさいなぁ」
「ほざけ」
空気が揺れた。
いや、空間そのものが。
それほどまで、かつてないほどにレインは怒っていた。
「お前………は…殺ス」
ハルが箱庭に入っていてブレーキが効かなかったのかもしれない。
何度目ともしれない怒りの中にまた、レインはその身を落とした。
癒しの国マールの郊外、目立たない建物は地下に広がっている。
「哨戒中のガーディアン隊6班より入電!夜空の雲の襲撃!総員戦闘配備!非戦闘員は地下4階以下のシェルターへ!」
けたたましく鳴り響くブザーの中、ボルガは冷静であった。
遂にやつらに居場所がバレたか。
いや、そのための備えをしてきたはずではなかったか。
「全員かならず2班以上で固まって動け!迎撃………いや、殲滅するぞ!」
ボルガがマイクに口をつけて大声を出したのは、外まで聞こえていた。
「あれっ?警戒気味だねぇ☆」
「油断はするな。狡猾に行こう、道化師」
「ははっ、クルーエルらしい」
この日この場所に集まっていたのは殺されたベウを除く、全道化師。
スケアム、トレイダー、イノセンス、クルーエル、キル、ヒミリエイション、エビル、デッド、そしてタイラントである。
「それにしても、なんでベウは殺されたんだ?全く………魔石を取り込んでいたというのに」
「さぁ、敵さんが魔石人間の殺し方を知ってたからじゃないか?」
「冗談。スケアムさんちょっとオカシイ」
「おい、冗談いってるなよ」
タイラントが一声かける。
全員を振り返って睨む。
「我らの覇道の先にレジスタンスは不要だ。ベウがレジスタンスにやられた、その事実は変わらない」
「よっしゃ、弔い合戦とでも洒落込みますか?」
意気込むヒミリエイション。
洒落込むなバカと諭されて「冗談っすよ柄にもない」と一蹴。
「よし………目標、全団員。行くぞ」
特別声をあげるものもいない。
ただ、全員がこれから聞ける絶望と悲鳴を噛み締めていた。
「アグレッシブ隊8班4班3班合同班、地下2フロアにて屍道化師と交戦!」
「ガーディアン隊2班4班6班合同班、地下3フロアにて詐欺道化師と交戦中!」
鳴り響く入電。
ボルガは動くべきか決めあぐねていた。
手薄なところからいくらでも侵入できる作りになっているレジスタンス本部は入り込まれると面倒だ。
「…………行くか」
ボルガは額に大きな傷がある。
最愛の妻と娘を殺された。
「死に場所…………あったな」
1人呟くと、妻と娘が殺されレジスタンスを発足させた時から23年貯めてきた魔力を解放した。
「あークソ。まだ休み2日目じゃんよ」
「つべこべ言わないッ!」
「敵は?」
「9人…………だけど泥人形を使わないとは言えない」
エレジーの班は同じガーディアン隊の4班と8班と合同で移動中だ。
4つ目の角を曲がったとき、無線が入った。
「ガーディアン隊…………2班4班6班…………合同…全滅………グァッ!」
やばいなこりゃ………と死んだ仲間に静かに手を合わせ警戒を最大まで引き上げる。
引き上げていたのに。
背後からやられた訳じゃない。
不意をつかれたわけでもない。
ただニッコリと笑って通路に立っていた男の脇をすり抜けたとき仲間が3人死んだ。
「防刃魔法リジェクション=ナイフ!」
ほとんど反応で叫んでいたニュクス。
防御していなければどうなっていたのかという程大量のナイフが襲う。
「ほぉ…………そいつが魔石人間か。……………邪魔だなァ」
凍りつくような狡猾な笑み。
エレジーは素早く無線をとった。
「エレジー班、残酷道化師と交戦!仲間が3人殉職しました、回復の見込みはありません!」
一方的にまくし立て剣を抜く。
「なんだ………やる気まんまんじゃん。…………面倒くさいなぁ」
「ほざけ」
空気が揺れた。
いや、空間そのものが。
それほどまで、かつてないほどにレインは怒っていた。
「お前………は…殺ス」
ハルが箱庭に入っていてブレーキが効かなかったのかもしれない。
何度目ともしれない怒りの中にまた、レインはその身を落とした。
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