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本編

24、ピエロキラー

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「どうなってんだ………こりゃあ?」

盗賊である干支賊はレジスタンスの本部の位置が分かったことから、数十人を引き連れて来ていた。

しかし、人の気配はせず気のせいか血の臭いもする。

「頭ァ………やめときません?なんかヤバイですって今回の」

「そうですよ。噂によると夜空の雲クラウンナイトと抗争しているとか………!」

精鋭12人は干支になぞらえて《干支人》と呼ばれる。

「しかしなぁ………なかなかコストをかけて来たじゃないか、今回」

「そりゃそうですけど………さすがにオレらでもレジスタンス全員は相手にできませんって」

あーでもない、こーでもないと論争が続く中。レジスタンス本部。






「レイン!?レイン………!」

レインは今や漆黒の闇に覆われてしまった。

もう口も鼻も分からない。

ただ立ち上る憎悪がドス黒い力となってみなぎっているのは分かった。


「お………マエ……ラ、離れ………テロ………!」

最後の力を振り絞って仲間に警告したレイン。

「ヤバイ………これは本気でヤバイ。離れますよ姐さん」

「し、しかしレインが」

「アレは俺らにどうにかできるもんでもないっス!てかむしろ邪魔になる」

こうなるとエレジーの理解は早い。

「なら他の隊を………!」

「えぇ、そうしましょう」

「確かワンフロア下にピエロが一体出てたはず………」

ニュクスの助言で下のフロアへ向かった3人だった。


「おーおー、随分と変わっちゃってまぁ……」

「イっとく………もウ………しゃべれナイ」

ナイ、のところですでにクルーエルに迫っていたレイン。

「いいねぇ」














「大丈夫かッ!」

エレジーたちが到着した時、かろうじて息のあったものが3名。

ほかは即死か………!


「え、エレジー副団長………」

「やめろその呼び方。いいか、ニュクスが回復してくれる。シェルターまで持たせろ………!」

「あれ、それはボクがちょっと待てないかなァ☆」


イノセンスか………!

こいつには借りがある。

「爆発魔法ボム=クラッシャー!」

叫んだエレジーは爆発が起こるのと同時に隊員を手繰り寄せた。

するどくニュクスを呼んで応急処置をさせる。

「ドラコ………いけるか?」

エレジーが使える唯一の召喚獣である。

キュルル、と返事をしたドラコが背に3人を乗せて地下シェルターへと向かった。

「いやぁ、よくもやってくれたね☆」

「お前は私らが倒す!」

「ほざくね☆」

イノセンスが一気に距離を詰めて来た。
反応しきれず、
やばい。死ぬ__________

エレジーらの腹を魔法が直撃する前に。

イノセンスの体が跳ねた。



「お、お前は………聖炎騎士団ホーリーフレアナイツ………!」

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