しっかり者で、泣き虫で、甘えん坊のユメ。

西友

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番外編③

5

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 一週間後。
 土曜日の夕方。

 あの夜以来。
 優斗はコンドームを隠すようになってしまった。部屋の何処かにあるはずなのに、見つけられない。

 バイト終わりのいつものスーパー。買い物かご片手に、魚コーナーの前にぼんやり立つ璃空。

(……何で駄目なんだろう。大事にしたいって言ってたけど、よく分かんない)

 あんまりしつこく質問するのも躊躇われ、いまだに理由が分からずモヤモヤしていた。

「お、朝比奈」

 聞き慣れた声に振り向く。そこには、同じく買い物かごを持つ前原がいた。中身はインスタントのものが多めだが、きちんと野菜も入っていた。

「ちゃんと自炊してるのか。えらいじゃん」

 褒めると、前原は口を尖らせた。

「ふーんだ。オレを捨てたやつに褒められても嬉しくねーもん」

「人聞きの悪い。そういや、今日は牛乳が特売だったぞ」

「まじで? 早く買わねーと」

 前原が慌てて牛乳売り場に向かう。素直で単純な前原を見て、璃空は心が少しほんわかした。

 
 会計を済ませた商品を、並んでレジ袋に詰める二人。璃空は少し迷いつつ、とある質問をしてみることにした。

「なあ、前原」

「んあ」

「もし、彼女ができたら──その、フェラしてもらいたいと思う?」

 前原はぴくんと耳を動かし、ニヤニヤした。

「お、下ネタ? 朝比奈とこーゆー話しするのはじめてじゃね?」

「うるさいな。どうなんだよ」

「んあ? そりゃしてもらいてーよ。当たり前じゃん」

 即答だった。が「あ、でも」と何かを思い出したように声を上げた。

「高校の時にさあ、女好きのモテ男の友達がいたんだけど」

「ふん?」

「まあ、手当たり次第ヤリまくってたわけ。でさ、そいつに本命ができたんだよ。なのに、人気のないところで別の女に咥えさせてるの見ちゃったんだ。したらそいつ『本命にはさせたくないんだ』って言ってたな」

 璃空は思わず手を止め「な、何で」と前原に視線を向けた。前原は気付かず、商品をレジ袋にぽいぽい入れていく。

「知らねー。けどさ、それはモテ男ならではの考えなんじゃねーの? 彼女以外にも相手がいないとそもそも無理だし」

 モテ男。
 優斗は間違いなく、もてる。

 いや、しかし。

「あ! もしや、夏休みに彼女できたとか言わねーだろうな!」

 顔をずいっと近付けられた璃空は驚き「違うよ!」と前原の頭を叩いた。

「ならいーけど」

 前原は頭をさすり「んじゃ、またな」と思いもよらない情報を璃空に授け、去って行った。
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